華の嵐
(1988年、フジテレビ、昼ドラ)

原作:長坂秀佳
脚本:田口耕三(1-16)、下飯坂菊馬(17-20)、大久保昌一良
プロデューサー:松村明、福田真治、井村次雄
企画:出原弘之
音楽:奥慶一
演出:松生秀二(1-5)(11-15)、花堂純次(6-10)(16-20)、福田真治
井村次雄



第20話
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朝から朝倉家を尋ねる者が居た。
海軍の山脇中将だった。朝倉家のブドウ園の土地に関して、
軍の要請ならば提供するのが国民の義務だという。しかし景清
は私の生涯を賭けた夢だという事を知っているだろうという。
自分は忠告したという山脇は、ベルリンの特派員のシュミット
はソ連のスパイの嫌疑が掛けられている事を告げ、接触しない
よう言ったと告げる。現在身辺を内定しているとし、今後は一切
交際しないよう告げる。
しかし景清は一人になると、今の時代は狂っている事を呟く。
そんな景清は胸を押さえて倒れてしまう。

幸い軽い心筋梗塞だった。安静が一番だという。景清は命運が
有るので大丈夫だとし、家族が集まった所で話をする。
現在軍と葡萄園の件でケンカしていること。恐らく嫌がらせが
有るかも知れないが、決して取り乱すことのない様語る。

一連の件で軍関係者から話を聞き出していた圭吾は、この土地の
一件で一也が関わっている事はないみたいだと告げる。嘘を
つくとは如何にも一也らしいとし、しかし土地の件では何らかの
手を打たないとダメだと語る。圭吾は陸軍と精通している片岡
男爵の息子に頼んでみる事を語る。

一方一也は突然態度を急変させ、陸軍が土地を取り上げるので
は復讐の意味がないと言い始める。山下はこの時代に軍部に
逆らったら平気では居られないとし、一也に頭を冷やすよう忠告
する。

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葡萄園を軍に提供するのは国民の義務だと迫られる中で、
戦争を早く集結させようとして景清が接触していたドイツの
特派員・シュミットは内定調査を受け、接触していた景清は
ブラットリストに入っていることを知る。

朝倉と一也の戦いの中にあって、改めて一也と柳子の関係が
抽出される話だった。
愛し合っているけど、容易に愛することのできない環境と境遇。

柳子は父や執事から話を聞いて、一也の怒りを静めようとする
も、当然華族の話す言葉に耳を貸す様な一也ではない。
しかも皮肉なことに柳子が婚約したことによって、一也の中の
嫉妬心がそんな一面をより照らし出す結果となった。

ドラマとしてはありがちな物だけど、軍部に復讐を任せず
自分で復讐したいが為に、一也自身が結果的に軍部に敵対的な
行動を見せていくのではないかという不安が存在する。

戦争という状況の中で、果たして自分の意思を貫くことが
出来るのか。

朝倉柳子 …… 高木美保 (長女、20歳)
天堂一也 …… 渡辺裕之 (一人息子)
津川圭吾 …… 長塚京三 (叔父さん)
大森タカ …… 岩井友見 (一也の下宿の女主人)
朝倉景清 …… 高松英郎 (男爵)
朝倉貴久子 …… 稲垣美穂子 (景清の妻)
朝倉琴子 …… 早瀬優香子 (次女)
伊能鳥彦 …… 並木史朗 (新聞記者)
山下順造 …… 小宮健吾 (情報屋)
白坂彩子 …… 高須賀優香子 (柳子のライバル)
片岡元 …… 佐藤仁哉 (男爵の次男)
きぬ …… 町田博子 (朝倉家の召使)
少年時代の一也 …… 中田貴裕
早川富士乃(一也の母) …… 岐邑美沙子
正一 …… 大熊敏志 (タカの息子)
巴 …… 吉沢ゆかり (朝倉家の召使)

ナレーション:中西妙子


平沼 …… 中島元 (朝倉家の秘書)
山脇中将 …… 入江正徳
憲兵・小野田 …… 北村晃一
憲兵・桜井 …… 吉原正皓

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (6.0)

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