ひとつ屋根の下2
(1997年4月期・月9)

脚本/野島伸司
プロデューサー/杉尾敦弘
演出/永山耕三、武内英樹、高丸雅隆


第6話 車椅子の弟へ

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高尾山に迎えに行った達也と和也は、文也と奈美が寄り添うよ
うにして夜が明けるのを待っていた。
そんな文也に達也は奈美の両親の意向を伝えると、文也は割り
切った様に、僕もその両親と同じ意見で彼女に僕は相応しくな
いと告げ、もう逢えないことを了承する。
一方小梅はテニスサークルの合宿のために伊豆に泊まりで行く
ことになるが、兄ちゃんは大反対する。
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なかなか鋭い展開になった。
でも冒頭の高尾山のエピソードは、迎えに行く車の中では夜中
だったのに、到着したときには朝になっていたというのは、
やっぱり便宜上の演出なのだろうか。

凄いのは合宿に行き不安で電話してきた小梅に対して、小雪が
突き放す行動を見せたこと。親ならば絶対に許さない様な
荒治療だしね。

さてメインは当然ながら文也と奈美の今後の行方である。
小雪が小梅に、相手に対する気持ちを問いかけたのに対して、
兄ちゃんは文也に奈美に対する気持ちを問いかけた。
男同士は男同士で、女は女同士で解決に向かわせた話という事
で同性同士のシンパシーのようなものを上手く引き出す演出
なんだろうね。

達也の凄いことは奈美を救うだけでなく、奈美の両親さえも
絆を再び結ばせる様な説得力のあるセリフである。
自分の気持ち、相手の気持ちに対して第三者の視線で上手く
真理をついて、絆を取り戻してしまうのだから凄い。

文也に対しては相手のアクションに対して、応えてやれるのか
どうかを文也に訴えかけた。弟としてというよりも一人の人間
として彼女を守っていけるのかどうかの自覚を促した格好だ。
昨晩の展開を見ている限りでは文也は彼女を救うことが出来な
かった訳だが、彼女の勇気ある行動力が彼を上手く一人前の
男性に仕立て上げる感じの実に心地良い話である。

お互い障害者と言うことでネガティブな現実ばかりを見ていた
が、逆に障害者同士弱気なコンプレックスを持つことなく
対等な関係で居られることを、両親が不仲である現実に上手く
被せた演出だった。

柏木達也 - 江口洋介 (長男。クリーニング店経営)
柏木雅也 - 福山雅治 (次男。医者)
柏木小雪 - 酒井法子 (長女。血の繋がりはない)
柏木和也 - いしだ壱成 (三男。工場勤務)
柏木小梅 - 大路恵美 (次女。大学生)
柏木文也 - 山本耕史 (四男。車椅子)
広瀬幸夫 - 山本圭 (医者)
兵頭五郎 - 小木茂光
木内祐蔵 - 清水紘治
中川京子 - 風吹ジュン
中川恵 - 安達祐実

望月実希 - 松たか子 (工場勤務)
早川真澄 - 黒田勇樹 (下宿人)
倉橋美保 - 伊藤裕子 (大学生)
望月章吾 - 森田剛(V6)
早川百合江 - 藤田弓子 (真澄の母)
前園俊雄 - 宇梶剛士 (教師。小雪の見合い相手)
川村泉 - 渡辺由紀 (元陸上選手・達也の同僚)
根本裕司 - 堀真樹 (陸上選手)
井上友史 - 北村総一朗
寺田奈美 - 浅井江理名 (文也の文通相手)
前川 - 冨士眞奈美 (柏木家の隣人)
中川誠次 - 加藤善博
南雲俊平 - 村田泰則 (テニス部の先輩)
南雲真理子 - 山村美智子
寺田良美 - 中村久美 (母)
寺田繁 - 山路和弘 (父)
津山新一 - 古川九一
橋田篤 - 山下徹大 (真澄の同級生)
小沢 - 山本顔ノ介
ヨシカワミチコ - 藤原紀香

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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