ビーチボーイズ
(フジ1997年7月期・月9枠)

脚本 - 岡田惠和
プロデュース - 亀山千広、高井一郎
演出 - 石坂理江子、澤田鎌作、木村達昭

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/bboys/index.html


第2話 私、ここにいたい

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和泉勝が民宿をたたむと言い出したことに関して、広海は客を
引き入れて盛り上げればまた社長もやる気を戻すだろうとして
人脈を利用して客としてきてくれるよう電話をかけまくる。

広海は春子と一緒に市場へ買い物。
帰り際にはづきが海沿いを歩いているのを見て、今晩のバー
ベキューに誘う。

一方海都は民宿に飾られている写真に目を通す。そこには
社長夫婦と娘の姿が映っていた。海都の姿を見て社長が声を
かけてくる。日本で最初のプロサーファーだったという社長。
この民宿は既に40年近くやっているという。何故民宿をやろう
としたのかと問う海都に対して、やりたいと思うから始めたと
告げる。

真琴は帰宅の際、親友である祐介と裕子に夏休みには東京の母
の元に戻るかも知れないことを告げる。二人は落ち込み、逆に
真琴が彼らを慰める形になる。
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なんだか熱いドラマが展開されていますね。

ベースとしては民宿の楽しさを満面無く描いた話であるが、
その中には自由を貫き通す人生に対して現実を突きつけ、
自由に生きることは不可能なのかと考えさせる。

ドラマとして良くできているのが、社長・勝が自由を貫き通す
人間の象徴として描かれている点だ。
人生の若輩者である広海と海都は今、自分がやるべき事を見失い
今後どのように生きていくべきかに悩んでいる。
そんな時現れた象徴的人物に感化されながらも、自分に何が
出来るのかを悩み通す。

人間が人間らしく生きるために自由を貫き通す。
他人のためでなく自分のために生きてきた社長。
そんな理想的に人生を貫き通してきた社長にも決断すべきもの
が有り、現実というものが否応無しに突きつけられる姿を見て
複雑な物を感じる展開だ。

また今回広海の過去も描かれたことで、海都の広海を眺める
視線にも随分変わった物になった。

社長は自由に生きてきた故にその苦労を誰よりも知っているの
だろう。真琴にはそんな人生を歩ませたくない気持ちが存在する
のか。

楽しい宴会シーンばかりが描かれる中で、時折顔を覗かせる
現実を見て突如現実に引き戻される辺りの煩わしさを感じるが、
ドラマとしてはその辺のバランスや駆け引きの巧みさが単純な
夏を満喫するドラマでは無くしており、夏という季節を人生の
転換点として上手く演出していると思う。

桜井広海 - 反町隆史 (元水泳選手)
鈴木海都 - 竹野内豊 (エリート商社マン)
和泉真琴 - 広末涼子 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の看板娘)
前田春子 - 稲森いずみ (スナック「渚」)

寺尾はづき - 原沙知絵 (心臓の病気)
内藤祐介 - 川岡大次郎 (真琴のクラスメート)
真下裕子 - 佐藤仁美 (真琴のクラスメート)
蓑田利夫 - 平賀雅臣 (タクシー運転手)
殿村公三 - 武野功雄 (郵便配達員)
和泉勝 - マイク眞木 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の親父)
山崎桜 - 秋本祐希 (海都の恋人)
原富士子 - 辻香緒里 (広海の元恋人)

大崎部長 - 平泉成 (海都の会社の上司)

あらいみえこ、エイジ、遠藤優

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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