古畑任三郎
(第2シーズン、1996年1月期)

脚本/三谷幸喜
出演/田村正和、西村雅彦


第9話 間違えられた男

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若林仁は人里離れた場所で自分の奥さんに近づいた川辺を監禁
し、椅子に縛り付ける。もう決して会わないとして謝罪する
川辺を容赦なく猟銃で射殺する。
その帰り車を走らせようとすると、乗ってきた車はパンク。
仕方なく駅までの道を歩いていると、人の良さそうな男性・
鴨田巌が運転する車に声を掛けられる。鴨田は友人からシイタ
ケの榾木を貰ったとして上機嫌だった。鴨田は若林の名前を
教えたわけでもないのに知っていたことに驚く。すると先日
バリトンホテル新宿で花見先生の出版記念パーティーで会って
いるという。息子のシゲルが大ファンだという。
そんな鴨田に対し若林は不自然なお願いをする。今日会ったこ
とは誰にも話さないで欲しいという。それを了承する鴨田だが
シゲルの元に電話し留守録の中に若林と会っている事を話して
しまう。
若林はあまりに口の軽い鴨田に呆れると同時に、走行中の車が
タヌキを引いたとして彼を車外に出させて後から岩で頭を殴り
告げる。
遺体をトランクに押し込み、彼は鴨田の免許証で住所を確認。
彼が住むアルゴマンションへと足を運ぶ。先程の会話の中で
シゲルが植木鉢の下に鍵を入れている事を知って、それを使っ
て部屋に浸入し、先程留守録に入れて置いた内容を消去する。
帰ろうとしたとき、ドアのチャイムを鳴らす音が聞こえる。
外を見ると古畑が居た。彼は古畑が帰宅するのを待ってドアから
出るも、ドアの死角にいた古畑から声を掛けられ、挨拶される。
古畑は先日のお礼を告げ、アレを取りに来たと告げる。
若林は鴨田に成り済まして、古畑に対応することになる。
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古畑任三郎にしては随分出来の悪い話だった。

15分くらいで決着が付きそうな内容を永遠と引っ張り通した
内容で、見ていて途中で飽きてくる。

古畑が若林の嘘を見破ったポイントを種明かしの場面で告げる
が、それ以前に彼との会話は全てチグハグだらけで、古畑ほど
の人物ならば居留守を使おうとしていた時点でその不自然さを
見破っているだろう。

古畑は嘘を見破るために色々と仕掛けるが、そんなの確かめる
までもない。
トイレの場所を本人が知らなかったり、取得物証明書を何処に
置いたのか分からないと告げたり、財布を何処で拾ったのかに
ついても曖昧な証言。掛かってくる電話、留守録の音声、
妻だと言っていた人物の声が男性だった点など、それだけで十分。

時計が10分違っていた所など今更掲示する必要性もなく、靴の
大きさなど今更ながら調べる事もない。

若林に関しても何故その場から逃げないのか実に行動が不自然。
既に部屋の中を素手で触りまくっていることから、鴨田の遺体が
見つかれば有罪は確定だろう。
それよりも冒頭の殺人事件の件は何処に行ったのか?というくらい
の扱いで、パンクした車を放置していった時点で、既にアウト
だと思う。

古畑にしても人を殺害している事が分かった時点で、警戒心も
なく接している様は不自然だ。二人の人間を殺しているのだから
古畑のことをいつ襲ってくるのかも分からない。
そんな人物をイチイチ泳がして、鍵を取りに来る現場を押さえる
事に何の意味があるのだろうか?

古畑任三郎 …… 田村正和
今泉慎太郎 …… 西村雅彦

向島音吉 …… 小林隆 (警察官)

若林仁 …… 風間杜夫 (月刊カドマツの編集者)
鴨田巌 …… 小野武彦 (バリトンホテルの従業員)

野仲功、清水昭博、軌保博光、田原正治、宮下学、上岡小百合

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ (4.0)

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