華の嵐
(1988年、フジテレビ、昼ドラ)

原作:長坂秀佳
脚本:田口耕三(1-12)、下飯坂菊馬、大久保昌一良
プロデューサー:松村明、福田真治、井村次雄
企画:出原弘之
音楽:奥慶一
演出:松生秀二(1-5)(11)(12)、花堂純次(6-10)、福田真治
井村次雄



第12話
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柳子が病院で輸血をした事で、母・貴久子は激怒。
病院から帰宅する柳子を待っていて彼女に厳しく言いつける。
夕べ貴方は、"私はそんな愚かな女ではない"と言ったのに
なんて事をしたのかと告げる。柳子は何度も助けられたので
そのお礼がしたかった事を告げる。貴方の血は貴方だけのもの
ではないとし、朝倉家と津川家の血が代々と引き継がれてきた
ものであり、華族の血があんな男の血の中に流れていると思う
と死にたくなるという。先祖を傷付けてまで愛しい人なのか?
と問い、昨日は圭吾に病院には行かないと公言していたでしょ
うと告げる。私は貴方のことが信じられなくなったという母に
対して、信じられないならば結構だと柳子は語る。母は貴方は
朝倉家を継ぐ大切な人なので華族の道を踏み外すことだけは
しないでと告げる。そんな母に対して、分かってもらえないの
であれば、これ以上話をしても無駄だと一蹴する。しかし柳子
は貧血で倒れてしまう。

母は景清の前で全てはあの男のせいだとし、何とかしないと
取り返しの付かない事になると告げ、早く鳥彦との縁談を進め
ないとダメだという。

柳子の妹・琴子はベッドで寝ている姉に黒砂糖の飴を持って
いく。柳子は琴子に、貴方も私のしたことがとんでもないと
思っているのか?と尋ねると、私は大賛成で良いことをしたと
思っていると告げる。あの場にいたら私だって血くらい提供
したという。柳子は相手が一也だからという訳ではなく、急に
ナイチンゲールを思い出したのだとし、慈善と恩返しの気持ち
が有った事を語る。しかし妹は本当の理由は違うでしょうと
意味ありげに告げる。

あの男の娘の血で助けられるとは皮肉だと、一也のベッドの傍
にいる山下とタケは語り合う。華族の女なんて意気地無しかと
思っていたがあの人だけは別のようだとタカ。そんな中、ついに
一也は目を開くのだった。

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柳子は華族としての教育を受けて育つも、彼女は母・貴久子と
は考え方に違いが出てくる。朝倉の跡継ぎの事ばかり考えている
母に対して、これ以上勝手に縁談を進めれば、家を出ていくと
告げる柳子だった。

柳子と一也の互いのプライドがぶつかり合う展開だったけど、
どんな事情であれ、助けられた事実には変わりなく、お礼を
言うべき道理が存在している。これまで復讐やら悪態によって
そんな一面を忘れていた二人が、少しずつ歩み寄る様な
展開を見せた。

柳子と母・貴久子の争いはとても興味深く、僅か数分のやり
とりだったけど、柳子が単なる財閥の娘という枠に留まらず、
自分というものを強く持っている事を感じさせた。

僅か10日間で何事もなかったように退院してしまう辺りが
滑稽だったけど、流石にドラマの一也は寝てばかりは居られない。

景清が一也が近付いてくる意図を直接本人に尋ねたのは二度目。
本当の狙いが分かる日がくるとするけど、それまでは完全に
放置しておくという事なのかな。

一也は柳子を葡萄園に呼び出したけれど、一体何をするつもり
なのか。思い切って関係が近付きそうな予感がするね。

朝倉柳子 …… 高木美保 (長女、20歳)
天堂一也 …… 渡辺裕之 (一人息子)
津川圭吾 …… 長塚京三 (叔父さん)
大森タカ …… 岩井友見 (一也の下宿の女主人)
朝倉景清 …… 高松英郎 (男爵)
朝倉貴久子 …… 稲垣美穂子 (景清の妻)
朝倉琴子 …… 早瀬優香子 (次女)
伊能鳥彦 …… 並木史朗 (新聞記者)
山下順造 …… 小宮健吾 (情報屋)
白坂彩子 …… 高須賀優香子 (柳子のライバル)
片岡元 …… 佐藤仁哉 (男爵の次男)
きぬ …… 町田博子 (朝倉家の執事)
少年時代の一也 …… 中田貴裕
富士乃(一也の母) …… 岐邑美沙子
正一 …… 大熊敏志 (タカの息子)
巴 …… 吉沢ゆかり

ナレーション:中西妙子


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