愛の嵐 (1986年・フジテレビ昼ドラ) 原作：「嵐が丘」（エミリー・ブロンテ） 企画：出原弘之 音楽：坂田晃一 脚本：大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美 演出：山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次 プロデューサー：松村明、平野一夫、小野俊和

第43話
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ひかるは帰国する兵士の姿を見ると、猛の事を思い出す。
ボーッとしているひかるの事を気に掛ける勇作は、疲れている
のではないかと優しく声を掛ける。
勇作はお座敷ホステスの件を語る。先日ハナが客に襲われた事
に関連し、あれがひかるだったと思うとゾッとする事を告げ、
やはりホステスの存在も必要だという。当然ながら料理に関して
もきっちりすることを考えていると告げるが、当面はそういう
方向で行くと語る。

ハナは遅れて旅館にやってくる。
絹が立ちくらみして火傷をしたことを聞くと、すぐに実家の母
の元に戻る。絹はハナに口止めしていたのにとするが、娘に
隠し事などしないでと告げる。お母さんは幼いときから畑仕事
などしたことがないから疲れたのだろうとすると、もっとそう
した仕事をしておくべきだったという絹。ひかるは、そんなに
働かなくても大河原家が金を届けているでしょう?と告げる。
母を布団に寝かせようとする中、押し入れに木箱が有るので
取って欲しいと頼む絹。その中には、これまで大河原家が送って
来た金が手つかずで残っていた。毎月これが届くと、娘の事を
売り渡した様で後悔しているという。つまらない意地を張って
ごめんなさいとし、一番辛い思いをしているのはひかるである
事を告げる。ひかるは父が好きだった母は、強くて優しくて
美しく、泣き虫だと告げ、私は全然辛くはない事を告げる。

絹は文彦の事を心配するが、大河原の新しい店を手伝っていて
頼りにされている事を告げる。猛さえ生きていれば・・という
愚痴を告げる絹。それを聞いてひかるは、猛は死んでいないの
かも知れないとし、そんな夢を見ることを告げると、自分も
そんな夢を見るという絹。今日はここに泊まっていっても良いと
許可を貰ってきている事を語るひかる。

勇作の元に西田がやってくる。
現在朝鮮戦争に送る為の物資が横田基地でだぶついている事を
告げ、勇作に買い取らないか?という。軍の食料なので実費
だけで良いという。買い取ったらお縄になるという事はないの
か?と尋ねると、西田は副知事も絡んでいる話だから大丈夫だ
と語る。勇作は全てを買い取るのでどんどん持ってきて欲しい
と頼む。
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★娘に対する後ろめたい絹の最後の意地

毎月大河原家から生活費を送られてくることは、ひかるを金で
売ったという事実を思い出させるようで、後ろめたい気持ち
になるという。絹が畑仕事をしているのは、そんな大河原家
の金に手を付けずにやっていこうとしている為のもの。

しかし幼い頃から農作業をしたことのない絹にとっては大変な
事だった。

★猛、待望論

絹もひかるも猛が生きているのではないかという思いを希望と
して生きる糧にしているみたい。二人とも夢に見るというくらい
だから、猛に対する信頼感は相当なものだね。

★横田基地の余剰物資

食糧不足の戦後の混乱期に有り難い話が舞い込んだ。
ドラマでは、この物資に手を付けることで勇作が逮捕されて
いくのかなと思ったけど、ちょっと事情が違うみたい。

★文彦は商売の楽しさを知る

人を使ったりする仕事は、小説を書いているようなモノだと
いう。そんな楽しさを知って、勇作は文彦に対して今度共同
経営しないかと語る。勇作は嫌な奴だけど、結構面倒見は
良い人だね。

オチとして文彦は勇作に金の無心をする辺り、セコイというか
なんというか・・・

★猛は帰郷

ひかるが偶然墓参りに来たところで鉢合わせするのだから運命
なのか。そんなひかるを呼びに来る勇作にも運命が存在して
いるのかもしれない。

★戦争が猛を変えたのか?

伝右衛門の死や三枝家の没落、ひかるの結婚など、猛のターニ
ングポイントは戦争以外にも幾らでも存在している。
金が全てだと思い始めた背景には、やはりひかるを奪われた事
だろうね。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三 (大河原旅館、金融業)
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
大河原静子 …… 福田公子 (勇作の母、旅館の女将)
大河原秀子 …… 芦川よしみ (勇作の妹、専門学校生)
大河原政之助 …… 犬塚弘 (勇作の父)

西野 …… 若林哲行
戦友 …… 峯好浩
友子 …… 松阪隆子 (文彦の彼女)
章次 …… 国枝量平 (バーのマスター)
秘書 …… 吉見文
和尚 …… 内田朝雄

ナレーション：中西妙子

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)