29歳のクリスマス

脚本/鎌田敏夫
演出/鈴木雅之、星田良子
企画/宅間秋史、石原隆
プロデューサー/中山和記


第1話 人生最悪の誕生日


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朝、鏡に向かう典子は十円ハゲが出来ていることを知り親友の
彩に電話を入れる。ちょうど彩は出社するところで話を聞く
どころではなかった。
今日は典子にとって29回目の誕生日。自らも出社のために
急いで駅(高井戸)に向かうとハイヒールの底が取れて最悪。
表参道駅で降りて急いでハイヒールを購入し会社へと向かう。
既に会議は開始されていた。典子にとっては大事な会議では
有ったが遅刻してしまう。そこで典子が主導していた企画は
マーケティング不足により撤退を余儀なくされ、更には後輩の
新田にパリコレの取材の仕事を奪われてしまう。変わりに
回ってきた仕事はパブの仕事。

仕事が終わると彼氏である久保田に電話を掛ける。今日は誕生
日なので二人で祝おうとするが彼は急な出張により九州に行く
事になったという。仕方なくレストランには親友の彩と共に
行くことになるが彼女も仕事が来られなくなる。
そんな時、彼女は彼氏の久保田が別の女性とデートしている
現場を目撃する。急いで彼氏の携帯に電話を入れるといずれ
話そうと思っていたことを告げられ、振られてしまうのだった。
外は大雨の中、帰宅すると親友の今井彩と新谷賢が居た。
食事の席で彩から生理が遅れている事を指摘され、ちゃんと
妊娠検査を行うべきだと告げられる。新谷賢が強引に検査キット
を買いに行かされ試してみると、妊娠はしていないことが発覚。
安心すべきハズだが、典子は複雑な表情を見せ涙する。
29歳の誕生日なのに散々な一日だったこと。一体自分は何を
やっているのだかと自分を責めるのだった。
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なんか懐かしいモノが再放送されますね。
地上波の再放送って3、4年くらい前のドラマを繰り返し放送する
事が多いけど、もっと古いドラマも放送すれば良いと思う。
当時の価値観では受け入れられなかったドラマでも、今見ると
案外面白いモノだって含まれているはずだ。

ドラマは1994年の10月期に放送されたドラマ。
今の価値観とは違い、女性としての崖っぷちは29歳が設定され
ていた頃の時代だ。

29歳の誕生日という日は最悪の日だった。
何一つ良いことは無い。男に振られ、仕事は一線から降ろされ
最も充実すべき年齢のハズなのに寂しい日を送ることになる。
それでもそれなりの所に住んで、心を通わせられる友人が居る
事の幸せを感じさせる内容だ。

幼いときには男に頼らず、経済的自立をして生きていけと言わ
れて育ったモノの結婚適齢期になると途端に母親の態度は急変
する。
一人暮らしをした事に対する言及、そして結婚をしろと迫って
くる母親。

ドラマとして悲しく映るのは、何と言っても付き合う男性が
悉く、結婚相手に選ぶ女性と付き合う女性は違うとばかりに
自分の元から離れ去ってしまうこと。最初は彩がその事実に
苦しみ傷心旅行に行ったという設定になっているが、今度は
典子がその事実を目の辺りにすることになる。

不倫相手との関係は悪いと分かりつつも惹かれてしまう所が
有ったり、人恋しい年齢なのか、傷つくことが分かりつつ
も元彼に拘ってしまったり・・・
強がる姿を見せるために元彼の結婚に行くという行動も凄い
が、彼女を式に呼ぶという行動も凄いな。

結婚式での木佐裕之の思い切った行動。
久保田を殴り飛ばしていたが、裕之は彼に何をされたのだろう
か。

そんな悪の連鎖を断ち切り、30歳の誕生日までには幸せを掴む
事が出来るのだろうか。

矢吹典子 ……… 山口智子 (アパレル会社)
今井彩 ……… 松下由樹 (カメラマン)
新谷賢 ……… 柳葉敏郎 (通販部へ出向)
木佐裕之 ……… 仲村トオル (木佐製作所の御曹司)
上越香奈 ……… 水野真紀 (一流物産会社のOL)
深沢真穂 ……… 稲森いずみ
浅葉達也 ……… 竹下欣伸 (チェリスト)
長堀英明 ……… 近藤等則
矢吹美和 ……… 吉行和子 (母)
矢吹達夫 ……… 中村嘉葎雄 (父)
木佐三千子 ……… 星由里子
久保田 ……… 神保悟志
長堀英明 ……… 近藤等則

大河内浩、望月太郎、石井一孝、安原麗子、湯浅けい子
金子法子、松井美樹、葉加瀬太郎、嶋村かおり、小林太一

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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