古畑任三郎
(第1シーズン 1994年4月期)

脚本/三谷幸喜
演出/星護


第10話 矛盾だらけの死体


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鵜野議員は、愛人である沢田マリと別れを切り出すために大金
を手渡す。馬鹿にするなと突き返すマリを秘書をしていた佐古
水茂雄は、騒ぎを大きくしまいとして殴り飛ばして気絶させる。
鵜野が思わせぶりな態度を示すと、佐古水はマリを処分する為
睡眠薬を飲ませて自殺したように見せかける。理由はどうする
べきか。鵜野は佐古水に振られた事にして、暫く田舎に帰れと
彼に告げる。佐古水は鵜野が現役を引退した後に、てっきり
出馬に後押ししてくれるとばかり思っていたので、その疑問を
ぶつけると君は最高の秘書だが、お前では選挙に勝てないと
言われ地盤はアメリカにいる息子のユウゾウに継がせるという。
それを聞いて佐古水は近くにあった置物で彼を殴り殺害する。
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ドラマは早い内から佐古水が犯人だと知って、古畑がお遊び
する様な感じのドラマだった。

今泉を使った患者すり替えの数々はドラマとして面白かった。

てっきり私は見ていて鵜野は最初の段階で亡くなっており、
佐古水から自供を引き出すために仕掛けた罠なのかと思って
いた。まぁ最後にはそんな展開にはなったけど、それにしては
随分引っ張り通す感じだったね。

今回のドラマ、タイトルに矛盾だらけと付くが、意外と見て
いて展開の仕方自体もちぐはぐだったように思う。
殺害している傍から議員がコーヒー入れろだの、ピザを頼もう
だの、あの状況で秘書にそんな要求してくるだろうか。

リダイアルの件にしても、何処から電話を掛けたのかはすぐに
分かると思う。まぁそれを調べる前に古畑が暴く事が大切なの
かも知れないけどね。

眠っている相手に睡眠薬を多量に飲ませることが出来るのかと
いう事はさておき、マリを殺したのは誰なのか。
古畑は鵜野が腱鞘炎だから口を開けるのは無理だとの結論で
佐古水を断定するところがやや強引な所ではある。
あれだけ働いているスタッフが居るわけだし、佐古水の怪しげ
な言動以外には断定する物証がない。

それでも鵜野が沢田を先に殺したのか、沢田が鵜野を先に殺し
たのかで、どちらにも矛盾点が出来てしまう所はなかなか面白い
ところだと思う。

それにしても今泉の痔。容体急変ってどんな痔なんだか。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

佐古水茂雄 …… 小堺一機 (秘書)
鵜野忠国 …… 森山周一郎 (議員)
沢田マリ …… 泉本のり子 (愛人)

水野あや、大林丈史、沼崎悠、鈴木義男、剛州、竹本りえ
原みゆき、上田真士、小島克則、足立修治、おやま克博
真鍋敏宏、鈴木九太郎

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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