愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第53話
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文彦は友子を追って東京に行くという。
ひかるは兄のために少ないけど足しにして欲しいとお金を渡す。
今度こそ友子と一緒に幸せを掴んで欲しいという。そんな姿を
見てハナは、ひかるの方がお姉さんみたいだという。
絹は文彦を仏間に呼び出すと、封筒の金を持ち出したのは貴方
ね?と問いつめる。これは毎月大河原家から渡される金で、
受け取ればひかるの事を身売りしている事になるので、いつか
返そうとしていたものだったという。お金の出所など関係ない
とし、一時的に借りただけだという。絹は金時計はどうしたのか?
とし、あれは形見として猛に与えた物だと告げると、三枝家の
息子はあくまで自分であり、親父は俺に何を残してくれたのか?
という。絹にしてもこれまではかわいいと言ってきたのに、今や
厄介者を見る目で見ていることを指摘し、絹が期待を掛けていた
のは猛であり、そして貴方が可愛いと思っているのは、子供たち
ではなく自分自身である事を告げる。
それを聞いた猛は憤怒し、部屋から木刀を持ってくる。
文彦に木刀を突きつけて正座させ、これは旦那様に頂いた木刀
であり、旦那様は文彦が間違った道を歩めばこれで戒めろと
言ったことを告げる。すると文彦はお前はそれほど立派な生き方
をしているのか?と問う。絹は猛の気持ちはうれしいが、文彦
を歪めてしまったのは私だとして、打つならば私を打ってくれ
と文彦を庇う。ひかるもまた猛にこの木刀を持つ資格が有るのか?
と問い、貴方は変わったこと。弱い物に対する優しさや労りの
心を無くしたと指摘する。そしてひかるは兄に対してこれからは
強くなって欲しいと告げる。

そんなやりとりを見ていた絹は、突然倒れてしまう。
医者ょ呼び寄せると、医者は一度病院で心電図で検査して欲しい
という。入院するのが一番である事を告げ、心穏やかに過ごす
事が一番の療養で薬も気長に続けて欲しいと告げる。
文彦は母に謝罪し、35歳になっても人並みに働く力も無く、母
を幸せにすることも出来ない事を嘆く。そんな文彦にひかるは、
詩を書き続ける必要性を訴える。

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親不孝者の文彦

相変わらず子供の時から劣等感を持つ彼。

絹が甘やかしたのが本当に悪かったのだろうか。
文彦によると可愛いと言ってきたのに突然絹が態度を急変させ
たような口ぶりだったけれど、既に子供の頃に厳しく言いつけて
いた部分も有る。

母親のなけなしの金をこれまでにも何度も無心し、父親の形見
さえも奪い取ろうとする。まぁ金時計に関しては猛に託された
事に対する嫌悪感は分かるけれど、ここまで親に対して非道に
なれる文彦が凄い。

立派な生き方をしているのか!?

家族は猛を猛非難するけれど、文彦はともかくひかるだって
それを言う程立派な生き方をしているとは思えない。

弱い物に対する優しさ・労りを忘れているとの事だけど、その
優しさの為に文彦が駄目になったであろう事を忘れてしまって
いるのだろうか?

倒れた母を後にして東京に行く文彦

こんな時に何も行かなくても良いのではないかという感じがする。
まぁ居てもろくな事をしないのは確かだけど。

猛は三枝家を出て行く

しかしひかるは、事務所を引っ越すことだけは辞めて欲しいと
頼む。猛の存在を心強く思っているとし、引き留める彼女。

秀子と同棲する猛に、章次は反抗

章次が猛に反抗するのを初めて見たシーンだった。
ひかるをそこまで苦しめないと行けないのかとの事だけど、
猛は恋愛も結婚も出来ないのか?
秀子という相手が大河原だから駄目なのか、それとも愛が無い
事が明らかなので駄目なのか。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三 (大河原旅館、金融業)
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
大河原静子 …… 福田公子 (勇作の母、旅館の女将)
大河原秀子 …… 芦川よしみ (勇作の妹、専門学校生)
大河原政之助 …… 犬塚弘 (勇作の父)

和尚 …… 内田朝雄
富田章次 …… 国枝量平 (バーのマスター)
医者 …… 高杉哲平

ナレーション:中西妙子


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