金曜日には花を買って
(1986年10月10日から1987年1月23日)

脚本 : 松原敏春
プロデューサー : 飯島敏宏、松本健、浜井誠
演出 : 飯島敏宏、松本健(1)(2)(3)(6)(7)(8)(12)、赤羽博(4)(9)
(10)

http://www.bs-tbs.co.jp/app/program_details/index/DRT1006000



第12話 この深き傷を
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帰宅しようとしていた保の前に別れを決断していた百合が現れる。
百合は話したいことが有るとして、彼を居酒屋に誘う。
一度は別れたのにまたこうして飲むなんて腐れ縁ねと告げる百合。
百合は昨日週刊誌を買いに来た女性の話をする。その女性は
保の妻・恵子であり、電車に乗って何処かに行ったこと。
もしかしてあの人に会いに行ったのかも知れない事を告げる。
かつて駅前で男の車から下りてくる恵子の姿を見たとし、
その時は親しげに手を握ったりしていた事。保はその男性とは
誰のことなのか?と問うと、蓼科にも来ていた左利きの男性だと
語る。百合は保は浮気せずに居るのに、奥様だけふしだらなんて
許せないという。しかし保は信じられないといった表情で、
車から降りるのを見ただけだろう?と問い、百合の発言の真意性
を疑う。しかし百合は保相手に嘘をつくほど私は落ちぶれては
いないと告げる。

保は帰宅すると恵子に対して聞きたいことが有ると語る。

一方公平は町子に対して、どうして欲しいのか?と問う。
町子も同様に私の方こそ貴方に何をして欲しいのか分からない
という。貴方は上っ面だけで私のことを怒っていると非難する
と、公平は町子に対して誰か相手が居るんじゃないか?と疑う。
町子は激怒するが、公平はお前の気持ちはいつも上の空で
俺に対していい加減だと非難する。

保は恵子に対して包み隠さず告白するので許して欲しいと前提
として語った上で、かつて無くなったとしていたYシャツは
自分が抜き取ったことを語る。Yシャツを着て寝るのが好きだと
いう知り合いの女性がいて、アパートにも何度も行ったし、
蓼科には彼女が勝手に付いてきた事をつげ、しかし男女の関係
は決してないと告げる。それを話した後、保は許せないか?と
問うと、許すという妻。しかし話の続きがあるとし、保は
その女の子が、恵子と英明が一緒に仲良さげにいるのを見た
という。すると恵子はかつて下着を売りに行った際に帰りに
偶然英明に出会い、駅まで送ってもらったことを語る。食事
に誘われ駅まで行って買い物をしただけだと告げると、保は
偶然なのか?外で会ったのはそれだけなのか?と問い、それだけ
だと告げると、保は違和感を覚えながらも風呂に入るとして
この問題は不問にする態度に出る。

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いよいよ恵子と英明の関係が周りのものたちに発覚していく。
保は百合から、信吾ははる菜からその事実を聞かされ驚愕して
いく。果たして二人はもう引き返せない所まで来ているのか!?

前にも書いたけど、恵子と英明は、自分たちの気持ちばかりを
優先するあまり、子供達の事を完全におざなりにしている事も
あって、その存在を無視した発言には少々怒りを覚える。
まぁ確かに恋愛は本人同士の気持ちの問題なのだろうけど、
気持ちにブレーキを理性などは、そう言う問題とは切り離せない
ものが有るはずだ。

保が夫婦関係に於ける問題の全てを夫側の問題だとしている
事に、恵子に対する罪悪感をより際だたせる結果となっている
けれど、裏切られたと知ったときの保の姿にはちょっと可愛そう
なものが有った。

このドラマの前に放送されていた金曜日の妻たち3でも
板東英二は、小川知子に裏切られてしまったけれど、それぞれの
リアクションが実に興味深く比較されるものがあるな。

保が恵子の自尊心を傷付けないように、自分の落ち度から語り
初めて、相手の浮気の事実を聞き出そうとする辺り、とても
上手いやりとりだった。

今回はなんと言っても信吾が英明と恵子との関係を知った後の
兄弟としてのやりとりが最も印象に残る。
このドラマの中でも名シーンの一つだね。

外野がどうすることも出来ず、本人達の気持ちの問題として
これ以上何も出来ない所がなんとももどかしい限り。

恵子は出て行くけれど、罪の意識を感じているのならばやはり
英明とは結ばれない方が良いと思う。しかしこうなることは
分かってやっていた節もあるのでどうなることなのか。

公平はノンちゃんに年上の先輩の彼が出来たようなので
お役ご免って感じか。それでも公平自身はさっぱりとした顔を
していたので良かったと思う。

山村恵子 …… 篠ひろ子 (14年前夫を亡くし再婚。英明とも・・)
山村保 …… 板東英二 (恵子と結婚。仕事は独立)
沢井町子 …… 池田裕子 (ラジオのDJ、恵子の7年後輩)
沢井公平 …… 佐藤B作 (保の後輩、町子の夫)
清沢和江 …… 多岐川裕美 (信吾と結婚していたが・・)
中川信吾 …… 奥田瑛二 (美容師、和江と離婚したくない)
中川英明 …… 世良公則 (信吾の弟、不動産業)
安東百合 …… 森下愛子 (駅の売店)
沢井愛国 …… 小林昭二 (公平の父)
戸崎はる菜 …… 香坂みゆき (英明の彼女)
リカちゃん …… 堀江しのぶ (バーで働く)
ノンちゃん …… 網浜直子 ("花ハナ"店員、"内田ノリ子")

山村彰 …… 小林由治 (息子)
山村千恵子 …… 土井千恵子 (娘)
沢井祐子 …… 西田彩女 (娘)
OLたち …… 奈津れい子、山下友美恵、松永みちえ


小泉哲夫 …… 中山翔太 (ノンちゃんの一年先輩)
ピアニスト …… 谷知直子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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