高校教師
(1993年)

脚本/野島伸司
プロデューサー/伊藤一尋
ディレクター/鴨下信一、吉田健、森山享


第5話 衝撃の一夜


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直江は登校の時酷い筋肉痛を訴える。繭は本日包帯が取れる
事になっていた。痛々しい包帯を見つめる隆夫。跡が残った
ら責任を取ってもらうと冗談交じりに語る繭。
塩酸を投げつけた佐伯は引っ越しすることになる。佐伯は
繭に最後に忠告を与える。貴方も何時か男性に幻滅すると。
昼食の時、繭は隆夫に今度の日曜日に映画に連れて行って欲
しいと頼む。返答に困っている隆夫を見て、1500m走で一位を
取ったらという事にしないかと繭の方から条件を出す。
一方藤村からビデオテープを取り返そうとする直子。そんな
彼女の姿を見て藤村は土曜日に食事をしようという。その時に
テープは返すと言うことだが・・・
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隆夫と繭。
どちらも実生活に於いて上手くいかずに互いに引き寄せられて
いく様子が上手いこと描かれている。
二人で居るところに互いの居場所を求め、現実逃避の形で存在
しているのかも知れない。
その辺はデート中の隆夫のセリフの中にも現れていると思う。

相変わらず繭の父・耕介の異常性が目に付く。
強引さは持ち合わせていないものの、やはり親という立場を
利用して溺愛の形が、少々常識から逸しているのか。
あの自宅の壁に掛けられていた後ろ姿の裸の絵は繭だと思って
いたけど、その後からも更に具体性を感じる絵が出てきた事で
ハッキリした。

直子は食事をした事でようやくテープを返してもらえることに
なった。しかしそのテープを返すという動作の中に、藤村は
一種の幻想を描き、彼女の反応を試したものだった。テープと
いう存在が無くても二人が恋愛関係として成立するのかどうか。
ダメだと分かると再び、関係を縛り付けるようにテープの存在
を明らかにする。

繭の1500mは一位では無かったけれど、頑張りましたで賞だった
のか。
繭との約束の前に隆夫の家に兄が訪れる。
隆夫の事を責められるのかと思ったが、このやりとりのイニシ
アチブは兄ではなく隆夫が持っていたのかも知れない。
兄が実家の農業を継がねばならなかったこと。兄は弟の研究員
としての姿を通して理想や夢を託していたこと。弟に嫉妬して
いたというのは確かだと思う。

海が見たいという繭の一声で北鎌倉へ。
新潟の海に行きたいと約束したのは今後の前振りかな。
時計を見て時間を気にする隆夫の行動は、責任者としてもっと
もだと思うが、それが気に入らない繭。
時計を使って上手いこと喧嘩させたり仲直りさせたりするなと
いう感じ。
一晩を共にする中で、どこまで関係が進んだのか気になる所
だが、朝に電車を待つ間にお互いあくびしていたりするシーン
は、恋愛関係に於ける有る意味理想的なシーンの一つなのかも
知れないなと思った。

羽村隆夫 - 真田広之 (生物の教師)
二宮繭 - 桜井幸子 (生徒)
新庄徹 - 赤井英和 (体育の教師)
藤村知樹 - 京本政樹 (英語の教師)
相沢直子 - 持田真樹 (生徒)
二宮耕介 - 峰岸徹 (繭の父)
佐伯麻美 - 中村栄美子 (先輩)
三沢祐蔵 - 小坂一也 (研究室の主任教授)
三沢千秋 - 渡辺典子 (羽村と婚約)
樋口尚樹 - 黒田アーサー (羽村と同じ研究室の同僚)
坂入主任 - 金田明夫 (教師)
宮原志乃 - 山下容莉枝 (地理の教師)
新庄貴広 - 森田洸輔 (徹の息子)
羽村和人 - 三浦浩一
田辺里佳 - 若林志穂

教頭 - 小宮健吾

桜井さつき、金野かなえ、永田美妙、小堺忍、吉田まゆ
関根雪絵、水野洋子、金井良子、駒崎香織、佐藤玲美
加藤貴子、吉村夏枝、江崎まり、山崎満、川口雅代
久留蝶丸

佐藤百起、横尾三郎、栗原佳苗

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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