古畑任三郎
(第2シーズン、1996年1月期)

脚本/三谷幸喜
出演/田村正和、西村雅彦


第3話 ゲームの達人

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推理小説作家の花見禄助は、妻の常子の浮気を疑っていた。
探偵を雇い調査すると確かに男性の影が有ったという。週末に
は証拠となる男性と密会している時の写真を受け取ることに
なっていた。その事を親友の医師・乾研一郎に相談する禄助。
この年になってまた一波乱起こるとは・・とため息をつく禄助
に対して乾は、ある提案をする。自殺するフリをして、妻に
責任の重さを感じさせて、不倫していた事に後悔させて見ては
どうかという。禄助も乗り気で是非実行しようという。

常子の浮気相手とは乾だった。乾は家庭も子供もある身。
常子は今の生活を全て捨てても良いという。乾もそれに同調す
るが何処か後悔している姿も・・

禄助と常子、そして乾を交えて夕食を取る。
家政婦の亀山の作った料理を食するが、彼女は電子レンジを
使い食事中にブレーカーを落としてしまう。全体的にこの屋敷
の電源が不足している為のもの。気をつけるよういわれる亀山。

禄助は先に寝るとして自分の部屋に戻ってしまう。常子は最近
夫の様子が変なことに気がついていた。もしかすると不倫の件
がばれているのか。
そんな時禄助から亀子に内線電話が鳴り"さよなら"と告げた
という。常子は部屋で既に寝てしまっていた。そこで乾と一緒
に禄助の部屋に行くと鍵が掛かっていた。中から銃声だと思わ
れる音を聞くと、乾は亀子に下の部屋に行き鍵とバッグを取って
くるよう命じる。その間に乾は常子の首を絞めて殺害する。

鍵を使って中にはいると、禄助は銃弾を額に受けていた。
乾はすぐにお湯を湧かして救急車を呼ぶよう告げる。
その間に乾は禄助に遺書のサインを書かせようとする。しかし
その時湯を沸かしていた亀山がまたしてもブレーカーを落として
しまう。
再び電気がついた頃、乾は自分が持ってきた銃で禄助の額に
銃弾を撃ち込む。
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今回は推理小説マニアが行った完全犯罪。
果たして古畑はそれを暴くことが出来るのか。

冒頭の古畑のトークの中に於いて、探偵の名前の事を指摘して
いたので、名前がポイントになる事件なのかなと思って見ていた。

完璧な完全犯罪など存在せず、犯行時に計画とは違う予測不能
の事象が起こることで完全犯罪が崩れてしまうというもの。
一人で犯罪を犯すならばまだしも他人を利用してアリバイを
作ろうとしたりする為に予測不能な事態が起こってしまう。

自殺の場合こめかみを狙うものだが、三流作家である禄助は
派手な場面を想定して額に銃弾を浴びるようなメイクをして
いた所を指摘する辺りはとても良くできていた。普通額では
手首を180度ひねらねばならないからね。

暗闇の中でサインを書いたことでボールペンの文字が出ている
のか分からなかったという。皮肉にも停電した時間が事件に
於けるタイムテーブルを明確なものにして、上手く犯行現場の
状況を再現してしまうのだから凄い。

しかしまぁ常識的に考えれば、メイクの跡はそう簡単には消せ
ないだろうし、額に銃弾がめり込んだ射出口の角度なんかを
調べたりすると他殺か自殺か分かってしまうのだろうな。

古畑が色んなゲームに挑戦していたけど、全てマイキューでは
無いと言い訳していたところが面白かったね。
今泉君は今の仕事になる前にはハスラーだったとか。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

乾研一郎 …… 草刈正雄 (医者)
花見禄助 …… 藤村俊二 (56歳・推理小説作家)
花見常子 …… 一色彩子 (37歳・妻)
亀山 …… 松金よう子 (家政婦)
向島音吉 …… 小林隆 (警察官)

大森博

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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