高校教師
(1993年)

脚本/野島伸司
プロデューサー/伊藤一尋
ディレクター/鴨下信一、吉田健、森山享


第3話 同性愛


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繭にデパートのエスカレーターで突き落とされた千秋は全治
二週間の怪我。隆夫は病院で彼女の世話をする。そこで繭と
共に買いに行ったネクタイを隆夫にプレゼントする。
いつもの朝。ラッシュで取れてしまったボタンを繭に付けて
もらう隆夫。何気なく千秋の容体の事を聞く繭。わざとじゃな
かったと隆夫に告げるが何のことか分からない彼。繭はそれ
以上のことを語るのを辞める。
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さて少しずつこのドラマの中の"普通"ではない関係が明らかに
されてきた。

タイトルは"同性愛"という事で、佐伯先輩が狙う繭との関係を
抽出しているのかも知れないが、千秋と樋口の関係だったり、
直子の事を性奴隷にでもしようとしている藤村の意図が焙り
だされてくる。

体育倉庫に閉じこめられた隆夫。
もっと大事になるかと思ったが、新庄や他の先生は笑っただけ。
このドラマにしてみれば大したことがないのか。

三日間休んだ直子は、早速藤村に呼び出される。
今回はなんとか無事済んだが、このままでは卒業までの間、
地獄の日々を送ることになる。しかし愛情とは表裏一体だね。
あれ程大好きだと思っていた藤村が嫌な存在になるのも、一瞬
の出来事。好きな気持ちの先にあるものを考えられなかった
直子が悪いのか、それとも教師という立場を利用する藤村が
悪いのか。

涙する直子が新庄の元に行くシーンは状況としては最悪だが、
何気にドラマとしては良くできたシーンだと思う。
涙する直子に理由も聞かずにただデンと近くに座っているだけ
の新庄。あれ程嫌っていた新庄にも好意を寄せるようになって
いくきっかけとなるのではないか。

練習試合だと呼び出された隆夫は、それが繭の嘘だと判明。
ファーストフードでご飯を食べているときに隆夫の口の周りに
付いた汚れを拭いてあげるシーンだったり、おでことおでこを
触れあうシーンは確信犯的だけど、コミュニケーションとして
は親近感が沸くものだよね。
一連のシーンで興味深いのは、"助けて"の手紙を繭が出して
いると思わせるシーンだ。隆夫が繭に見せたときに、部員の
イタズラとして処理させようとしている所を必死に否定して
いた。

繭が行った千秋に対する行為と、千秋に樋口との関係がどういう
風に判明していくのかと思ったが、結局自ら墓穴を掘った形に
なる。
母親の存在を浮かび上がらせる事で、この婚約が破棄できない
様な状況を作るなど、なんとも複雑な感じ。

繭と父親の関係も気になるし、母親が繭を憎んでいたのは、
父親が娘を溺愛していたからなのかなと。

羽村隆夫 - 真田広之 (生物の教師)
二宮繭 - 桜井幸子 (生徒)
新庄徹 - 赤井英和 (体育の教師)
藤村知樹 - 京本政樹 (英語の教師)
相沢直子 - 持田真樹 (生徒)
二宮耕介 - 峰岸徹 (繭の父)
佐伯麻美 - 中村栄美子 (先輩)
三沢祐蔵 - 小坂一也 (研究室の主任教授)
三沢千秋 - 渡辺典子 (羽村と婚約)
樋口尚樹 - 黒田アーサー (羽村と同じ研究室の同僚)
坂入主任 - 金田明夫 (教師)
宮原志乃 - 山下容莉枝 (地理の教師)
新庄貴広 - 森田洸輔 (徹の息子)
羽村和人 - 三浦浩一
田辺里佳 - 若林志穂

教頭 - 小宮健吾

桜井さつき、金野かなえ、永田美妙、小堺忍、吉田まゆ
関根雪絵、水野洋子、金井良子、駒崎香織、佐藤玲美
加藤貴子、吉村夏枝、江崎まり、山崎満、川口雅代
久留蝶丸

朝倉沙友美、大村みのり、浅野崇子

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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