華の嵐
(1988年、フジテレビ、昼ドラ)

原作:長坂秀佳
脚本:田口耕三(1-16)、下飯坂菊馬(17-35)
大久保昌一良(36-58)
プロデューサー:松村明、福田真治、井村次雄
企画:出原弘之
音楽:奥慶一
演出:松生秀二(1-5)(11-15)(21-25)(36-40)
花堂純次(6-10)(16-20)(26-30)(56-58)、福田真治(31-35)(46-50)
井村次雄(41-45)(51-55)





第58話
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圭吾が逮捕された事は飛田組にも伝わる。
若い衆たちは乾杯だと騒ぎ出すが、飛田は琴子の手前それを
許さなかった。琴子は別に気を遣うなとして、みんなに酒を
振る舞うが、突然涙しながら飛び出してしまう。すぐに飛田は
追いかけ彼女を慰める。
一也自身も何処か憂鬱な顔をしていた。一也は室内で蝶の死骸
を目にすると、それが柳子の姿に思え、柳子が助けを求めて
いる姿を思い浮かべる。しかしそれは一也が見た夢だった。
夢に魘される彼を心配するタカは、今度のことで苦しんでいる
のだろうとし、あの時一也の行動を止めるべきだったと語る。
しかし一也は自分が覚悟を決めてやったことだと告げると、
タカは自分には何も出来ないがせめて苦しみの半分を分けて
欲しいと語る。一也は自分がやったことが正しかったのかどう
かと告げると、タカは誰かがやらねばならない事をやっただけ
だと語り、この町が滅茶苦茶になるのを防いだのだと強調する。

柳子の元には第八銀行の銀行員が訪れ、貸した金の返済を
求める。5年後の返済のハズだとするが、圭吾が捕まったことで
朝倉建設の将来性を疑問視する声が出ているためだった。
そんな中、柳子の元にも刑事がやってきて参考人として警察署
への同行を求める。
柳子は圭吾と会うと、全ては一也のしわざだと告げる。
ケンプトンの領収書の存在が明らかになったのは、一也が金庫
から盗んだためだろうという。ここから出たら二度と失敗は
しないという圭吾に対して、もう強引なことは辞めようと柳子
は語る。しかし圭吾は決して弱気になるなと告げ、私たちには
高い理想が有ったはずだと語る。

柳子は教会に行き、キリスト像の前で跪くと、父親を失い、
過去の栄光を失い、永遠の愛を失った事で、一人ぼっちに
なり自分を見失いそうで怖いと告げる。華族の栄光も嵐に晒さ
れている事。人の命の重さにも耐えられない事を告げると、
それを聞いていた一也が柳子の前に現れるのだった。

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ついに圭吾が警察から贈賄の容疑で捕まることで、朝倉崩壊
が始まる。柳子もこれまでの生き方に対して反省する中で、
圭吾だけは、次こそは失敗しないとして、諦めずにいた。

一也が未だに柳子の件を引きずっているであろう事をタカが
思い知らされるといった感じの話だった。
一也はこの一件が終われば、タカの田舎でのんびり過ごしたい
とするが、果たしてタカは一也の気持ちを知ってそんな行動
を取れるのかどうか。

一也がタカにベッコウの髪留めをプレゼントした事。
それが思い出の品みたいな扱いにされそうでなんとも怖い。

柳子の弱気な一面を教会で見た一也にとって、一也は確かに
気分が良いのかも知れないけど、柳子がかつてのような姿に
戻らない限り安心できない所はあるかな。

それにしても教会がまた戦時中のままだというのに相当違和感
があるぞ。戦後の混乱期で教会に手が回らないのは分かるけど
真っ先に立て直していくようなものじゃないのかという気がす
る。

朝倉柳子 …… 高木美保 (長女、20歳)
天堂一也 …… 渡辺裕之 (一人息子)
津川圭吾 …… 長塚京三 (叔父さん)
大森タカ …… 岩井友見 (一也の下宿の女主人)
朝倉景清 …… 高松英郎 (男爵)
朝倉貴久子 …… 稲垣美穂子 (景清の妻)
朝倉琴子 …… 早瀬優香子 (次女)
きぬ …… 町田博子 (朝倉家の召使)

ナレーション:中西妙子

飛田雄介 …… 黒沢年男 (土建屋)
杉山 …… 遠藤憲一 (圭吾の部下)
初枝 …… 加藤幸子 (朝倉家の召使い)
小池 …… 大谷一夫
太田 …… 清水忠一
飛田組の若い衆 …… 北村学、大坪幸二、東尾祐、あくたけん


銀行員 …… 山口純平


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