29歳のクリスマス

脚本/鎌田敏夫
演出/鈴木雅之、星田良子
企画/宅間秋史、石原隆
プロデューサー/中山和記


第7話 悲劇のヒロイン


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賢と出来ちゃったと彩は典子に電話を掛ける。その電話を掛け
ている時にキャッチが入り出てみると、賢も典子に電話を
掛けてきた。彩は典子にもしも賢が責任を感じて結婚を意識
しているようならば止めてくれと告げる。彩にとっては単なる
一夜の過ちだという。

朝、典子の自宅の前で木佐が待っていた。仕事に行く序でに
送るという彼。

賢は朝ご飯を典子の店で取る。そこで話しづらそうに彩と出来
た事を告げるが典子の不自然なリアクションに既にこの事実が
典子に伝わっているものと判明。彩と一緒になるか?とカマを
かける典子に対して、彩が何と言っていたのか尋ねる。彩は
一夜の過ちだと考えてくれれば良いと言っていたことを告げると
賢もまた俺も忘れるからと言ってくれと告げた。

彩は帰りに典子の職場に立ち寄る。賢と一つ屋根の下に居るこ
とに気まずさを感じたため。そんな典子は木佐と上機嫌に電話
で通話。
典子は彩のためにあの家に引っ越すことを告げた。
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賢と彩、互いに頭が混乱している時に一緒に居た二人は一線を
越えてしまう。友達関係が崩れてしまうのか。

仕切り屋典子様のお陰で、三人の関係もなんとか違和感無く
過ごすことが出来た。
しかし互いにそれぞれの相手と気難しい展開になっている。

賢は香奈との関係に於いて、この関係を辞めるべきかどうかで
悩む。都合の良い存在となっている事は明らかで、香奈の気持
ちもよく分からない中でこの付き合いを続けるわけにはいか
ない。しかし今回は香奈の思い切った行動に断れない状況に
追い込まれる。この辺の駆け引きが良くできているよね。
香奈に一晩一緒に居ようとホテルに誘われて何も無しでは要ら
れない状況の賢。85のDカップの彩と関係を持ったばかりなのに
なんて美味しい奴なんだ(+_+

典子は木佐との関係に浮かれる。
冒頭から浮かれていたので何処かに落とし穴が待ち受けている
かなと思ったけど、長堀のしている事を指摘され複雑な状況に。
木佐が会話の中で言っていたけど、確かに典子は少しずつ彼に
対して警戒心を解いてきた感じ。いつも理由が必要だった彼女
がようやく素直になってくれたという木佐の言葉に、納得の
展開。
待ち合わせ場所に来た深沢真穂に仕掛けられた形だが、その
お陰で彼女の中に木佐がどういう存在なのか分かり掛けて来た
のではないか。

彩と浅葉の関係は一番複雑なものだ。
成功をもたらしてくれた奥さんと別れるという彼の言葉。
そこまでドライになって一緒になっても良いのか。
少し目を瞑れば幸せはすぐそこに有るという状況。実に難しい
選択だね。しかも浅葉の妻が会いに来ることで、より奥さんの
立場に感情移入してしまいそう。
そんな彼女が誰かに一緒に居て欲しいときに、賢はホテルに
行ってしまうし、典子は木佐の元に行ってしまうし、その状況
を作るのが実に上手い。

今回三人で大げんかするシーンがとても良くできていた。
典子はやたらと賢と彩を突っつけようとする発言を繰り返す。
そんな彼女に対して自分が幸せだから、一人では悪いと思って
無理矢理くっつけようとしているのだという。
この前後の言葉のやりとりの皮肉具合が計算され尽くされて
いてとても感心。このドラマの名場面の一つだな。

矢吹典子 ……… 山口智子 (アパレル会社)
今井彩 ……… 松下由樹 (カメラマン)
新谷賢 ……… 柳葉敏郎 (通販部へ出向)
木佐裕之 ……… 仲村トオル (木佐製作所の御曹司)
上越香奈 ……… 水野真紀 (一流物産会社のOL)
深沢真穂 ……… 稲森いずみ (裕之が好き)
浅葉達也 ……… 竹下欣伸 (チェリスト)
長堀英明 ……… 近藤等則 (彩の元彼)
矢吹美和 ……… 吉行和子 (母)
矢吹達夫 ……… 中村嘉葎雄 (父)
木佐三千子 ……… 星由里子 (裕之の母)
典子の上司 ……… 大河内浩
深沢 ……… 石井一孝 (真穂の兄)

関根 ……… 石井苗子

清水邦彦、巴千草、藤崎由美、堀田実生、長森雅人

時広ひろ子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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