ビーチボーイズ
(フジ1997年7月期・月9枠)

脚本 - 岡田惠和
プロデュース - 亀山千広、高井一郎
演出 - 石坂理江子、澤田鎌作、木村達昭

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/bboys/index.html


第12話 さよなら夏の日

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早朝に波の荒れる海に入った社長は帰らぬ人になる。

海の見える場所に社長の墓を作る。
真琴の母・慶子も駆けつける。真琴は今にでもおじいちゃんが
ひょっこり帰ってきそうだという。危ないときには海に出ない
様約束したのにと悔やむ真琴に、あの人は約束を守った試しが
ないという。

海都や春子もしんみりする中で、広海だけは元気な姿を見せる。
しかし海都は俺の前でも落ち込んでいる顔を見せることは出来
ないのかと尋ねる。広海は突然笑いだし、警察でとんでもない
事に気がついたという。社長は常々62歳だと触れ回っていたが
実際には64歳だったというもの。大して変わらないのにホント
にバカだとして二人で大笑い。
しかし海都は社長らしい最後で、自分の海で死んだことで名実
共に自分のものにしてしまったという。長い間夢見ていた事が
突然冷めたような思いだという。かつて海都がどんな結果に
なろうともその生き方を全うしてくれと言った言葉が本当に
なってしまったという海都は、今度は俺達が社長に答える番
だとして自分たちの海を探すことを告げる。
しかしそれは分かっていてもそんなに簡単には動けないとして
広海は苦悩する。
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いよいよ最終回。
二人はこの海から飛び立つことが出来るのか。
そして社長の居なくなった民宿の今後の行方はどうなるのか。

海都はここを旅立ち、広海はここに留まる決断を見せるのかと
思っていたけど、なんだか展開としては無理矢理旅立てといわん
ばかりの圧力が掛かった内容だった。
留まるのも旅立つのも本人の自由だと思うのに、外郭から出て
行かねばならないようなプレッシャーが感じたのは少し残念な
部分。
特に春子が民宿をやると言い出したときには、広海の居場所が
無くなるとどめの一撃だったのかも知れない。

しかし旅立ちという意味では、最高のシチュエーションが用意
されているし、二人が一緒に飛び立つために先にその気持ちに
切り替わった海都が広海の決断を待っている辺りは、二人の
関係性を描いていて良くできていた。

スタートもゴールも無い広い海で泳ぐことが出来なかった広海。
最後にそのシーンが訪れるであろうことは明らかだったが、
それが分かっていても尚感動できる。

前日の夜、海を見ている真琴に広海は接触し、帰るために
来ている民宿から旅立つ客の喜ぶ姿が好きだという真琴の今後の
行く末も上手く示唆しているし、上手い形でドラマを締めくく
ったなと思う。

オマケではづきも旅立つことが出来た。
広海にだけしか別れを告げない辺りも、やはりこれまでの展開
を考えると納得出来る部分。

最後はみんなを海に投げ込んでしまう辺りの楽しさも上手く
演出されていた。

とても名作ドラマだったと思う。
二人の男性がとても大人の男性として描かれている反面、時に
子供のような表情を見せる。ジャニーズが扮していたらこの
辺の巧みなニュアンスは伝わらなかっただろうな。
最近のジャニーズだらけのドラマが面白く感じないのは、
キャラクターに対する奥深さを感じない部分もあるんだろうね。

桜井広海 - 反町隆史 (元水泳選手)
鈴木海都 - 竹野内豊 (エリート商社マン)
和泉真琴 - 広末涼子 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の看板娘)
前田春子 - 稲森いずみ (スナック「渚」)

寺尾はづき - 原沙知絵 (心臓の病気)
内藤祐介 - 川岡大次郎 (真琴のクラスメート)
真下裕子 - 佐藤仁美 (真琴のクラスメート)
蓑田利夫 - 平賀雅臣 (タクシー運転手)
殿村公三 - 武野功雄 (郵便配達員)
和泉勝 - マイク眞木 (民宿「ダイヤモンドヘッド」の親父)
山崎桜 - 秋本祐希 (海都の恋人)
原富士子 - 辻香緒里 (広海の元恋人)
菊池紀子 - 久我美智子 (真琴の担任)

木村剛、吉川共久、木村恵之

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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