振り返れば奴がいる
(1993年1月期・水曜21時枠・フジTV)

企画:石原隆、鈴木吉弘(2話より)
プロデューサー:関口静夫
脚本:三谷幸喜
演出:若松節朗、河野圭太、木下高男


第7話 告知

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レントゲンの結果を沢子に見せる司馬。司馬は峰にもその結果
を見せる。一体誰の検査結果なのか?君の一番大切な人のもの
だというと峰はいたたまれなくなる。

石川を覗いて医師達が招集される。
結果を正直に告知すべきかどうか。司馬は真っ先に教えてやる
べきだとするが、中川らは胃潰瘍ということにしようという。
中川は司馬に手術は無理かどうかを尋ねるが、苦しいという
扁桃だった。

そんな中患者の一人・笹岡が病室でクラリネットを吹く音が
予想以上に周りに迷惑を与えている事を看護師から訴えられる。
彼は末期癌患者で、そんないう患者には生きる証しみたいな
ものが必要だという。趣味を持ったお陰で最近はとても元気に
なっているとのこと。
峰はクラリネットの音を聞きに行こうと石川を誘う。
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いよいよ石川の病状が明らかになる。
スキルス性の胃ガンである事を告知すべきか否かで意見が分か
れる。

石川のエピソードの他に、2つの大きなエピソードが有った。
1つは司馬と中川の過去の真実を告げるもの。
もう一つは石川と同じく末期癌患者である笹岡に対するもの。

ドラマでは面白い具合にこれらのエピソードが絡み合ってくる。

今まで癌を告知する立場だった石川が今度は告知される側に
なったこと。
笹岡に対して希望を奪ったとする司馬に石川は過去の事実も
含めて文句を付けに行くが、司馬からは何も分かっていない
とされる事。

医師としての勘の鋭い石川でさえ、自らの体に関しては鈍く、
他人事として見ていた事にちょっぴり驚きであり、そこがまた
人間らしい感じがする。

司馬が中川に失望したのと同時に今のような性格になってしま
ったのだろうか。しかし石川との出会いによって、また患者と
向き合う医師の姿へ徐々に戻っている気がする。

密かにスキルス性胃ガンについて文献を調べているシーンは
その象徴だったが、司馬は石川から責められつつも、それが
心地良くなっているのではないかという感じが面白いように
あぶり出されている。

星野を呼びつけwin-winを持ちかけるところは今後の展開を
示唆していそうだ。

笹岡への対応を巡り、一任された医師があくまで司馬の命令
だとして笹岡を滅多切りにする辺りがまた憎いほど良くできて
いる。

司馬 江太郎 …… 織田裕二 (医者)
石川 玄 …… 石黒賢 (医者・アメリカ・カンザス大学から帰国)
大槻 沢子 …… 千堂あきほ (麻酔医)
峰 春美 …… 松下由樹 (研修医)
平賀 友一 …… 西村雅彦 (天真楼病院の主任医師)
山村 忠光 …… 宮沢風太郎 (天真楼病院の放射線科医師)
笹岡 繁三郎 …… 坂本あきら (患者、麻雀に呼び出される)
稲村 寛 …… 佐藤B作 (ケースワーカー)
看護婦・田村のえ …… 相原勇
看護婦・内村恵美 …… 宮地雅子
看護婦・中井加世 …… 貴島サリオ
看護婦・富川千代 …… 建部和美
看護婦・伊東みつ子 …… 木原みずえ
前野健二 …… 川上たけし (外科医・マージャン仲間)
患者・柏木 …… 梶原善 (胆石の患者)
患者・志村 …… 小林隆 (麻雀に呼び出される)
救急隊員 …… 甲本雅裕
上野こうじ …… 伊藤俊人 (母、モエコを亡くす)
役名不明 …… 浅野和之 (医者)
星野 良子 …… 中村あずさ (製薬会社・オットー製薬)
中川 淳一 …… 鹿賀丈史 (外科部長)
理事長 …… 林昭夫

木村智良、桐林美枝、小松恵子
山田玲奈、曽根いづみ、高倉江美、井手直樹、小宮三郎
海谷公二、樺沢雅樹

北別府 …… 北見敏之

花王おさむ、田村元治、秋乃知恵

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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