29歳のクリスマス 脚本／鎌田敏夫 演出／鈴木雅之、星田良子 企画／宅間秋史、石原隆 プロデューサー／中山和記

第3話 彼の母親と会う

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彩は賢と一緒に一つ屋根の下に暮らすことになる。
引っ越しの為、典子を引き連れ引っ越し業者に大量の荷物を託
してやってくる。
引っ越しの仕切りは典子が握っていた。
賢はその姿を見て、有る意味典子の上司はお前の適正を見抜い
ていたのではないかと告げる。
また賢は二人の前で香奈の事を絶対にモノにすると宣言。
だんだんと人生が思うようにはいかないと分かってくる中で、
一度で良いから夢を掴みたいという賢。香奈は俺が一番入り
たかった会社で嫌みを告げられた友人の上野が居る会社のマド
ンナであり、見返す意味も含まれていた。
段々生きていくことが重くなっていくと典子。気持ちのバランス
を取るのが難しくなっていくと年齢に対する素直な心情を吐露
した。

典子の仕事場に木佐がやってくる。花束をプレゼントし、暫く
バスケットボールの開催を辞める為に打ち上げパーティーを
開くという。そこに来ないかと誘われる。花束をもらう言われも
なくパーティーに行く意味も分からない事を告げると、木佐は突然
君とは結婚しても良いと思っていると衝撃的な言葉を聞かされる。
私の事を何も知らない癖に結婚なんてどういうつもりかと問う
典子に対して、気の強いところが気に入っているという。
結局パーティに彩と共に出席する事になる。しかしパーティでも
結婚の事を聞かされ、典子はどうしていいのか分からず、深沢と
気分良く踊っている彩を連れ出し退出する。本当は嬉しい癖に
と彩から指摘され、強がってはいるが結婚という言葉に弱いこと
を実感する。
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自分の気持ちに正直な人、素直になれない人など様々な人生
模様が描かれている。

典子は結婚という言葉に困惑する。木佐の言葉を額面通りに
受け取って良いのか。
母親と合わせると言われ彼の気持ちが本気だと思えば、実は
政略結婚に巻き込まれようとしている木佐が、その流れに
反発するために典子との結婚を口に出している現実が目の前
で展開される。
木佐の視線は典子ではなく母親にばかり向いている事実がなん
とも切ないね。
プライドさえ無くせば最高の相手なのにという彩。
女も長く生きるとプライドが強くなるという言葉がずっしり
と重くのし掛かるが、政略結婚の反発のためだけではない
気持ちが互いに流れている事も明らかなので、この辺は今後とも
見守りたいと思う。

彩のエピソードはそれ程ドラマの中で比重高くは描かれてい
ないが、とても興味深い流れだ。
チェリストの彼のチャリティコンサートに行くと、隣にいた
"平凡な妻"を目にしてしまう。彼があんな女性を愛するわけ無い
とか、その妻の事を金や名誉の為だけに利用され欺されている
女性として哀れんでいるが、激しく失礼な行為なのかも。
平凡ではない人間と違う人間の違いの見極め方についてはよく
分からないが、夫婦の間にその輝きの差が違うモノが有ったと
しても本人以外に言われたくないという気がする。
このドラマに出てくる人物はどれも本当の愛情を見つけられず、
打算的な愛が展開されているって事でしょうか。

賢と香奈も実に微妙な間柄だ。
香奈がキスしてきた事に対して、愛のないキスだったことを
告げるが、賢も香奈に対して本当に愛情があるのかどうか
疑問。
香奈に典子と彩に引き合わせる展開がまた凄かった。
あの"お姉様"二人に対して立ち振る舞うのは相当勇気が要り
そうな中、年齢を武器にぐいぐいと自分のペースに引き込む
香奈が実にしたたかに見える。香奈に賢の良さなんて分かる
訳がないと告げるが、この辺も有る意味要らぬお世話か。
その良さが分かっているのならば、相手を見つけてあげれば
良いのに。

矢吹典子 ……… 山口智子 (アパレル会社)
今井彩 ……… 松下由樹 (カメラマン)
新谷賢 ……… 柳葉敏郎 (通販部へ出向)
木佐裕之 ……… 仲村トオル (木佐製作所の御曹司)
上越香奈 ……… 水野真紀 (一流物産会社のOL)
深沢真穂 ……… 稲森いずみ (裕之が好き)
浅葉達也 ……… 竹下欣伸 (チェリスト)
長堀英明 ……… 近藤等則 (彩の元彼)
矢吹美和 ……… 吉行和子 (母)
矢吹達夫 ……… 中村嘉葎雄 (父)
木佐三千子 ……… 星由里子 (裕之の母)
典子の上司 ……… 大河内浩
深沢 ……… 石井一孝 (真穂の兄)

清水邦彦、巴千草、藤崎由美、堀田実生、時広ひろ子

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)