未成年 (1995年10月期・金曜22時枠TBS) 脚本：野島伸司 制作：伊藤一尋 演出：吉田健、加藤浩丈、金子与志一

第4話 汚ねェ大人になるように
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甲子園への出場まであと一歩。
決勝戦で開叡が9回裏までリードを保つ中、怪我人の変わりに
出た順平は、外野フライを落球してしまいそのまま逆転負けを
許してしまう。人間一度や二度のミスは誰にでも有るものだが
これだけ注目の場でそれが訪れる事の残酷性を感じる事となる。

その日以来学校を休んでいる順平にヒロはカー子に頼んで励ま
してくれるよう頼む。
カー子は放課後、肉屋を営む彼の自宅を訪ねる。
寂しさに耽りエロ本を読んでいた順平はまさかのカー子の訪問
に驚く。母親も初めて部屋に連れてきた女性だけに興味津々。
順平はみんなの冷たい視線に耐えられないとするが、カー子は
ヒロに言われたとおり、順平を学校へと来させるよう励ます。

一方勤はヒロに瞳が家庭教師と妊娠していた事実を語る。勤は
もう彼女とは会わず、彼女がどうなろうと自分の気にすること
では無いことを告げる。

ヒロの兄・辰巳はもうすぐ卒業だが、ラグビーの名門・神戸製
鋼から声がかかり、そこに世話になる事を決める。モカにそれ
を告げると、食事の管理と精神的なケアが必要だとしてモカに
結婚を申し込む。
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今回も若者達のもがき苦しむ様子が上手く描かれていた。

特に印象的なのはエラーをした順平が、後輩達からリンチされ
るようにしごかれるシーン。
それを知った五郎は目つきが変わり、翌日に殴り込んできて
首謀者でエースピッチャーの水上の腕を折ってしまう。

その後ヒロや順平に五郎との関係を問われて、友人であるにも
関わらずそれを否定しなければならない辛さが心のしこりとな
って息づいてしまうという何とも辛い顛末だった。
何より勉強など出来なくても、友情とか人の繋がりだけは信じて
いるヒロや五郎にとっては、守るべき最低限のものなんだろうね。

かつては形振り構わず、友情を固守する事が出来たのだが、大人
になるにつれてそれが出来なくなってしまう辺りの違和感と社会
的責任の重みが面白いように葛藤を生んだシーンだった。

またヒロは今回自暴自棄の様な状態に陥る。
兄に対するコンプレックスと同時に、今更勉強しても未来など
無いと感じるヒロはモカに辛く当たる。

しかしドラマとして上手いのはそんなモヤモヤ感を払拭するに
値する友人達の姿だった。ヒロたちの居場所が有ることによって
最低限、道を踏み外すことから守っている感じがする。
勤にしてもあらゆる事が禁止され、夢想する事も未来の中にも
自由が無いとする切迫感を上手く解消する場を提供している感じ
がとても良く描かれている。

戸川博人（ヒロ）…… いしだ壱成 (開叡高校3年生)
室岡 仁（デク）…… 香取慎吾 (知的障害)
坂詰五郎（ゴロ）…… 反町隆史 (暴力団の構成員)
神谷 勤（優等生）…… 河相我聞 (有名進学校に通う高校3年生)
田辺順平 （インポ）…… 北原雅樹 (ヒロのクラスメイトで野球部
所属)
新村萌香（モカ）…… 桜井幸子 (大学生)
安西加代子（カー子）…… 遠野凪子 (ヒロ、順平のクラスメイト)
田畑 瞳（ひとみ）…… 浜崎あゆみ (有名女学校に通う才女)

戸川辰巳 …… 谷原章介 (ヒロの兄で萌香の恋人)
アリサ …… 朝岡実嶺 (五郎の恋人でソープ嬢)
戸川芳史 …… 西岡徳馬 (ヒロ、辰巳の父)
新村武郎 …… 宇梶剛士 (萌香の兄で刑事)
見城雅宏 …… 小木茂光 (心臓外科医)
梅原幹雄 …… 寺田農 (テレビ局のディレクター)
サオリ …… 大寶智子 (萌香の友人)
神谷真紀子 …… 高林由紀子 (勤の母)
室岡邦博 …… 六平直政 (デクの父)
室岡貴子 …… 山本道子 (デクの母)
田辺　健 …… 阿南健治 (順平の父)
田畑洋造 …… 勝部演之 (瞳の父で国会議員)
田畑裕子 …… 田島令子 (瞳の母)
牛島洋平 …… 森本レオ (考古学教授)
小池唯一 …… 浅野和之
倉本ユリ …… 木内美穂 (辰巳の遊び相手)

前田昌明、中村方隆、武川修三、築山万有美、後藤康夫
滝雅人、小林香代、小川信太郎、沢田雄吾、沢田大法
ぱくゆう、平野慎也、伊藤圭介、森翔吾、鈴木一也、宮島章
矢沢健一郎、笠間恭子、金永慎美

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評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)