29歳のクリスマス

脚本/鎌田敏夫
演出/鈴木雅之、星田良子
企画/宅間秋史、石原隆
プロデューサー/中山和記


第2話 バカにしないでよ


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パブの開業に向けて大忙しの典子。
就任した典子がパブの従業員たちに掛けた言葉を巡り上司に
ダメだしを喰らう彼女は思わず拳を握る。
ブランドの失敗の全てを押しつけるようなあんな奴がいる会社
なんてと、典子は彩との電話の中で不満をもらした。
あんな風に殴ってスカッとしたいという典子は、結婚式での
新郎を殴った木佐裕之の事を話すと、彩からは狙ってみては
どうかと言われる。そんな二人の会話を邪魔するように賢から
電話がキャッチが入り、上越香奈とデートすることになったと
浮かれた彼からの報告が入る。

デートでの香奈は賢の顔を見て誰か良い人居ないかなと漏らし
た事で更に賢は浮かれてしまう。典子と彩はこういう女が
一番したたかであり、恋愛と結婚は別と割り切っているのだと
して注意するよう賢に告げるが、聞く耳持たない様子の賢。

翌日もパブの開店準備に追われているところ、仕事が終わる
時間帯を見計らい、木佐裕之が突然彼女の店へとやってくる。
理由も言わずに車に乗せると彼は倉庫へと彼女を連れて行く。
行く途中に典子は裕之から先日の結婚式での顛末の真相を聞く。
何故花婿を殴ったのか。友達の女を奪ったからだという。
普通は奪われた方が悪いと思うが奪い方が汚かったと告げる。
後のことは考えなかったのかと尋ねると、それだけの事を
したのだから悪いとは思わず、もしも異議があるのならば殴り
返してくるだろうと告げる。

車が到着した先は空き倉庫だった。中はバスケットコートに
改装されており、裕之はこれから試合が有るから見て行ってと
告げる。そこに女性・深沢真穂がやってきて、ここに連れて
こられた真相を聞かされる。結婚式場で目に付いた典子の事を
この場に連れてこられるかどうかで、真穂と兄と裕之の間で
バスケットシューズを賭けしていたという。それを聞かされ、
私はシューズの景品ではないとして典子はその場から早々に
立ち去る。
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今回は色々な出会いがある話だった。

色々とドラマとして関わり合うために面通ししたという意味
合いも強く、典子と裕之を引き合わせたり、賢と香奈を引き
合わせたり、更には典子と香奈との間にも互いの存在を認識
させるエピソードを用意した。

ドラマは何と言っても典子主導の物語だ。
彼女の前に突然現れた木佐裕之と、元彼である長堀英明。
彼女は俗世間の風習に流されるまま妥協したり、打算的に結婚
するのは嫌だという。
長堀からは2年前に妻と別れ、家を失いどん底の状況にあること。
しかし夢を求める気持ちに変わりはなく、一緒に追い掛けないか
と告げられる。
また似たような性格にある木佐裕之との関係も、一度は最悪な
部分が見えたけれど、徐々に彼の内心が見えているといった
展開だった。

ドラマとしては今回今井彩と新谷賢の間で一つ屋根の下に暮らす
という機会を与えたこと。まだ結論は出ていないが、互いに
異性として認識していない二人が一つ屋根の下で暮らすことに
より友達から恋人に発展するのかどうか見物と言えば見物。

ドラマの良さは遊園地での三人でのデートの中にあったね。
互いの事を心配する余り語気を慌ただしく、言い争う様。
こういう時山口智子の芸達者ぶりを感じるシーンの一つだ。

最後の上司を殴り倒す様もパーでは無くグーで思い切る辺り、
その過程も含めてなんとなくスッキリするような流れだった。

矢吹典子 ……… 山口智子 (アパレル会社)
今井彩 ……… 松下由樹 (カメラマン)
新谷賢 ……… 柳葉敏郎 (通販部へ出向)
木佐裕之 ……… 仲村トオル (木佐製作所の御曹司)
上越香奈 ……… 水野真紀 (一流物産会社のOL)
深沢真穂 ……… 稲森いずみ (裕之が好き)
浅葉達也 ……… 竹下欣伸 (チェリスト)
長堀英明 ……… 近藤等則
矢吹美和 ……… 吉行和子 (母)
矢吹達夫 ……… 中村嘉葎雄 (父)
木佐三千子 ……… 星由里子
典子の上司 ……… 大河内浩
深沢 ……… 石井一孝 (真穂の兄)

清水邦彦、巴千草、藤崎由美、堀田実生

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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