古畑任三郎
(第2シーズン、1996年1月期)

脚本/三谷幸喜
出演/田村正和、西村雅彦


第2話 笑わない女

--------------------------------------------------------
プライオリ女学院。
生活指導を行い寮長でもあるヨリエは、マスターキーを使って
国語教師の阿部哲也(36歳)の部屋に入るとメジャーを使って
ダンベルを図り始める。そして校舎裏のゴミ捨て場に行き、
同じ太さのパイプを見つけてくる。
夜、ヨリエは黒い革の手袋をして、マリア・カラスの音楽を
聞きながら阿部の部屋を訪れる。ジョイスの本を教材として
使いたいので貸してくれないか?として彼の集中を本棚へと
向けさせた後、彼女は隠し持っていたパイプで彼を殴りつける。
阿部は彼女に掴みかかり彼女のガウンのボタンを引きちぎると
倒れてしまう。ヨリエは部屋に置いてあったダンベルを使い
阿倍の後頭部を打ち付ける。そして亡くなったのが分かると、
本棚から本を取ろうとして踏み台から落ちてダンベルに頭が
ぶつかった様に遺体現場を工作する。

すぐに警察の現場検証が始まる。
古畑は自転車で現場までやってきたのでフラフラ状態。
先に現場検証を行っていた今泉から分かっている事実を聞く。
死亡推定時刻は10時から11時の間で、本を取るときにバランス
をクズしてダンベルに頭をぶつけたのではないかという。
事件性は無いかも知れないと。
しかし古畑は、現場に落ちていた本は踏み台を使わなくても
届く位置に納まっていたもので、遺体から飛び散った血痕が
廊下の方まで飛んでいることに疑問を持つ。これは殺された時
にドアが開いていたことを示唆するものだった。また被害者の
指には意味不明なハサミで付けられた様な傷が無数付いていた。
そして手の中に犯人のものだと思われるボタンが有った。

普通人を殺すときにはドアを閉めて行うもの。
更に痕跡を残さない為にもボタンは持ち帰るのでは無いかと
考える。

学園の中を話しを聞いて回る。学長の青木は、阿部先生は
教育熱心であり、校則を見直そうとして生徒達と一緒に訴えて
いたという。
阿部先生と対立の関係にあった宇佐美ヨリエの元に行くと、
突然彼女は部屋に男性が居るときにはドアは開けておくのが
戒律だとして注意する。マスターキーは彼女が所有しており、
普段は机の中にあった事を聞く。ボタンは学校から配給される
ガウンのもので教師も生徒も全員持っているものだという。

3時から阿部先生の追悼の儀式が有り参加する古畑達。
古畑はヨリエに頼み今日はこの施設に泊めて欲しいと告げる。
生徒の一人・なぎさから案内されて部屋へとやってくる。
そして彼女から色々と話を聞くことになる。校則については
守っている人など居ないこと。阿部とヨリエの対立の関係。
なぎさから生徒手帳を借りて校則について調べることになる。
--------------------------------------------------------

今回は学校の規則・戒律によって犯人の習性やら痕跡が描かれ
ドラマとしてはすぐに犯人が誰なのかは分かるような展開だっ
た。問題は何故殺害したのかという動機の部分。

生徒役の藤谷文子さんはスティーブン・セガールの娘さんだそ
うで、まさかこんな所に出ているとは知らなかった。

問題は遺体が手にしていたボタン。
何故ヨリエはボタンを持ち去っていかなかったのか。
ヨリエが敬虔なクリスチャンという事で、私は男性の手に触れる
事は出来ないのかと思って敢えて残しているのかと思っていたが
実際には動物の遺体に触れてはいけないというものだった。
男性と同じ部屋に居る場合にはドアを開けっ放しにしなければ
ならないという戒律から、男性に対する免疫がないのかなと。

しかし殺人の現場に於いてもそんな戒律を守ろうとしている
犯人が、一本の口紅の誘惑には負けてしまうというところが
面白いところだろうか。しかも最も見られたくない相手に見ら
れた事。化粧をしていたのを見られて生き恥をさらすよりも
相手を殺そうとするところがなんか凄いな。

今回は今泉が会話の中でテレビドラマの主人公に例えて青木学長
と話すシーンが面白かった。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

宇佐美ヨリエ …… 沢口靖子 (生活指導・寮長)
阿部哲也 …… 相島一之 (国語の教師)
青木 …… 赤座美代子 (学長)
なぎさ …… 藤谷文子 (生徒)

長谷川美香、岸佳奈子、寺本愛、平本貴子、松澤重雄

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system