29歳のクリスマス

脚本/鎌田敏夫
演出/鈴木雅之、星田良子
企画/宅間秋史、石原隆
プロデューサー/中山和記


第10話 誰のものでもない、私の人生


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木佐は仕事の件はなんとかすると典子に語る。
賢は典子の元へ行き、彩の様子がおかしいことを告げる。
不自然に明るいこと、そして妊娠検査役を持っていた事を告げ
る。
典子は彩の職場に行き彼女にストレートに疑問を問う。すると
彩は妊娠していると告白。典子は浅葉との子だと思い、これで
大手を振って一緒になれると喜ぶ。

長野が賢に会いに来る。どんな手を使って香奈を誑かしたのか
問う彼。賢はお前は勉強が出来て良いところに就職もしたが
お前にも分からない事が人生には有ると告げる。

再び典子は木佐に会いに行く。木佐の後ろ姿から仕事の件が
上手く行っていない事を悟る。木佐から父親に負けたことを
言われ50億の借金を背負って立ち往生しているという。しかし
その負債は父親がある条件の下で肩代わりするという。木佐が
家に戻ることが条件。しかし木佐も黙って折らず典子と結婚
する事が条件だと父親に話したという。典子に父親に会って
欲しい事を告げる。
典子は木佐の両親に会うことにする。息子の生き方を変えた人
なので両親も典子の事に興味が有ったという。結婚の条件を
飲む変わりに新たな条件を求めてくる。それは典子と典子の父
親の経歴に関すること。父親には一年間ロンドンのデイリー
ニュースに所属してもらうという。更に典子にもロンドンの
お行儀見習いのスクールに通ってもらうという。今のままの
彼女で良いという木佐だが、結婚は二人だけの問題ではない
という母。泊を付けるためだけに今までの人生を否定する様な
事を押しつけてくる人たちに不満を持つも、誰もがこの件で
犠牲を強いられているので典子にも条件を飲むよう説得する。
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いよいよ最終回。誰が誰と結ばれるのか。
そしてそれぞれの人が導き出した幸せの形とは。

自分の人生が誇れるものかどうか。そしてそれが好きなのか
どうか。
誰もが自分の人生に疑問を呈していた訳だが、いよいよその人生
を受け入れ、納得のいく人生を歩んでいくという事で、結果が
幸せでも不幸でも有る程度納得の出来る結論を用意できたかな
という気がする。

典子の場合。
木佐と一緒になるためには、今までの人生を否定する様な条件
を飲まねばならない。自分だけならまだしも、父親にもその
条件を飲ませなければならないという屈辱。自分のことならば
我慢できても、父親が関わってくると流石にその条件を受け
入れる事の出来ない典子。しかも過去に金に屈服しなかった
父親の誇りの話を聞かされ、益々プライドを傷つけることは
出来ないような状況。
結果として条件は飲まずに、すぐに結婚は出来なくなったが、
フィラデルフィアの工場を建て直すことで父親に要求を突きつ
ける様だ。最後まで真穂を絡ませてくる展開は見事。

彩の場合。
お腹の中の子供は誰の子か。
典子がその事実を知ったときに激しい二人のやりとりが有る。
このドラマを象徴するようなシーンの一つで、互いになんでも
言い合う良い関係が築けているなとホント感心する。
賢の幸せを壊せないという綺麗事を言う辺りが彩の性格を巧み
に利用した感じだけど、それでも子供を産むと決めた彩が強く
なった気がする所が会話の中にも良く現れていた。
子供の父親になってやるという典子。女性だけの親というのも
面白いね。子供にとっちゃ迷惑か?

賢の場合。
いよいよ香奈と一緒に仙台行き。
三人の共同生活が終わるのでとても寂しい感じだね。
彩とはHしたけど、男女の友情は存在すると証明するような展開
でとても面白い関係だった。
今まで嫌いだった自分の人生に対して、香奈を手に入れたことで
好きになったという。そんな事を聞かされたら彩も本当の事が
言えないよな。でも賢は仙台に行って何をするつもりなんだろう
ね。両親が教師だと言っていたので先生にでもなるのかな。

しかし木佐の父親が森山周一郎とは。
低音の響く声がなんともいえない迫力が有ったぞ。

矢吹典子 ……… 山口智子 (アパレル会社)
今井彩 ……… 松下由樹 (カメラマン)
新谷賢 ……… 柳葉敏郎 (通販部へ出向)
木佐裕之 ……… 仲村トオル (木佐製作所の御曹司)
上越香奈 ……… 水野真紀 (一流物産会社のOL)
深沢真穂 ……… 稲森いずみ (裕之が好き)
浅葉達也 ……… 竹下欣伸 (チェリスト)
長堀英明 ……… 近藤等則 (彩の元彼)
矢吹美和 ……… 吉行和子 (母)
矢吹達夫 ……… 中村嘉葎雄 (父)
木佐三千子 ……… 星由里子 (裕之の母)
典子の上司 ……… 大河内浩
深沢 ……… 石井一孝 (真穂の兄)

清水邦彦、藤崎由美、巴千草、堀田実正、森山周一郎
長森雅人

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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