101回目のプロポーズ
(1991年度7月期、フジテレビ、月21時枠)

脚本:野島伸司
プロデュース:大多亮
演出:光野道夫(1)(2)、石坂理江子(4)、林徹
演出補:林徹、中江功、緒方幸夫
音楽:西村由紀江
監督:山田良明
主題歌:CHAGE & ASKA「SAY YES」

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/kennedys/index.html





第4話 愛が動く時
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達郎は薫から、忘れられない人・真壁の存在が居ることを
聞かされるが、達郎は怯まず、僕が幸せにすると公言する。
しかし薫は、そんなに結婚したいのであれば、一度真壁に遭わ
せて欲しいと言われ、言葉を失ってしまう。

翌日会社で達郎は、部下の渋谷から、先日の涼子のパワハラの
件で達郎が出世を不意にした事を慰める。人間としては専務
クラスのことをしたのだという。

薫は起きると昼になっていた。千恵は薫が家の鍵を無くした事
を聞いて出かけ際に自分の鍵を置いていく。

薫は桃子の店に行くと、真壁の件で達郎に話したこと。そして
彼にもう一度会わせて欲しいと無理を言った事を話す。すると
桃子は薫の行動は達郎に対して甘えたかったのではないか?と
し、話を聞いて欲しい行動だった事を指摘する。

昼食の歳、達郎は涼子と社員食堂で食事をする。
達郎は涼子に対して、女性は昔の恋人を忘れられない物なのか
と聞く。しかし人それぞれだと言われ、涼子から薫も達郎のこ
とを好きになれば必ず前の彼のことは忘れると励ます。

純平は大学で千恵と会う。
千恵は自分の誕生日で散々純平と達郎にかき乱されたことに
激怒し、二度と関わらないという。純平は謝罪し、昨晩の薫と
達郎の件で何か聞いていないか?と尋ねる。夕べ帰宅して以降
達郎の様子がおかしいのだと告げる。純平は千恵に対して、
尚人が好きなんだろう?と告げると、益々千恵のことを怒らせて
しまう。

達郎は矢吹家のマンションの前にいた。
昨晩薫が家の鍵を落としていったのを拾い渡せなかった為の
ものだった。千恵が帰宅するとその事実を語ると、彼女は
達郎を家の中へと招待する。しかし彼女は夕食の買い出しに
いくので留守番していて欲しいと頼まれる。夕食を一緒に
食べようと誘われ、これが最後の晩餐であることを指摘され
複雑な心境になる。
達郎は一人矢吹家でみんなの帰宅を待つ間、ドアのチャイム
が鳴る。対応に出ると男性がドアの前に立っており、達郎は
セールスの男性かと思い冷たくあしらう。何度もチャイムを
押してくる男性に激怒するが、男は薫の
父・孝夫だと聞くと
達郎は血の気が引いたようになり、反省の意味で正座する。
そこに薫が帰宅する。

父は娘にあの男は誰なのかと激怒する。母親から見合いしろ
と言われてその相手である事を告げ、決して付き合っている
訳ではないと語る。無くした鍵を届けに来ただけだとするが
父はあんな男と付き合わさせる為に薫の東京行きを許可した
のではないと語る。達郎は千恵から最後の晩餐を手渡され、
一人で食べてと言われ帰宅を余儀なくされるのだった。

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薫から事情を聞かされた達郎は、今後こそ彼女との繋がりが
無くなるかに思えたが、鍵を返しに行った際に、知らぬ事
とはいえ、達郎は薫の父親に無礼な振る舞いをしてしまう。
名誉を挽回するために、純平は千恵に頼んで、達郎と父・孝夫
のツーショットの場面を作ってもらうが・・・

もうこれ以上二人が関わっていくのも難しいのではないか?と
思わせつつ、上手いこと周りのフォローが有ったり、父親と
の奇抜な絡みで上手くつなぎ止めている印象ばかりが残る。

娘のことに対してフラフラしていると称した父親に対して、
達郎の彼女に対する観察眼が光り、上手く彼女が東京で活動
している価値みたいなものを父親に伝えられたと思う。

そんな父親とのやりとりの中で、何故か達郎のソバだけ延びて
いて、食べられずに悶絶しているかのようなシーンが笑えて
面白い。

父親が薫の為にした昔の恋愛話の中で、その時の状況はまさに
薫と達郎の事を想定しているかのような状況であり、奇しくも
インクまみれの父の姿と、タイヤ交換で汚れきった達郎の姿
を上手く重ね合わせる所など見事な計算だと思う。

達郎が昔から間が悪いとする辺りの一人演技も巧みだったし
弟・純平との絡みはどのシーンを見ても、安らぎを覚える
ものがある。
せっかく貰った涼子の電話番号を仕返しとばかりに燃やす
シーンなど笑えたし、薫からハッキリと断られているにも
関わらず食い下がらずにアピールし、逆に自分のペースに
持ち込んでいく所など、達郎が本当に恋愛下手なのかと思わ
せるものが有った。

1%も無いとする数字が一気に上昇するほどのラストのやりとり
はベタでは有るけど、なかなか彼女の気持ちを数値以上の感覚
で上手く知らしめたと思う。

矢吹薫 …… 浅野温子 (30歳、オーケストラのチェリスト)
星野達郎 …… 武田鉄矢 (42歳、建設管理会社の万年係長)
星野純平 …… 江口洋介 (22歳、達郎の弟で大学生、法学部所属)
矢吹千恵 …… 田中律子 (20歳、薫の妹。純平と同じ大学)
岡村涼子 …… 石田ゆり子 (23歳、達郎と同じ会社の受付嬢)
沢村尚人 …… 竹内力 (28歳、オーケストラのバイオリニスト)
渋谷悟 …… 前田真之輔 (25歳、達郎係長の部下)
関谷祐子 …… 岩田美香 (涼子の友人、達郎と部下)
矢吹孝夫 …… 小坂一也 (薫と千恵の父、浜松、印刷工場社長)
石毛桃子 …… 浅田美代子 (34歳、薫の親友。楽器店を経営)
真壁芳之/藤井克巳 …… 長谷川初範 (35歳、達郎の上司)

金原亭馬治


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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