高校教師
(1993年)

脚本/野島伸司
プロデューサー/伊藤一尋
ディレクター/鴨下信一、吉田健、森山享


第8話 隠された絆


--------------------------------------------------------
朝、隆夫は直子に声を掛けられる。
新庄から直子の手術の件を聞いていた隆夫は体を気遣う。
教生と付き合っているのは本当のことなのかと隆夫に質問する。
もしその噂が本当ならば繭が可愛そうだと告げる。
図書室にいた隆夫は、繭から声を掛けられる。
繭手製の猫の人形。人形は隆夫と繭に例えられていた。
去り際に猫の人形を渡した彼女は、もう私のこと避けないでね
と声を掛けていく。
一方直子は藤村に呼び出される。赤ちゃんの鼓動を聞こうとし
て直子のお腹に耳を近づけるが、堕ろした事実を告げ、もう
言いなりにはならないことを告げる。
そんな中、新庄は家庭裁判所に居た。息子・貴広の親権裁判の
結果、母親に移ったので有った。
--------------------------------------------------------

今回は色々と衝撃な展開があった。

まず隆夫の下駄箱に入れていた"助けて"の犯人が分かると共に
その原因も一度に判明する。
更に今回は教育実習生の里佳の二週間に渡る実習の最後の時と
言うこともあって、必死に自分のことをアピールし存在を認め
させようとするが故に、色々と駆け引きに出る展開だった。

何と言っても冒頭の人形劇が可愛い。
あの再び平穏な日常に戻った感じが、今後起こるであろう事態
の酷さを予感させたけどね。
"私のこと避けないでね"と告げる辺りの縋り付く様子が、まさ
に猫のような感じだね。

隆夫が自分のことをどう思っているのか分からない事もあり、
繭が里佳から発せられた"彼に何をしてあげられるのか"という
言葉や、"相手に求めるだけでは本当の恋愛ではない"という言葉
に不安になる様子が克明に描かれている。
これまでの態度からしてもう少し繭は大人なのかなと思っていた
けど、意外と心は幼く繊細な感じで、いつでも壊れてしまいそう
な感じがよく現れている。

私に何かしてあげられることはないか?と言ったときに、その事
を踏まえてもう少し隆夫も何か言葉を掛けてあげれば良かった
のだけどね。

直子と藤村の関係は、藤村が自宅までやってくるという大胆さ
に驚かされたけど、彼女も藤村の心寂しい一面があの涙によって
伝わったのではないか。これまでしてきた酷い仕打ちを思えば
同情すべきものでもないと思うけど、愛に飢える余り屈折した
表現しか出来なかったという所か。

新庄先生にとっても息子との別れはちょっと寂しそう。
隆夫と一緒に寿司を食べる辺り、なんか男性の寂しさみたいな
ものがよく出ていた。
こういう時こそ直子がいれば元気づけられるのだけどね。

教生の里佳は、必死に隆夫にアプローチ。
繭が居なければ隆夫にとって最高のパートナーに成り得た感じ
はするかな。
繭をカンニングに仕立てる件は有る意味最高の復讐って感じ。

最後に訪れた場面は、繭がモデルとなっている現実を隆夫
に知らしめる展開だった。なんで隆夫が繭の部屋に言ったのか。
虫の知らせが有ったのだろうか。
でもこの事実を見ただけで嫌いになるって事は先ず無いよな。
父・耕介が快く部屋に入れたのも、娘にとっての自分の存在感
を誇示するために、隆夫に見せつけた感じだったね。

羽村隆夫 - 真田広之 (生物の教師)
二宮繭 - 桜井幸子 (生徒)
新庄徹 - 赤井英和 (体育の教師)
藤村知樹 - 京本政樹 (英語の教師)
相沢直子 - 持田真樹 (生徒)
二宮耕介 - 峰岸徹 (繭の父)
佐伯麻美 - 中村栄美子 (先輩)
三沢祐蔵 - 小坂一也 (研究室の主任教授)
三沢千秋 - 渡辺典子 (羽村と婚約)
樋口尚樹 - 黒田アーサー (羽村と同じ研究室の同僚)
坂入主任 - 金田明夫 (教師)
宮原志乃 - 山下容莉枝 (地理の教師)
新庄貴広 - 森田洸輔 (徹の息子)
羽村和人 - 三浦浩一 (隆夫の兄)
田辺里佳 - 若林志穂 (研修生)
玉田亜弓 - 広田玲央名 (自殺してしまう)

教頭 - 小宮健吾

桜井さつき、金野かなえ、永田美妙、小堺忍、吉田まゆ
関根雪絵、水野洋子、金井良子、駒崎香織、佐藤玲美
加藤貴子、吉村夏枝、江崎まり、山崎満、川口雅代
久留蝶丸、栗原佳苗

富田三千代、菊池麻希

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system