古畑任三郎
(第1シーズン 1994年4月期)

脚本/三谷幸喜
演出/星護


第8話 殺人特急


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特急列車のビュッフェで二人の男性が話し合う。
医師・中川淳一の妻からの依頼で浮気調査をしていた興信所の
宍戸隆は決定的な場面を写真に納め、それを妻に手渡そうと
していたのである。それを知って淳一は写真を倍の値段で買う
というが、興信所は依頼人との信用によって成り立っている
として一切取引に応じようとしない。
席へと戻っていく宍戸。淳一は仕方なく600円のミカンをカード
で購入し、自分も席へと戻ることにする。
席に戻ると宍戸は熟睡していた。淳一が先程ビュッフェで飲ん
でいたコーヒーに睡眠薬を仕込んでいた為だった。熟睡して
いるのを確認し、リクライニングシートを倒して宍戸のコート
のポケットのフィルムを探そうとするが、後の席は運が悪く
柄の悪い男性が座っていて舌打ちされる。仕方なくシートを
戻し、宍戸のコートを脱がせるとコートごと奪い、宍戸の足下
の静脈から薬物を投与して自分はそそくさと逃げ去る。
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ドラマは走行中の列車の中で起こった事件。

状況を考えると犯人はまだ走行中のこの列車に乗っている可能
性が高く、次の駅に到着する1時間後までに事件を解決しないと
大変な状況になるという。

静脈から薬物を注射するということで、有る程度の医学的知識
が有る人物が犯人であるという縛りが存在する。

犯人の背広のポケットの中の持ち物は不自然な事に足りない物
ばかり。カセットテープ、メガネケース、カメラなど存在する
が、中身が無かったりする。そんな所から犯人はコートを盗んだ
のではないかとの事。

大きさの違うコートを着ていた中川淳一に目星を付けていた古畑。
ミカンの皮が現場の椅子に落ちていたことから、手がミカン臭い
淳一は益々怪しい。

目撃していた女性が何故突然見ていないと嘘を付いたのか。
この辺に不自然さは有るものの、流石にこれで解決したら
面白くないとばかりに視聴者の心を揺さぶっているかのよう。

上手く犯行当時の再現を中川に行わせて、犯人にしか知り得ない
事を再現させるために誘導する。

結局リクライニングシートがその現場にいたという証拠になる
が、別に足を伸ばしたからと言って必ずしもシートを倒すもの
だろうか?勿論その後に彼がスラスラと墓穴を掘る様な発言を
してくれるので助かるが、シートの件だけでは犯行を断定づける
のは難しい。
ただ今回の案件は、睡眠薬やら注射の後があることから彼以外
に居ない事は明らかだけどね。

それにしても何も殺さなくても良かったんじゃないかと思わせる。
睡眠薬を飲ましてコートまで奪えたのだから、フィルムだけ
抜き取るのではダメだったのだろうか?

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

中川淳一 …… 鹿賀丈史 (医師)
宍戸隆 …… 河原さぶ (興信所)
山口 …… 梶原善 (車掌)

田根楽子、伊藤博幸、大河内浩、橋本菊子、長谷有洋
川崎由美子、秋能晴子、櫃割みゆき、藤川リサ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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