恋人よ

脚本/野沢尚
出演/鈴木保奈美、岸谷五朗、鈴木京香、長瀬智也、櫻井淳子
佐藤浩市、水野美紀、芹沢名人、渡辺哲、江連健司、名幸一明
杉浦幸二、夏八木勲、斎藤みどり、庄司智久、久保文雄

第8話 愛しているのは君じゃない

そういう事だったのか。いち早く事情を察する愛永と事態を
飲み込めない航平。安輝の父親はオレだと名乗り出る遼太郎。
間違いを正すと言った意味は何なのか。
遼太郎は粧子の事が好きだと告白した。
結婚式当時のねじれの現象の偶然が必然であったことを互いに
告白し合う。
そして愛永も航平が好きだと語る。そんな航平も同調するように
愛永が好きだと言った。今ならまだ間に合う、やり直そう。
粧子は航平と別れるのを嫌がるが、もう解放して欲しいと語る
航平。翌朝互いに離婚届を提出し、航平と愛永は出て行く。

もの凄い修羅場から一年後の話し。

ドラマとして良くできているのは、そう簡単に人の心が行ったり
来たりできないところ。特にこのドラマでは真面目な男性の
心の繊細さをよく表現しているところだと思う。女性の心の
繊細さを表現するドラマは多くても、こんなに男性の事を
詳細に取り上げたドラマが有っただろうか。

航平が愛しているのは愛永のハズだった。
別れれば二人が結ばれるのは自然の成り行きかに思えたが、
そうならないところが人間の心の難しさだ。

愛永という存在の中に見る姿というのが、純粋な愛という形
ばかりでなく、隣り合って生活していた頃の家族の生活まで
思い浮かべてしまう。悲しいことに愛情を強く持つ程に
逆に過去の記憶が蘇ってしまうところではないか。

真っ白になった航平。
一度は自分の子供ではない赤ちゃんを育てることに苦悩し、
難色を示したところだが、別れてみて初めてその存在の大きさ
に気がついた。

航平だって愛永に愛する女性の姿を見ていたい訳で、しかし
過去の記憶がそれを阻止しようとする。

そんな時都合良く存在しているのが渡辺美緒だね。
美緒にも航平を思う気持ちが残り続けていたというのは多少
難しいものがあるが、彼女のお陰でドラマが面白く、そして
悲しい方向に加速してしまった。
しかも着々に進行している愛永の病気がまた上手いことドラマ
を盛り上げるね。

guest
真鍋尚晃、平方花季、蒲谷明留、山路和弘、大石吾朗

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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