古畑任三郎
(第1シーズン 1994年4月期)

脚本/三谷幸喜
演出/星護


第12話 最後のあいさつ


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小暮警視は麻薬犯罪をよく取り扱うベテラン刑事。
部下達も心配で小暮のプライドを尊重しつつ影ながらサポート
していた。今日も中華街のバー"ルージュ"で麻薬の取引が有る
との事で、一人張り込みの為に出掛ける。小暮が出掛けたこと
が分かると部下達は彼に気がつかれないように近くで張り込み
を行う。
出掛ける間際に古畑からリンゴをもらい出て行く小暮。
バーがよく見える宿の一室を借りて見張りを行う。しかし夕暮
れ彼は別の場所へと出掛け、誰かが来るのを待っていた。
彼が待っていたのは生原浩。実は先週小暮が担当していた容疑
者で、先週にも証拠不十分で無罪が確定した人物。小暮の孫の
ヨウコが生原によって殺されたと確信を持っていたのである。
彼が通りかかる6時10分頃、小暮は生原に近づき至近距離から
胸に一発銃弾を浴びせて殺害する。
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いよいよ第1シーズン最後の事件。
古畑が解決するのは、なんと大先輩の刑事という事でやりずら
そうな面も有った。

ドラマは6時10分に殺害された生原に対して、小暮はアリバイを
主張する。6時15分に張り込みしていたターゲットの男性が
アタッシュケースを持って店に入っている事がメモに残していた
のである。部下に聞くと同じくその男性が6時15分に入店するの
を見ていたことから、アリバイは成立するかに思えた。

古畑が何故小暮を犯人だと思ったのか。
今回の件は明らかに、小暮の中に殺意が有ることが見えたので
古畑が目を付けるのは自然な流れではあるが、このドラマでは
古畑が容疑の目を向ける説得有る理由が無いと、ドラマとして
成立しない。

リンゴの件はちょっと不自然な話ではあるが、ターゲットとして
見ていた男性を見間違うという辺りにフォローの視線を置いて
いる。

アリバイのトリックは、自ら麻薬捜査官である事を利用し、
ターゲットの男性を呼び出したモノだった。時間キッチリに
来ることが分かっていたのかな。

再び登場した梶原善演じる支配人。彼が何故本当のことを
言わないのかが一つのポイント。冒頭で確かにラーメンを作る
為にお湯を沸かすシーンが挿入されている。

最後に古畑が先輩相手に熱弁を振るうシーンが印象的。
人を裁くのは我々ではなく、事実を導き出すだけだという。
銃を持つ職場にいない古畑らしい意見だなと思う。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

小暮 …… 菅原文太
広瀬 …… 中原潤
生原浩 …… 鈴木隆仁
井戸支配人 …… 梶原善
向島巡査 …… 小林隆
桑原 …… 伊藤俊人
カウンターの男 …… 市川勇
バイヤー …… 田辺年秋

久保晶、椿田昇耶、塚本健志

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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