振り返れば奴がいる
(1993年1月期・水曜21時枠・フジTV)

企画:石原隆、鈴木吉弘(2話より)
プロデューサー:関口静夫
脚本:三谷幸喜
演出:若松節朗、河野圭太、木下高男


第1話 おまえが嫌いだ

--------------------------------------------------------
司馬江太郎は優秀な外科医。手術前に音楽を聞きながらPCに目
を通す。
今日は司馬先生が手術担当の日とあり看護師達は口々に噂する
が必ずしも先生の評判は良くなかった。

外科部長室に挨拶に来る石川玄。明日からこの病院に勤めるこ
とになるアメリカ帰りの外科医だった。外科部長の中川淳一は
今日は製薬会社からの蟹の接待があるとして出掛けてしまう。

夜、この病院に勤めるようになって一週間の研修医・峰春美は
今日初めての当直だった。極力他の医師には迷惑をかけず処理
しろと平賀医師から言い告げられる。
峰は石川先生と医局で会い自己紹介する。そんな中、突然患者
の一人・柏木が病室から居なくなったと看護師の田村から報告
が有り探すことに。帰ろうとしていた石川もその事が気になり
一緒に院内を探すことになる。

一方司馬は勤務を追え、仲間たちと院長室で麻雀をすることに
なる。メンツは、医師・前野と患者・笹岡。もう一人足りない
として司馬はテレビでボクシング観戦中の大槻沢子に声を掛け
る。当直だから行かないという沢子だが、結局参加することに
なる。
そんな中、病院内は急患が運ばれて来る。更に大腸癌患者の
容体が急変し、当直の峰では対処しきれない状態になる。
急患で運ばれてきた患者を石川先生に任せて、ガン患者の処置
を司馬先生に頼もうとする。しかし司馬先生は当直ではないこ
と。そして患者は末期癌で手遅れの状態から、死なせてやれと
切り捨ててしまう。
--------------------------------------------------------

今回は対極的にある司馬と石川が初対面する話だった。

特に二人のキャラクターがどんな性質やらスキルを持つ存在な
のかが描かれた部分が興味深い。

司馬は患者の事を第一に考える医師では決して無いこと。
自分の利益が全てに於いて優先し、無駄な事は一切しない主義
で、時に患者を見殺しにすることも厭わないといった非情な
一面を持つ。

元婚約者の大槻が彼の性格によく精通していて、上手く舵取り
しようとしている辺りが面白い役回り。

石川は医師としての理想に燃え、患者の事を分け隔て無く
治療のために奔走する役。医師としての信念を逸脱している
司馬のことを決して許さないとする彼。初対面からいきなり
彼の価値観に真っ向から否定してくる。

研修医である峰春美。今にしては有り得ないほどに松下由樹
さんの頼りない姿。16年前のドラマだものね。

外科部長の中川淳一が製薬会社から接待を受けていたが、
この辺の製薬会社との絡みも今後面白い要素の一つとして存在
している。

司馬 江太郎 …… 織田裕二 (医者)
石川 玄 …… 石黒賢 (医者・アメリカ・カンザス大学から帰国)
大槻 沢子 …… 千堂あきほ (麻酔医)
峰 春美 …… 松下由樹 (研修医)
平賀 友一 …… 西村雅彦 (天真楼病院の主任医師)
山村 忠光 …… 宮沢風太郎 (天真楼病院の放射線科医師)
笹岡 繁三郎 …… 坂本あきら (患者、麻雀に呼び出される)
稲村 寛 …… 佐藤B作 (ケースワーカー)
看護婦・田村 …… 相原勇
看護婦・内村 …… 宮地雅子
看護婦・中井 …… 貴島サリオ
前野健二 …… 川上たけし (外科医・マージャン仲間)
患者・柏木 …… 梶原善 (胆石の患者)
患者・志村 …… 小林隆 (麻雀に呼び出される)
救急隊員 …… 甲本雅裕
上野こうじ …… 伊藤俊人
役名不明 …… 浅野和之
星野 良子 …… 中村あずさ (製薬会社・オットー製薬)
中川 淳一 …… 鹿賀丈史 (外科部長)
理事長 …… 林昭夫

石井洋祐、木原みずえ、建部和美、朝井翔、長沢大
細野哲弘、門谷美佐、木島秀夫、横尾三郎、戸村美智子
木村智良、田代太郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system