ひとつ屋根の下

脚本/野島伸司
プロデューサー/大多亮
演出/永山耕三


第5話 車椅子の弟へ


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達也は配達のために車が必要だとして自動車整備工で働く
和也に調達をお願いするも、あまりに見窄らしい車を持って
帰ったことで言い争い。そんな中小雪は家の中で歌を歌ってい
る文也の姿を目撃する。
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今回は文也をドラマに本格的に関わらせるために、彼に家族の
一員としての自覚、そして一人の人間としての自信を持たせる
様な展開だった。

達也の場合。
文也の気持ちを余所に達也は公立の学校へ文也を転入させよう
と学校側に掛け合う。しかしそれが駄目だとみるや今度は
朝早く起きて校門の前で生徒に呼びかけ入学できるように
署名を求める。
冒頭では達也の行動の無鉄砲さ、そして文也に対する気持ちを
無視した行動に非難こそすれ、なかなか称賛できるものが無く
このドラマの中でも雅也らの主張と同じ気持ちになる。しかし
達也の本音や思惑を聞いた途端に、全ては達也に同調し共感
出来るという素晴らしい構成。
一人、また一人と校門に立つ人を増やしていく辺りが凄いね。
最後は文也までもが校門の前に立つようになった。
現実的な答えを見せた点も評価できるし、達也の気持ちを完全
に理解できたからこそ文也も自立出来たのだろうね。

雅也の場合。
今回は雅也の病院の患者である利奈が家にやってくる。
小梅は彼女のことを知っているのか、完全に尊敬の眼差しだった。
利奈から文也にカバンのプレゼント。
しかし凄まじい兄弟喧嘩の姿に最初は羨ましいと思っていた
彼女もある意味引いたかも。
雅也の文也に対する視線が冒頭と後半では変わっているところが
良いね。優しくすることばかりが優しさではないと分かった
のではないか。

和也の場合。
小梅が友達の桑名詩織を自宅に招いたことで完全に浮かれた様子。
彼女たちにプリンを出したものだから、達也が帰ってきたときに
プリンが無くなり、兄ちゃんの愚痴が永遠と続く。
最初はちぃ兄と共に達也非難の立場だったが、次第に共感して
いく。

小梅の場合。
詩織と友達だとは思わなかった。
狭い家だけど部屋で何していたんだろうね。
彼女は兄弟喧嘩するとタイミング良く涙するというのが役割の
様な感じで、きっちりと家族の役割を心得ている感じ。

小雪の場合。
冒頭で兄ちゃんいじりで達也の事を弄ぶ。
全ては兄ちゃんのお陰。この言葉一つで達也は拗ねたり照れた
り、本当に可愛らしい兄ちゃん。小雪が惹かれていくのも分か
るね。

文也の場合。
自分の殻に閉じこもっている事。最初は兄ちゃんたちも暖かく
見守り黙っていたが、今回ついに言及することになった。
たかが足が動かないくらいで世界中の不幸を背負ったような
顔をするなと言われ、兄ちゃんから挑発されるも、兄ちゃんの
作戦だろう。心の中に溜まっている不満を上手く吐き出された
格好だ。
さらし者になるのは嫌だという彼だが、これからもその現実が
決して変わることがない事を実感させて前向きに生きるために
どうしたらいいのかを兄ちゃんの行動から学び上手く復活。
これからは家族の一人として上手く意見していくことになるの
かな。

柏木達也 - 江口洋介 (長男・元マラソン選手)
柏木(木内)雅也 - 福山雅治 (次男・医者)
柏木小雪 - 酒井法子 (長女・OL)
柏木和也 - いしだ壱成 (三男・工場勤務)
柏木小梅 - 大路恵美 (次女・高校生)
柏木文也 - 山本耕史 (四男・車椅子)
日吉利奈 - 内田有紀 (舞台女優。知らなきゃもぐりよ!)
日下部哲雄 - 辰巳琢郎 (小雪の上司)
榊千鶴 - 鈴木ほのか (達也の婚約者)
榊隆雄 - 川津祐介 (千鶴の父親。達也の恩師)
木内裕蔵 - 清水紘治 (医者)
広瀬幸夫 - 山本圭 (医者)

倉橋登志子 - 村上里佳子 (キャバクラ・ロコモーション)
桑名詩織 - 千葉麗子 (犬の散歩)

岡安泰樹、川口政彦、新井量大、内山森彦、本田清澄
真鍋敏宏、中川弘、手嶋みなみ、成瀬富久

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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