高校教師
(1993年)

脚本/野島伸司
プロデューサー/伊藤一尋
ディレクター/鴨下信一、吉田健、森山享


第2話 嘆きの天使


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土砂降りの雨の中、繭は隆夫のアパートの前で待っていた。
先生に会いたかったという彼女。
彼女に振り回されているのを感じている隆夫は、繭と距離を
取るために学校では用が無いのに来ちゃダメだと告げるが、
用を見つけては科学室へと足を運ぶ繭。
隆夫がバスケ部の臨時顧問になると知って彼女は早速入部する
事になる。
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色々と学生っぽい描写を描きながらも、校則によって抑圧され
ている学生達がハメをハズして大人っぽく振る舞おうとする
描写がとても共感できるような内容だ。

繭の天真爛漫なところが良い感じで、隆夫の事を振り回している
ところがとても良い味を出している。
隆夫は大人だけど世間に対して擦れていない面を持っていたり、
女性に対しての扱いは何処か不器用だったり、繭にしても隆夫
にしても一人の人間として未成熟な部分が妙な不安感を煽り
立てている感じ。

女子高生の持つ危うさ。大人に対して警戒心を持たず、自ら
大人ぶって見たり、そんな大人に近づいてみたり。そんな危うさ
がドラマ全体をエキセントリックな場所へと押し上げている
様な感じ。

好きな人に対して一直線になる女子高生達。
それは異性に対してのみに当てはまらず、繭を眺める佐伯先輩
の視線とか凄い物を感じる。
好きな人のために隆夫を追い出そうとする為に起こした行動。
生真面目にそんな生徒達のために腕立てしてしまう所が、
隆夫先生の良さでも有るのだろうけどね。

危うさを感じる中でも実際にそれが起こってしまう現実。
藤村に好意を寄せていた直子は襲われた。しかもビデオを撮ら
れていたという周到な所から、頭の中ではそんなチャンス
を伺っていたのだろう。
更に繭は浮気している千秋のことを階段から突き落としてしまう。

昼食の時の10円がこんな使われ方するとは思わなかったけど、
こういう演出も携帯の普及している現在ではアイディアとして
なかなか浮かび上がってこないものなのかもしれない。

一番気になるのは、繭は千秋の浮気の事実を知っているのに、
それを先生に伝えない事だろう。繭にしてみれば告げ口する
様な方法でそれを伝えたくはないのか、それとも千秋が語る
様に女子高生の彼女がそれを話しても信じてもらえるかどうか
の葛藤があるのだろうか。

羽村隆夫 - 真田広之 (生物の教師)
二宮繭 - 桜井幸子 (生徒)
新庄徹 - 赤井英和 (体育の教師)
藤村知樹 - 京本政樹 (英語の教師)
相沢直子 - 持田真樹 (生徒)
二宮耕介 - 峰岸徹 (繭の父)
佐伯麻美 - 中村栄美子 (先輩)
三沢祐蔵 - 小坂一也 (研究室の主任教授)
三沢千秋 - 渡辺典子 (羽村と婚約)
樋口尚樹 - 黒田アーサー (羽村と同じ研究室の同僚)
坂入主任 - 金田明夫 (教師)
宮原志乃 - 山下容莉枝 (地理の教師)
新庄貴広 - 森田洸輔 (徹の息子)
羽村和人 - 三浦浩一
田辺里佳 - 若林志穂

教頭 - 小宮健吾

桜井さつき、金野かなえ、永田美妙、小堺忍、吉田まゆ
関根雪絵、水野洋子、金井良子、駒崎香織、佐藤玲美
加藤貴子、吉村夏枝、江崎まり、山崎満、川口雅代
久留蝶丸

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