高校教師
(1993年)

脚本/野島伸司
プロデューサー/伊藤一尋
ディレクター/鴨下信一、吉田健、森山享


第4話 僕のために泣いてくれた


--------------------------------------------------------
先日体育倉庫に閉じこめられた件で、隆夫はバスケットボール
部の主将・佐伯を生物室へ呼び出す。幼稚なイジメは辞めて
欲しい事を告げるが、クラブには来ないで欲しいと改めて佐伯
から告げられる。そして授業のために生徒が生物室に来るのを
見計らい、佐伯は隆夫から襲われたフリをする。
隆夫は生徒達から後ろ指を指され、教頭はこんな事がPTAにバ
レたら大変なことになるとして告げられる。
繭は佐伯の仕打ちに対して彼女の前に赴き、汚い女だとして
唾を吐き付ける。
落ち込む隆夫に対して、新庄は春までだから我慢しろと告げら
れるのだが・・・
--------------------------------------------------------

衝撃的なシーンの連続。

性的な問題に於いて、被害者は常に女性という偏見を利用して
佐伯は隆夫から襲われたフリをする。
冷静に考えれば婚約者が居て春には結婚する立場であったり、
隆夫自身の性格を見れば女性に対してそんな事をするハズは
無いので、職員室の先生もそんな事実に対して、あまり重要視
していない感じ。実際そんな事実が有れば、そのまま継続して
教師が続けられるはずが無いものね。

繭が隆夫の事を疑いもなく信じるところとか、佐伯に対して
仕返しするところとか、とても上手く隆夫と繭の関係を描いて
いる感じ。
塩酸をかけられそうになる時にも自己を犠牲にして先生を守る
繭の姿は、このドラマの影のテーマである"永遠の愛"について
面白くあぶり出されるシーンでも有る。

結婚に於いて対等な立場でないというのは、とても微妙なもの
だと思う。千秋から好き勝手言われ、何も言い返せない隆夫。
結婚に対して何の幻想も期待も持たない千秋に対して、平凡な
家庭にしたいと考える隆夫とはちょっと不釣り合いの間柄だ。

オマケにこの親有ればこの娘有りとばかりに、父親の大学教授
の狡賢いこと。論文の件に関しても罪悪感もなく飄々と自分
の手柄にする様は、本当に腹の立つ限りである。

上手いのはそんな傷心の隆夫に対して受けざるとなるべく存在
している繭の存在。全てを失ったと涙する隆夫に対して寄り添い
共に悲しむ繭。

そして今回は直子の存在感も大きかった。
いよいよ始まった藤村の性奴隷化。
新庄に寄りかかっていく直子の存在、無理に明るく振る舞う様が
イジらしい。先日の涙の理由を尋ねるも答えることが出来なかっ
た現実。いつ全てを告白するのか。
繭も含めてみんなで食べたすき焼きのシーンは、一時の休息で
とてもホノボノするシーンだった。

羽村隆夫 - 真田広之 (生物の教師)
二宮繭 - 桜井幸子 (生徒)
新庄徹 - 赤井英和 (体育の教師)
藤村知樹 - 京本政樹 (英語の教師)
相沢直子 - 持田真樹 (生徒)
二宮耕介 - 峰岸徹 (繭の父)
佐伯麻美 - 中村栄美子 (先輩)
三沢祐蔵 - 小坂一也 (研究室の主任教授)
三沢千秋 - 渡辺典子 (羽村と婚約)
樋口尚樹 - 黒田アーサー (羽村と同じ研究室の同僚)
坂入主任 - 金田明夫 (教師)
宮原志乃 - 山下容莉枝 (地理の教師)
新庄貴広 - 森田洸輔 (徹の息子)
羽村和人 - 三浦浩一
田辺里佳 - 若林志穂

教頭 - 小宮健吾

桜井さつき、金野かなえ、永田美妙、小堺忍、吉田まゆ
関根雪絵、水野洋子、金井良子、駒崎香織、佐藤玲美
加藤貴子、吉村夏枝、江崎まり、山崎満、川口雅代
久留蝶丸

佐藤百起、大村みのり

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system