101回目のプロポーズ
(1991年度7月期、フジテレビ、月21時枠)

脚本:野島伸司
プロデュース:大多亮
演出:光野道夫(1)(2)、石坂理江子、林徹
演出補:林徹、中江功、緒方幸夫
音楽:西村由紀江
監督:山田良明
主題歌:CHAGE & ASKA「SAY YES」

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/kennedys/index.html





第2話 一生に一度の賭け
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達郎は千恵の入れ知恵で、薫の前で"50年後の君を今と変わら
ず愛している"と語ることで、薫の達郎を見る目が変わってしま
う。そして金曜日のコンサートチケットを手渡し、是非音楽を
聞きに来て欲しいと告げる。薫はまさか亡くなった彼・真壁と
同じプロポーズの言葉を聞けるなんて思いもしなかった事を
告げ、もしかして彼の生まれ変わりなのではないかと目を輝か
せる。それを聞いた尚人は、誰かに聞いただけじゃないかと
告げる。しかし薫には一瞬でも同じ響きに聞こえていた。

薫は星野が思い出の言葉でプロポーズしてくれた事を妹の千恵
に語ると、やっぱり語ったのかと思わず漏らす。それを聞いた
薫はどういう事か問いつめると、自分が以前に真壁から話を聞
いて、星野に話したという。薫は千恵に激怒する。一瞬でも
彼の生まれ変わりだと思ったのがバカだったとし、人の弱みに
つけ込んで、善人面して誘ってくるなんて許せないという。
千恵は薫に星野に言葉の意味合いは話していない事を言おう
とするが、話せる状況ではなかった。

一方達郎は帰宅すると、純平に対して、一度見合いの電話で
断られたのにチケットを渡されたという事はどういう事なのか
と問う。しかもプロポーズをした後にチケットを渡された事に
は大きな意味があるのではないかという。達郎と薫は水と油
の様な存在なのに、どうすれば良いのか。まずはコンサートを
どうすべきか対策を取るべきだと語る。

翌日薫は桃子の職場に行き、達郎とのことを話す。
コンサートに誘ったのは気まずいとし、気があると思われて
いる可能性があることを告げる。桃子はいい人ならば付き合って
も良いのではないかとアドバイスする。もう真壁は居ないの
だし、恋愛が恐くなっているのではないか?と問われると、
薫は恋愛よりも寧ろ、真壁のことを忘れることの方が恐いと
心情を吐露する。桃子はその見合い相手はどんな人物なのか?
と問うと、コンサートの日に実際に見に来れば良いと誘う。

達郎は職場のランチで後輩の渋谷や涼子の前で、デートする
事になったことを告げると、涼子は祝勝会をやろうとして、
コンサートの日に夕食を作りに行くと語る。

一方大学で純平は千恵にお礼を告げる。
兄貴にアドバイスをしてくれたこと。それまで食事も喉を通ら
ない状況だったが、チケットを受け取り相当舞い上がっている
ことを語る。

コンサートの日。
千恵は薫の元にお詫びと称して差し入れをする。
千恵は薫に、相手が盛り上がっていること。そして現在彼は
ラブイズオーバーだと叫んで、この件が最後の恋だと話してい
る事を薫に告げる。しかし薫は人の弱みにつけ込んで勝手に
盛り上がるなんて許せないと感じていた。

そこに薫の後援者であり彼女に好意を寄せる佐伯がやってくる。
佐伯はコーサート後にホームパーティーを開くことを告げると
薫は友達を連れてパーティーにいくという。そこでとんでも
無い恥をかかせることを考えていた。

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達郎は千恵に教えられた台詞を使って薫に再度アタックすると
予想以上に彼女のハートを射止めることになる。しかしそれが
千恵による入れ知恵だと知った薫は、達郎の人間性を疑うと
共に、仕返ししようと考える。しかし薫の誤解だと知り、
縁談は断りたいが、謝罪しなければ気が済まない状況が次々と
訪れてしまう。

取りあえず純粋な達郎の事を薫が我が儘や勘違いに近い形で
振り回し、薫自身に罪悪感を持たせることで、上手く達郎との
再会を演出し続けている。

恋愛的立場に於いては薫の方が圧倒的に優位性を持つ間柄
故に、達郎が自分からアクションを起こしても空振りに
なる可能性は高いので、薫側に達郎に拘る理由付けを行う
ところがドラマとしては上手く出来たところだと思う。

このドラマの展開を見ていると、自分が大好きな漫画
「めぞん一刻」の響子さんと五代くんの誤解から生じて
アパートを追い出されてしまうエピソードを思い出す。

ドラマとしての生命線はイニシアチブをどちらに持たせるのか
にかかっており、その辺のバランス・駆け引きがとても興味
深く撮られているのがこのドラマとしての特徴だ。

また薫自身に対して、周りの人たちが以前のような気持ちで
立ち直って欲しいとする気持ちが、この不格好な恋愛を
後押しする形で、上手く演出されているところが良いね。

達郎の抑鬱の切り替わり方が、単純かつ実際には意外と
複雑なものが有って、達郎の行動を見ているだけでも本当に
ドラマとしては飽きないなと思う。

矢吹薫 …… 浅野温子 (30歳、オーケストラのチェリスト)
星野達郎 …… 武田鉄矢 (42歳、建設管理会社の万年係長)
星野純平 …… 江口洋介 (22歳、達郎の弟で大学生、法学部所属)
矢吹千恵 …… 田中律子 (20歳、薫の妹。純平と同じ大学)
岡村涼子 …… 石田ゆり子 (23歳、達郎と同じ会社の受付嬢)
沢村尚人 …… 竹内力 (28歳、オーケストラのバイオリニスト)
渋谷悟 …… 前田真之輔 (25歳、達郎係長の部下)
関谷祐子 …… 岩田美香 (涼子の友人、達郎と部下)
矢吹孝夫 …… 小坂一也 (薫と千恵の父)
石毛桃子 …… 浅田美代子 (34歳、薫の親友。楽器店を経営)
真壁芳之/藤井克巳 …… 長谷川初範 (35歳、達郎の上司)

立花 …… 斉木しげる


船田幸、伊藤美紀、前田真之輔、戸沢佑介、加世幸市
比嘉ひとみ、近藤美江子、田中ゆきえ、鼓太郎、中尾賢樹

佐藤幸雄、山本満、山木正義


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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