金曜日には花を買って
(1986年10月10日から1987年1月23日)

脚本 : 松原敏春
プロデューサー : 飯島敏宏、松本健、浜井誠
演出 : 飯島敏宏、松本健(1-3)(6-8)(12)(13)、赤羽博(4)(9)
(10)

http://www.bs-tbs.co.jp/app/program_details/index/DRT1006000



第13話 悲しみ色の街
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保に恵子と英明が不倫関係にあることを知られ、恵子は荷物を
まとめて家を出て行こうとする。しかしその時ちょうど玄関に
は和江の姿があった。出て行くという恵子の手を握ると、ただ
ならぬ恵子の様子に、保にバレたのか?と問い、何処に行くつ
もりなのか?と問う。

一方英明は、はる菜と共にピアノバーに来ていた。
はる菜は急に英明が優しくなったことに対して、一度冷たく
なってまた優しくなったとし、うわべだけの優しさである事を
指摘。その心境の変化に対して私は貴方に何があったのか分かる
とし、恵子が貴方を受け入れたのでしょうと告げる。それが
分かっていても一緒にいたいというはる菜は、その事実を保や
信吾に話したという。嫌われるのが分かっていても話したのは
自分が押しつぶされそうだったからと告げる。
英明は君は以前と全く変わりがないがオレの方が変わってしま
ったとし、同時に二人は愛せないとして別れを切り出そうとす
るが、はる菜は意図的に聞こえないとして耳を貸そうとはしな
かった。

信吾は和江に電話する。
店にいないから恵子の家にいるとおったという信吾。和江は
保に恵子と英明の関係が発覚してしまったことを告げると、
今すぐにそっちに行くという。

和江は恵子に話しかけると、私は恵子の味方だと告げる。
恵子は自分はしてはいけないことをしたと告げると、和江は
人間はしてはいけないと分かりつつもやってしまう厄介な生き物
だという。保と話し合うべきだとするが、恵子は謝る事以外に
することはないとし、相手が気が済むまで何でも受け入れるしか
ないという。こうなったら良い子になろうとしてもダメだとし、
どう謝ろうとも保の気が済むはずはないとし、恵子の意思を
貫くしかない事を語る。そんな中、保が帰ってくる。

和江は保に話しかけると、その時突然隣の家から町子が飛び出
してくる。町子は公平とは話にならないとし、あの人は責める
ばかりで話を聞いてくれないと不満をぶちまける。そこに
信吾や公平もやってくる。
公平はなぜいつも話し合いになると、こちら側に逃げてくるのか
とし、先輩達がいつも味方してくれるからだろうと指摘。
夫婦の問題なのだから二人で話し合うべきだと告げる。もう
こんなのは夫婦の会話ではないと告げると、お前は別れるつも
りなのか?と激怒する。

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いよいよ発覚してしまった恵子の不倫の事実。
恵子は済まない気持ちで夫の顔を正視できず、保も気持ちが
混乱していてどうすれば良いのか分からずにいた。

なんとも難しい話だけど、保の冷静さが有る意味、神レベルに
達していると思う。感情を押し殺しているのかもしれないけど、
決して怒鳴ったりせず、相手の気持ちを聞きつつも自分の意見
を主張していくという、ここでも日本人らしい優等生っぷりの
対応が現れる。

公平や信吾は保の味方で和江や町子は恵子の味方だという、
男性には男性の、女性には女性にしか分からない事情が存在
しているのだろうか。

子供の事を考えれば当然別れるのがベストの選択とは思えない
けれど、一度浮気などして裏切った人物の事を、今後事ある毎
に疑心の目を持って相手のことを見てしまう事にも繋がるだろう
し、恵子にしても夫に対する後ろめたい気持ちに終始支配される
生活が続きそうだ。

子供を盾にするつもりはないとする保だけど、家を出て行くと
言うのであれば、子供達の前で全ての事実を話して出て行く
だけの覚悟が有るのかどうかだよね。

町子と公平は、山村家の争いを見たからなのか、互いに自制する
姿があると共に、自分たちの至らない部分を感じて、仲が戻って
きた。

和江と信吾も、その多くは信吾の気持ちの変化が二人の関係の
距離を縮めた感じ。夫婦の時よりも自然にいられるというセリフ
は和江にとって、そうとう心に染みた感じだね。

夫婦でいる間はどこまででも立ち入って良いとし、世間的に
いう、夫婦であれ越えてはならない一線などは嘘だとした主張
にも説得力があった。

さて二人はどういう結論を出していくのか。

そういえば保と百合の関係はどうなったのかな。

山村恵子 …… 篠ひろ子 (14年前夫を亡くし再婚。英明とも・・)
山村保 …… 板東英二 (恵子と結婚。仕事は独立)
沢井町子 …… 池田裕子 (ラジオのDJ、恵子の7年後輩)
沢井公平 …… 佐藤B作 (保の後輩、町子の夫)
清沢和江 …… 多岐川裕美 (信吾と結婚していたが・・)
中川信吾 …… 奥田瑛二 (美容師、和江と離婚したくない)
中川英明 …… 世良公則 (信吾の弟、不動産業)
安東百合 …… 森下愛子 (駅の売店)
沢井愛国 …… 小林昭二 (公平の父)
戸崎はる菜 …… 香坂みゆき (英明の彼女)
リカちゃん …… 堀江しのぶ (バーで働く)
ノンちゃん …… 網浜直子 ("花ハナ"店員、"内田ノリ子")


山村彰 …… 小林由治 (息子)
山村千恵子 …… 土井千恵子 (娘)
沢井祐子 …… 西田彩女 (娘)
OLたち …… 奈津れい子、山下友美恵、松永みちえ


歌手 …… 小林明子
板前 …… 神林哲哉


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