華の嵐
(1988年、フジテレビ、昼ドラ)

原作:長坂秀佳
脚本:田口耕三(1-16)、下飯坂菊馬(17-35)、大久保昌一良(36)
(37)(38)(39)
プロデューサー:松村明、福田真治、井村次雄
企画:出原弘之
音楽:奥慶一
演出:松生秀二(1-5)(11-15)(21-25)(36)(37)(38)(39)
花堂純次(6-10)(16-20)(26-30)、福田真治(31-35)、井村次雄



第39話
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昭和23年、圭吾と柳子が結婚して3年後。
日本はインフレを経験するもようやく戦争から復興を迎える。
圭吾は美術仲介業での成功から金融業や小豆相場、運輸業に
手広く事業を広げて、意外な才能を発揮していた。

圭吾はこの日、同じ元華族の
左道寺伯爵夫人から壷などを
買い取るために査定する。夫人から同じ元華族としてのよしみ
として高く買い取って欲しいと訴えるも、華族という過去など
何の価値もないとする圭吾は、思いっきり買いたたく。10万円
はくだらないとする国宝級の壷を僅か3千円の値を付けたので
有る。激怒する夫人だが、金の入り用である夫人は仕方なく
金を受け取る。帰りに柳子は夫人と会うも、二人のことを
マムシ男爵、夜叉夫人だと揶揄していく。

柳子は圭吾の元に行くと花瓶はいつも仲良くしている
ケンプトン
大佐
の手みやげにしたらどうかと告げる。
圭吾は
GHQ指定の建設業者になる為には、ケンプトンを通じて
圭吾の会社が選定されなければならなかった。調布の鉄筋アパ
ート建設に少しでも荷担すれば、建設業に於いても足場が固め
られる事になる。是が非でも成功させようと柳子は圭吾に語る。

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戦後の混乱期、華族としての称号を失う中で、朝倉家は形振り
構わず金になりそうな事に手を出し成功を収める。
柳子も圭吾を支援し、周りからはマムシ男爵、夜叉夫人だと
非難されても、母親と朝倉家を守るために冷徹になっていく。

戦争によって変わってしまった感じの柳子の姿。

そうしなければ生きていけないであろう時代性である事だけど、
日本人の価値観からすると他人をけ落として成功を収める
事へのちょっとした違和感が存在する。

3年の月日が経過したことで、主要キャラたちがどのような
変化が訪れているのか興味深い物があり、それだけで楽しめる
ものがある。

琴子にしてみれば一家の大黒柱として、非情にならざるを
得ない訳だけど、琴子との関係性も含めて、如何に柳子が
変わったのかを実感させる。

ただ潜在的には一也への気持ちが残っていたり、気持ちを
切り替えて今のキャラクターを作って居るであろう事は伺える
ものなので、嫌悪感を示すほどのものではないかな。

タカも柳子の変わりように驚いていたけどね。

琴子はホテルの通訳の仕事を柳子によって辞めさせられたけど
今後どのように姉に反発していくのか楽しみかな。

朝倉柳子 …… 高木美保 (長女、20歳)
天堂一也 …… 渡辺裕之 (一人息子)
津川圭吾 …… 長塚京三 (叔父さん)
大森タカ …… 岩井友見 (一也の下宿の女主人)
朝倉景清 …… 高松英郎 (男爵)
朝倉貴久子 …… 稲垣美穂子 (景清の妻)
朝倉琴子 …… 早瀬優香子 (次女)
きぬ …… 町田博子 (朝倉家の召使)

ナレーション:中西妙子


大川頭取 …… 久遠利三
通訳ハロルド …… 伊藤克信
刑事 …… 玉村駿太郎
左道寺伯爵夫人 …… 船場牡丹 (骨董を売りに来る)
ケンプトン大佐 …… ジェイソン・グレゴリー (圭吾と癒着)
ジョージ少尉 …… スティーブン・シーデル (琴子とダンス)
酔客 …… 武田信介
パンパン …… 原真名美、岡本みぎわ
初枝 …… 加藤幸子 (朝倉家の召使)


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