ビーチボーイズ
(フジ1997年7月期・月9枠)

脚本 - 岡田惠和
プロデュース - 亀山千広、高井一郎
演出 - 石坂理江子、澤田鎌作、木村達昭

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/bboys/index.html


第1話 夏、へんなヤツがやってきた、同時に2人も

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女の子はメッセージを書いた紙をボトルに入れて海に投げ入れ
る。

桜井広海は後の座席で仮眠しているところをレッカーで運ばれ
る。目覚めは最悪。しかも頬に付いた傷は、彼女である原富士
子から部屋を追い出され、勢い余ってアパートの階段から落ち
た時の傷だった。小銭を寄せ集めてガソリンスタントに行き、
千円分の給油を行い、宛てもない旅の行き先を決めようとする。

一方エリート商社マンの鈴木海都は自らのミスによって上司の
大崎部長からは現行のプロジェクトから外されてしまう。少し
休みを取ることにした海都は彼女の山崎桜ら暫く旅に出ると
告げて宛てもなく電車に乗る。

桜井広海も鈴木海都も気がつくと海の見えるところに居た。
広海は愛車の小型車・キャトルを運転し口には煙草をくわえ
音楽を流して失踪する。
その姿を偶然車窓から見ていた海都。併走して走る車と列車
は何時しか競争のような形になり、負けず嫌いの海都は広海
の車を追い抜くのをただじっと眺めていた。

駅に着くと海都はタクシーに乗り民宿「ダイヤモンドヘッド」
に向かう。なかなか着かない道中に苛つきながらも、先程見た
ルノー車の男がガス欠によって車を押しているのを見かけて
タクシーを止める。何故か自分にも責任があるのではないかと
考える海都は広海に手伝い車を押すことになる。
気がつくと車は坂道に差し掛かり、自然に動き出してしまうが
ブレーキが利かずに止められない。二人は車にしがみつき減速
を試みるも結局砂浜を通り越して海へと着水してしまう。
帰宅した高校二年生の和泉真琴と骨折の治療から帰宅した和泉
勝は不思議そうに二人のことを眺める。
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一体何度目の放送なんだというくらい再放送しているドラマ。
昔は夏の風物詩って感じに夏休みになると必ず放送していた
のだけど、今回久しぶりの放送な気がする。

二人の男性が流れ着いた海岸沿いの民宿「ダイヤモンドヘッド」。
都会で傷ついた心を癒すべく、二人の夏休みが始まる。

学生時代凄く流行ったドラマだった。
撮影が千葉で行われていたので見に行く人も居たな。

今見ると反町隆史も竹野内豊もそう変わる物ではないが、
広末涼子はかなり若い。一番輝いていた時かも知れない。

ドラマとしては一人孤独を求めて来た海都であったが、広海の
出会いによって彼のペースに巻き込まれる。
真琴は都会から来た二人のお兄さんに子供扱いされ、戸惑いつ
つも悪い気はしないという感じ。

みんながみんなそれぞれに何らかの悩みを抱えている。
子供の頃には楽しい夏休みが有ったが、何故大人にはそんな
ワクワクするような夏休みは存在しないのだろうとドラマ中の
広海も述べているが、まさに大人が楽しむ夏休みを上手く体現
した内容なのかもしれない。

しかしドラマは当然現実も平行して流れているために、現実
逃避している時間も限られてくる。決断を求められるとき
までに一体どんな心境の変化を持って主人公の心に響いている
のか。子供の頃に味わった夏休みが徐々に終わりを告げるとき
切ない心境をこのドラマでは描いているから凄い。

さて初回は広海と海都の二人の出会いと信頼関係を得るエピソ
ードを描いた。
冒頭での二人で車を押すシーンから始まり、夜中に語る仮面
ライダーの話だったり、財布を盗まれ一緒になって喧嘩する
二人の物語。
再放送版はスナック渚でネコババした学生たちを追い掛ける
場面で終わってしまったが、初回90分スペシャルの枠を無理
矢理53分の枠に押し込めたので仕方がないか。

海都は広海の止めどなく溢れるトークに嫌気を差すが、
本当に放って置いて欲しいならば民宿になど来ないでしょうと
切り返した広海のセリフが全てだと思う。

桜井広海が授業中の真琴に弁当を届けるのも好きなシーンの
一つ。帰りがけにプールが有るのを知り彼が泳ぐところは、
ドラマ的に思わせぶりな一つだね。

桜井広海 - 反町隆史 (元水泳選手)
鈴木海都 - 竹野内豊 (エリート商社マン)
和泉真琴 - 広末涼子 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の看板娘)
前田春子 - 稲森いずみ (スナック「渚」)

寺尾はづき - 原沙知絵 (心臓の病気)
内藤祐介 - 川岡大次郎 (真琴のクラスメート)
真下裕子 - 佐藤仁美 (真琴のクラスメート)
蓑田利夫 - 平賀雅臣 (タクシー運転手)
殿村公三 - 武野功雄 (郵便配達員)
和泉勝 - マイク眞木 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の親父)
山崎桜 - 秋本祐希 (海都の恋人)
原富士子 - 辻香緒里 (広海の元恋人)

大崎部長 - 平泉成 (海都の会社の上司)
真琴の担任 - 久我美智子
ガソリンスタンドの店員 - 遠山俊也 (広海に行き先をアドバイス)

田鍋謙一郎、植田良一、武智健二

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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