世界で一番君が好き!
(1990年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本: 松原敏春
音楽: AKIHABARA ERECTRIC CIRCUS
プロデュース: 山田良明、大多亮
演出: 光野道夫、中野昌宏、本間欧彦
「今すぐKiss Me」LINDBERG

http://www.bsfuji.tv/top/pub/sekaide_ichiban.html





第4話 寒い時は僕がキスしてあげる
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公次はちひろがバージンから卒業したいとして、ホテルで待って
いると言われた事に関して、華に相談するが、華は我慢しない
で自分で行ったらどうか?という。万吉ならばなんとかして
くれると呟くと人に頼るのかと華から言われ、一人彼女の待つ
ホテルへと向かう。
華は公次がホテルに行った事を受け、気持ちが落ち着かない中
で万吉に、またこれからプールに行かないかと誘う。

公次はちひろが待っている1303号室のドアを叩くと中に入る。
公次は彼女にからかっているのだろう?とし、こんなの自然じゃ
ないという。
体の関係に至るのが簡単すぎるとし、今すぐホテル
から出ようと告げる。ちひろは彼に私はそんなに魅力が無いのか
と問うと、
十分魅力はあると訴える。ちひろは単なる通過儀式
で卒業式だとするが、公次はここに来る事を華にも話した事を
告げ変わりに来てもらうとした事を告げる。私たちが
こんな
事をしているのを華に知られたら困るか?
と問い、向こうも
今頃万吉とそういう事をしていると告げるが、公次はそういう
気にはなれないと告げる。こっちの意思が無いまま関係を
持つのは良くないとし、気持ちや意思が大切だという。卒業式
というのであれば、もっと時間をかけてやれば良いとし、焦ること
は無いと訴える。
ちころと公次はホテルをチェックアウトすると、フロントに居る
所を邦彦に見られてしまう。

万吉と華、そして恵は三人でプールにいく。
万吉がプールで泳いでいる間に恵は華と会話する。
私と公次とではダメなのか?と呟くと、いつも私は出遅れてしまう
と吐露する。しかし華はあんたは何もやっていないと指摘する。
ちひろのような新人類には行動力で負けると言うと、華は恵
に見合いでもして相手を捜したらどうかという。貴方は万吉が
居るから余裕ねと告げる恵は、先に帰ってしまう。

ちひろは今日、卒業は出来なかったが一つ収穫が有ったという。
公次が私の事を十分に魅力的だといってくれたのはホントの事
でしょ?とし、別れる前にもう一度その言葉を言って欲しいとい
うちひろ。公次は話した後に言わなければ良かったかと違和感
を覚える。

プールの帰りに万吉と華は屋台でおでんを食べに行く。
華は万吉が気持ちよさそうに泳いでいたのを指摘し、今度は
自分も泳ごうかと語る。万吉はプールによく熟年夫婦が来ている
が、互いに人生の荒波を越えてきたであろう人たちが寄り添って
泳いでいる姿を見て、理想的に思っている事を語る。そして自分
は華との関係を将来を見越して考えている事を告げる。
華は正月までは全く見知らぬ間柄だったのに、今はこうして
一緒におでんを食べている姿を語り、今思うと
なかなか未来の
事は見えないもの
ねと語る。万吉はそれでも
自分の力で何か
を起こすことは出来る
と告げる。

出社するとちひろは華に夕べのホテルの件で、華さんは公次が
来た事を知っているのでしょと尋ねる。ちひろは華にこの件で
は、いずれ分かるにしてもそれまでは誰にも話さないで欲しい
と頼む。今、私は最高に幸せなのだと語ると、華は複雑な心境
に陥る。

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公次と華、互いに少しずつ意識する中で、互いに我が強いこと
も有り、牽制し合う事でなかなか距離が縮められずにいた。
そんな中で互いに別の人物から好意を寄せられ、意中の相手
とは違う人物との関係を進めていってしまう。

ドラマの定番といえば定番だけど、意中の相手が関係を持つ事に
心で違和感を感じながらも、現状では黙視していなければならない
事が描かれた。嫉妬心をかき立てる事で改めて自分が誰の事を
求めているのかを徐々に盛り上げていくというところなのだろう。

ナレーションは何時の頃からかちひろが担当しているけど、
今回はほぼちひろ劇場化していた感じにも思える。

華と公次、互いに別れた元彼・元彼女が彼らの視界の中に再浮上
した事もあるし、群像劇らしく、パーティーしたりみんなで
後楽園のリンク場までアイススケートをしにいくところなど、
イベントを発生させて共有感を演出した。

公次と華の絡みも面白く、華が自転車を盗まれるシーンは
コメディチックな描写だったし、自転車が盗まれる直前に
二人が互いに入ったスーパーでのスレ違いのシーンなどもまた
面白い味付けがして有った。

万吉が華に対して、気持ちが無いと分かりつつも、華の気持ちが
こちらに向くまで待つとした事で誠実さを感じるし、公次と
ちひろの間でも気持ちの問題を引き立たせて、問題を先送りした
感じにも思えたけど、ちひろの誕生日のイベントによって、
関係を持ってしまったことで、かなり華との関係が遠ざかって
しまった事は確かだった。

しかしちひろの恋は重いな。
何度も彼の前で"死んじゃうから〜"と口にしていたけど、思い込み
も激しい子なので、色んな意味で怖い。互いに好き合っている
時は良いと思うんだけどね。傷ついたときにこのキャラクターは
ホントに実行に移しそう。

向井華 …… 浅野温子 (29歳、World Tourist)
山村公次 …… 三上博史 (28歳、Nelson Japan co inc.)
杉本ちひろ …… 工藤静香 (21歳、World Tourist)
小笠原万吉 …… 布施博 (住宅設備会社"ローブ"、トイレ)
篠木邦彦 …… 風間トオル (公次の後輩、女性について説く)
河合英一 …… 益岡徹 (華の元彼、大阪転勤になり遠距離で別れる)
和田早苗 …… 財前直見 (公次の元彼女)
佐伯恵 …… 石野真子 (World Tourist)
マスター・小泉リュウゾウ …… 中条静夫 (ルイジアナハリケーン)
ミユキ …… 中村れい子 (ルイジアナハリケーン)
万吉の部下 …… 中山秀征 (住宅設備会社"ローブ")

田村元治、河野智是、松永博史、山口純平、佐藤百起
有馬敏郎、大矢ゆかり、大内美和子、金子小百合、小野岡理恵
進藤浩

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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