古畑任三郎
(第2シーズン、1996年1月期)

脚本/三谷幸喜
出演/田村正和、西村雅彦


第7話 動機の鑑定

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錦織美術館の館長・永井と古美術商の春峯堂の主人であり、
協会の理事を勤めている"春峯堂"はこの日、人間国宝であり
陶芸家の川北百漢に呼び出される。近々、永井の美術館に飾ら
れる事になっていた"慶長の壷"は贋作であるという。
全ては春峯堂を陥れる為に自らが作って物であり、自分の愚か
さを認めて理事の座から降りるよう告げる。貴方のような人間
が幅を利かせている事が我慢できないという。

春峯堂と永井は一度帰るフリをして、拳銃を持ってきて謝罪す
る素振りを見せて百漢を射殺する。
素人の物取りの犯行と見せかける為に美術品には手を付けず、
唯一本物の"慶長の壷"だけを持ち帰ることにする。

春峯堂はその後古美術のオークション会場へと赴き、永井に
アリバイ作りのための工作を行わせ、百漢の自宅から電話
させる。そして永井に強盗が押し入ったように現場を荒らす
様処理させるのだった。
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今回は古美術品の専門用語が全ての鍵を握る話だった。

古畑が犯行現場に登場する際、小石川ちなみの結婚式に出席して
いたという会話。ちなみとの関係は、その後も会話の中で続いて
いったりするところがこのドラマの良さでも有る。

今回もドラマとしては犯人しか知り得ない情報をもって犯人だと
問い詰めていく話だった。

永井の欲深さから犯行は発覚してしまうわけだが、彼が強盗を
装う為に仕掛けた工作に於いて、ガラス片が遺体の上に転がって
いたという点では面白い取っ掛かりだと思う。

この犯人が古美術の専門家か否かが発覚してしまった事で、
古畑が彼に目を付けていく理由付けは上手く為されているし、
所々で不自然な状況は見て取れる。
永井を殺害したことで、ほぼ自供を待たなくても犯人である事
は明らかだったし、後頭部を殴っておきながら自殺だと処理させ
ようとするのは流石に強引だった。

今泉は100万円以上する観音像を落札してしまった。しかも壊れて
しまった。元々価値的にはどのくらいの設定だったのだろうか。

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

向島音吉 …… 小林隆 (警察官)

春峯堂のご主人 …… 澤村藤十郎 (古美術商)
永井 …… 角野卓造 (錦織美術館館長)
川北百漢 …… 夢路いとし (陶芸家)

久保晶、つじしんめい、中嶋しゅう、富鐘久貴、鈴加明、山本廉

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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