愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第64話
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勇作はひかるの元に行き、章次の件はあくまで佃組がしたこと
で、自分には関係がないと弁明する。しかしひかるは幾ら弁解
しても章次の体は戻らないと告げる。神明に誓って何もして
いないとし、ひかるのことだけが気がかりだった事を語る。
そんな中、ハナが病室にやってくる。
勇作が帰宅した後、ハナはひかるにお屋敷の権利が三枝家に
戻ったことを語る。養豚場を交換条件に猛が取り戻した事を
告げ、明日ひかるの退院に合わせてお祝いをするので来て欲しい
と語る。しかしひかるには、勇作の肩を落とした姿が頭に
こびりつき、ハナの喜びに素直に受け止められずにいた。

三枝家ではお祝いの用意が整い、和尚達もやってくる。
ハナはひかるが来ないために静子の元に電話するも、ひかるは
出かけたという。ハナは一刻も早くあの家を出れば良いのにと
告げるが、和尚はそれは言い過ぎだとし、現在ひかるは大河原
家の人間であることを告げる。そして三枝に取って春である
という事は、大河原家は大変な事になっているという事だと告げ
ひかるはそれを素直に喜べないのだという。それがひかるの優
しさである事。

その頃ひかるは三枝家に来るために出てきたはずが、どうしても
祝いの席に出られず番小屋に来ていた。

猛はひかるが来ないことに落ち込んでいると和尚が彼に酒を
注ぐ。猛は和尚に女って何なんだ?とすると、道を外れたお前に
女心が分かるはずもなく、自分の事さえ分からない状況だろう
と告げる。お前はひかるに会って屋敷を取り戻したことに良か
ったと言って欲しかったのか?という。お前は自分のことしか
見えておらず、今の立場でひかるが素直に喜べるはずはないと
語る。

平野は猛に対して和尚の言うことはもっともだと語る。しかし
猛はあれは理屈だという。平野はひかるを愛しているのならば
何故秀子と別れないのか?と問う。仕事上の泥仕合は仕方がない
が、二人を巻き込み傷付けている現状を責め、そう格好付ける
なと声を掛ける。

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勇作とひかるの関係

ひかるは勇作の事を完全に信用できない状況だが、ひかるの優
しさは、全てを失いそうな危機にある勇作の事を放っては置け
ない状況だ。
勇作の汚い態度とは余所に、ひかるに対する気持ちだけは本物
の様子。

三枝家奪還の祝い

第三者である和尚とか、平野はとても冷静な視線で語りかける。
ハナとか猛の心情の方が人間的な感じもするけどね。

残念ながらひかるは屋敷には来なかったけど、番小屋ではしっ
かり再会することが出来た。

ひかるは実家には戻らず勇作の元へ

今の勇作にとってはひかるが唯一の希望であり、守るべきプラ
イドとしている感じだね。猛に対して唯一イニシアチブをもてる
のがひかるの存在だ。

ひかるが退院後真っ直ぐ猛の元に戻ったならば差し違えるはず
だったとする勇作。窮鼠猫を噛む状態の人の瀬戸際の状態は
怖いものがあるな。

猛はドラムを叩く

折角三枝家を取り戻したのに一番喜んで欲しい人に喜んで
もらえない辛さ。

複雑な秀子の猛への思い

雨降って地固まるかと思えば、猛が無意識のうちにハッした
一言が全てをダメにする。同情すれば秀子と結ばれて欲しいと
いう気持ちもあるけど、やはりここで別れるのが一番なのかな。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三 (大河原旅館、金融業)
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
大河原静子 …… 福田公子 (勇作の母、旅館の女将)
大河原秀子 …… 芦川よしみ (勇作の妹、専門学校生)
大河原政之助 …… 犬塚弘 (勇作の父)


平野 …… 内田勝正 (中尉)
看護婦 …… 西大條容子
和尚 …… 内田朝雄


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