ビーチボーイズ
(フジ1997年7月期・月9枠)

脚本 - 岡田惠和
プロデュース - 亀山千広、高井一郎
演出 - 石坂理江子、澤田鎌作、木村達昭

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/bboys/index.html


第5話 やって来た渚のライバル

--------------------------------------------------------
昼間は民宿の外の砂浜で海の家を開き焼きそばなど軽食を売る
広海と海都。海都は広海の客への対応の軽快さを見て、昔から
そんなにお調子者だったのか尋ねる。広海は幼い頃はこれでも
体が弱く水泳を始めたこと。そして親の都合で転校が多かった
ので、取りあえずバカをやって相手の警戒心を解いて仲良くす
るのが身に付いたという。
そんな広海の元に富士子から電話が鳴る。しかし電話口の富士
子は意味不明にもただ謝るばかりだった。

そんな中、春子が一人の泥酔した客を連れてくる。
客の清水はこの場所を探していたという。すると清水本人が
突然語り始めて、俺の名は"桜井が怪我をしたから五輪に行っ
た清水だ"と告げる。
突然の発言に驚くも、真琴はかつて広海が学校のプールで泳い
でいるのを目撃しており納得する。いつもはあんなお調子者
なのに五輪の選手だったなんてと、真琴の広海に対する視線が
一瞬変化する。

しかし裕子がこの事実を知ったと言うことは町中が知ることに
なる。裕子は案の定町中の人に言いふらして回る。
--------------------------------------------------------

今回は広海が過去と決着を付ける話だった。

今までの展開の中で広海が怪我の為に五輪の選考会に出られず
本戦にも出場しなかったことは明らかにされていたが、ドラマ
では怪我の真相が語られることになる。

広海は水泳に対して全身全霊、青春の全てを賭けているものか
と思えばそれは全くの正反対で、実際には子供の時に体の弱い
事を理由に始めた水泳に対して、それが夢でも何でもない事が
語られる。

興味深いのは自ら怪我を演出して出場を辞退したという事実だ
った。はづきが私と広海はどこか似ているとするが、全然
違うと言ったときの言葉の真相は何処にあるのかと考えさせら
れる。
たまたまやってきた水泳がいつの間にか日の丸を背負う事へ
のすまない気持ちがあったのか。
確かに本気で水泳を目指してやり残したことが有ると感じる
のならば、怪我が治った現在再びトレーニングをしていても
可笑しくはないからね。

ドラマで面白いのは、そんな彼とは対照的に本気で取り組んで
きた男・清水のキャラクターの登場だった。
常に比較の対象にされてきたのか、清水の偏屈さが際立って
いるが決して悪い人物ではないこと。

広海が居たせいで自分の存在が彼の影のような形になり、常に
脇役に成り下がる彼の悲しい境遇が語られる。

怪我をした奴がヒーローで、怪我した広海は清水の事を
何の翳りもなく笑顔で見送るという態度に清水は納得できない
様子。清水もまさか広海が自分で意図的に怪我をしたとは思って
いないだろうね。

対決への盛り上げ方も面白く、真下裕子が町中に触れ回って見た
りしてお膳立てするところが良くできていた。

桜井広海 - 反町隆史 (元水泳選手)
鈴木海都 - 竹野内豊 (エリート商社マン)
和泉真琴 - 広末涼子 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の看板娘)
前田春子 - 稲森いずみ (スナック「渚」)

寺尾はづき - 原沙知絵 (心臓の病気)
内藤祐介 - 川岡大次郎 (真琴のクラスメート)
真下裕子 - 佐藤仁美 (真琴のクラスメート)
蓑田利夫 - 平賀雅臣 (タクシー運転手)
殿村公三 - 武野功雄 (郵便配達員)
和泉勝 - マイク眞木 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の親父)
山崎桜 - 秋本祐希 (海都の恋人)
原富士子 - 辻香緒里 (広海の元恋人)

大崎部長 - 平泉成 (海都の会社の上司)
清水 - 山本太郎

水森コウタ、ト字たかお、椎名茂、田口主将、佐竹大輔
岡田正義

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system