振り返れば奴がいる
(1993年1月期・水曜21時枠・フジTV)

企画:石原隆、鈴木吉弘(2話より)
プロデューサー:関口静夫
脚本:三谷幸喜
演出:若松節朗、河野圭太、木下高男


第11話 別離(わかれ)

--------------------------------------------------------
帰宅しようとしていた司馬の元に沢子がやってきて石川が
倒れたことを知る。石川を助けて欲しいという沢子の願いに
よって司馬は中川の元を訪れ、石川の手術の執刀を自分にやら
せて欲しいと直訴する。しかし中川は敵対関係にある司馬に
メスを握らせるのはリスクが有るとして拒否する。司馬は
僕はあくまでドクターであり殺人鬼では無い事を訴える。
どうしてそんなにやりたいのか?という問いかけに、自分は
ドクターであり難しい手術である事が理由だという。

司馬は中川からの許可が下りると峰の元に行き、彼女を第一
助手にするという。司馬が執刀する事を聞いた彼女はすぐに
中川の元に行き大反対する。しかし沢子から手術中に司馬が
意図的に彼を殺すのは考えすぎであり、司馬にとって石川は
大切な人であることを説く。今まで人を信用できなかった彼に
楯突いてきたのは彼だけだとして、司馬は積極的に関わって
きた彼の事が嬉しかったのだという。司馬の腕に掛けてみよう
という彼女の言葉に峰もようやく折れることになる。
しかし執刀医が司馬だと知って、石川は手術の承諾書にサイン
することが出来なかった。
--------------------------------------------------------

いよいよ最終話。
石川の手術には司馬が名乗り出て執刀することになる。果たし
て石川本人はそれを受け入れることが出来るのか。

司馬のことを、医師としてどれだけ信用できる人物なのかが
ドラマのポイントとなった。
最初は中川、そして峰、最後は石川本人にそれを判断させる。

ドラマとして思わせぶりな行動に出た司馬。
星野に頼んだ薬とは一体何だったのだろうか?
司馬先生が星野に話をするとき、首根っこを掴むようにして
顔を近づかせて語るというのがとてもインパクトが有り、相手
に対しても威圧感を与えている。

沢子は峰を説得し、峰は石川を説得する。
手術の前に石川が司馬を呼び出し語り合う。
死にたくない事、死ぬのが恐いこと、君を信じていること。
簡単に握手しないところが司馬らしいところだけど、
そのお陰で手術後の達成感、一つの病気に対して同じ意識で
協力した二人の存在感が上手く浮かび上がったと思う。

ただ当然そんなファンタジーな結末など有りはしない。
石川は亡くなるし、司馬の元にやってくる刺客の存在。
この刺客の存在感がドラマでは意図的に抑えていたために上手く
最後にあぶり出されたなと思う。

日本のドラマはハッピーエンドが多すぎるけど、こういうオチ
にもどんどんチャレンジして欲しいね。

司馬 江太郎 …… 織田裕二 (医者)
石川 玄 …… 石黒賢 (医者・アメリカ・カンザス大学から帰国)
大槻 沢子 …… 千堂あきほ (麻酔医)
峰 春美 …… 松下由樹 (研修医)
平賀 友一 …… 西村雅彦 (天真楼病院の主任医師)
山村 忠光 …… 宮沢風太郎 (天真楼病院の放射線科医師)
笹岡 繁三郎 …… 坂本あきら (患者、麻雀に呼び出される)
稲村 寛 …… 佐藤B作 (ケースワーカー)
看護婦・田村のえ …… 相原勇
看護婦・内村恵美 …… 宮地雅子
看護婦・中井加世 …… 貴島サリオ
看護婦・富川千代 …… 建部和美
看護婦・伊東みつ子 …… 木原みずえ
前野健二 …… 川上たけし (外科医・マージャン仲間)
患者・柏木 …… 梶原善 (胆石の患者)
患者・志村 …… 小林隆 (麻雀に呼び出される)
救急隊員 …… 甲本雅裕
上野こうじ …… 伊藤俊人 (母、モエコを亡くす)
役名不明 …… 浅野和之 (医者)
星野 良子 …… 中村あずさ (製薬会社・オットー製薬)
中川 淳一 …… 鹿賀丈史 (外科部長)
理事長 …… 林昭夫

木村智良、桐林美枝、小松恵子
山田玲奈、曽根いづみ、高倉江美、井手直樹、小宮三郎
海谷公二、樺沢雅樹

秋乃知恵、原田由佳、田代太郎

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

inserted by FC2 system