101回目のプロポーズ
(1991年度7月期、フジテレビ、月21時枠)

脚本:野島伸司
プロデュース:大多亮
演出:光野道夫(1)(2)(5)(7)(8)、石坂理江子(4)、林徹
演出補:林徹、中江功、緒方幸夫
音楽:西村由紀江
監督:山田良明
主題歌:CHAGE & ASKA「SAY YES」

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/kennedys/index.html





第8話 悲しき婚約指輪
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薫は尚人とバーで待ち合わせる中、そこに一人で飲んでいた
藤井克巳と逢う。藤井は薫と結婚式の当日に交通事故で亡くし
た真壁芳之とうり二つの人物。藤井は薫があまりに自分のこと
を凝視する事が気になり話しかける。
そうしている間にも尚人がやってくると、藤井はバーから立ち
去る。彼が資料を忘れていくのを見た薫は彼の後を追いかけて
それを手渡すと、互いに自己紹介をする。薫は藤井を見送る中
涙するのだった。

達郎は渋谷とエレベーターに乗っているとと上司の藤井がやっ
てくる。達郎に案内されたバーで素敵な女性と出会ったという
藤井。

一方尚人は薫に対して練習が終わった後、昨日の男の事を彼女
に尋ねる。尚人は薫に対して誘われたからといって簡単に応じ
る女ではないだろうとし、答えをはぐらかそうとする薫を問い
つめると、薫は死んだ真壁に似ていることを受け明けるのだっ
た。

達郎は薫に会うと、結婚式の事を話す。
弟の純平から薫が心変わりする前に結婚式を挙げろと言われた
事もあり、達郎は積極的に進行しようとするが、薫は心ここに
あらずだった。達郎はそんな薫に気がつき、式場の件は自分が
全て決めることを告げるが、薫は急がなくても良い事を口にす
る。達郎は純平の言葉を引用し、薫が正気になれば結婚を破棄
されるかもしれないので急いで式を挙げろと言われている事を
ジョーク混じりに語るが・・・

薫と達郎は町中を歩いていると、突然薫は達郎に対して私のこ
とを好きですか?と尋ねられる。頷く達郎に対して好きだと
今すぐここで言って欲しいと語る。更にはキスしてという薫
に戸惑う達郎。達郎がたじろぐ姿を見て冗談だとするが、
薫は別れ際に達郎に聞こえない距離で"私をドキドキさせて"と
呟くのだった。

クーラーの無い星野家は蒸し風呂状態の中、達郎はトンカツを
揚げる。達郎は純平に対して先ほどの薫の行動に対して、
意見を求めるが、純平は女性は考えるのが好きな生き物であり
あんまり余計な事を考えるなとアドバイスし、そんな細かい
事を気にしていたらきりがないと語る。達郎はその言葉に
勇気を貰う。

一方クーラーで涼む矢吹家はそうめんを食べる。
薫と千恵と愛について話し合い、達郎とは未だに喧嘩したこと
が無いと語る。多分あの人は私が何をしても何を言っても怒ら
ない人だと呟く。そして真壁は違ったことを口にするが、
千恵は比べたら可哀想だとして、薫に対して本当に達郎と結婚
する気があるのか?と尋ねる。薫は結婚前なので色々と考えてい
るだけだとするが・・・

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達郎と薫がいよいよ結婚することが決まり、彼女を幸せにする
と誓った達郎。しかし結婚式まではどうなるか分からないと
する不安が頭を過ぎる中で、薫の前にかつて恋人だった真壁
と容姿がソックリの男性・藤井が現れ心を乱される。
薫も藤井が真壁とは違う人物だと理解しているが、どうしても
彼の面影を見て惹かれていく。

いよいよ最大の敵が現れる。
容姿だけでなく会社での地位も達郎以上に条件の良い男性・
藤井の登場。しかも薫が未だに心の蟠りとして存在している
真壁とソックリの人物と言うことで、気持ちが揺れるという
展開だった。

相変わらず矢吹家と星野家の温度差がドラマとして面白く
演出されている。これだけ違う境遇の中でも二人はやって
いけるのかという心配は尽きないけれど、それ以前に薫の心が
揺れ動いており、どうにもならない状況だ。

達郎は目の前の事実になかなか向き合おうとはせず、それでも
不安に感じている様子が手に取るように分かる。
可哀想だけどやはり恋愛に於いて、より相手に惚れた方が
負けだと言わんばかりの二人の状況に、気の毒にさえ思える。

ただ正直、藤井さんは無いな。
今だけ楽しければ良いとする男。娘が病気で一人で居る状況
にも、家を空けている姿。離婚した理由もまた、相手が束縛し
すぎるという事だけで、娘から母親を奪ってしまうような男
だし、正直あんまり彼の中の良さが見えてこない。

いずれ真壁と藤井が違う人物だという事が付き合いを通して
見えて来るであろう所だけど、それを辛抱強く達郎は待つだけ
なのか。

桃子にしても千恵にしても、既に薫の結婚モードに入っている
状況なのに薫本人だけが未だに苦しもがいている姿がなんとも
切ない。

涼子が尚人に好意を寄せてしまい、純平が切ない思いをする
ことになるも、千恵との関係に可能性が見いだせたところが
また良い感じに写るね。

矢吹薫 …… 浅野温子 (30歳、オーケストラのチェリスト)
星野達郎 …… 武田鉄矢 (42歳、建設管理会社の万年係長)
星野純平 …… 江口洋介 (22歳、達郎の弟で大学生、法学部所属)
矢吹千恵 …… 田中律子 (20歳、薫の妹。純平と同じ大学)
岡村涼子 …… 石田ゆり子 (23歳、達郎と同じ会社の受付嬢)
沢村尚人 …… 竹内力 (28歳、オーケストラのバイオリニスト)
渋谷悟 …… 前田真之輔 (25歳、達郎係長の部下)
関谷祐子 …… 岩田美香 (涼子の友人、達郎と部下)
矢吹孝夫 …… 小坂一也 (薫と千恵の父、浜松、印刷工場社長)
石毛桃子 …… 浅田美代子 (34歳、薫の親友。楽器店を経営)
真壁芳之/藤井克巳 …… 長谷川初範 (35歳、達郎の上司)
藤井美加 …… 田中友香里 (5歳)
ピアノバーのバーテン …… 佐藤幸雄


船田幸、伊藤美紀、田村元治、伊藤正博


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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