ロングバケーション 〜Long Vacation〜 (1996年4月期・フジテレビ) 脚本：北川悦吏子 演出：永山耕三、鈴木雅之、臼井裕詞 プロデュース：亀山千広、杉尾敦弘

第6話 KISS
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夜中に涼子から泣きながら電話が有った瀬名は彼女のアパート
へと足を運ぶ。車で送ってくれる南は行くのを辞めないかと
告げる。
瀬名は涼子に会うと彼女から好きな人が居るので先輩とはつき
あえない事を告げられる。瀬名は反論することもなく分かった
として立ち去ることに。南がアパート前で待っていた。
彼女は彼を慰めるように色々と声をかける。最後の一本のタバコ
を彼に手渡し、気持ちを落ち着かせようとする。

瀬名は翌日、佐々木教授の元を訪れ、ピアノで生きていくために
自分は変わろうと思うことを口にする。このままだと子供に
ピアノを教えるだけで終わってしまいそうな気がすると。
プロになるために人前でピアノを弾こうとしているが、自然に
誰かのために弾きたいと思うようになってこそ変わったと言える
ものだと思うと教授から云われる。

南は創文社からの面接の結果が速達で送られてくるが落ちて
しまう。
一方帰りがけに瀬名はキャンパスで涼子を見かけるが、彼女は
何も言わずに立ち去ってしまう。

南は杉崎と一緒に映画"恋する二人"を見に行く。食事は真二の
働く店に立ち寄る。南が面接に落ちたことを悟った杉崎は彼女
に自分のアシスタントとして働かないか?と声をかける。
面接で落ちた彼女に例え格好悪くても南は南だと声をかけられる。

南は帰宅すると瀬名が部屋にいない事を気がつく。屋上に居る
と悟り自らも屋上へと足を運ぶ。
瀬名は自分のことを星を輝かすために存在する闇のようだと表現。
南は23社目の面接に落ちたこと、そして杉崎からアシスタントと
してこないかと誘われたことを話す。写真のことなど分からない
し、もう31才だと告げるが、瀬名は遅いという事は無く、また
新しいものを見つければ良いと励ます。そこに居る内に何かを
見つけ出すかもしれないとして彼女に語りかける。
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涼子に振られた瀬名の事を気遣う南。
涼子が好きなのは真二である事が判明して行く中で彼はどんな
行動を取るのか。

最初の頃の南は他人に対する気づかいもなく土足で入り込んで
来ていたけれど、ここにきて人一倍気づかいキャラクターに変貌
している。

振られたり面接から落ちたりして本人は格好悪い姿を見せていると
思いきや、見る人によっては良いも悪いも全てはその人本人で
有るとして受け入れていること。
見守ってくれる人の居ることの有り難みなんかも感じる話だった。

かつての展開の中で瀬名と涼子が笑いや感動のポイントが違うと
悩んでいたが、今度は南と杉崎の間でも同様の展開が訪れた。
その後に瀬名と南のポイントが同じ事が描かれるという、如何に
も相性が良いとする展開だったが、徐々に二人の結び付きの良さ
が描かれることで意識し合う展開へと変わっていく。

今回はなんといきなりキスするという暴挙に出たが、今回のキス
の仕方を見るとまだまだ恋愛感情が有ると言うよりも、同情や
振られた事への慰め的意識も強く、即二人の関係が近づくとは
ならないだろうことが伺える。

しかし桃子の役目は、この時代の稲森いずみの典型的な役柄で
何も考えていない様なキャラクターでいて、実はよく人間を
観察しているなと思わせる。瀬名は南の友人でしか無い関係
なのに突然ピアノ教室まで訪れたり、次の瞬間には涼子のアパ
ートにまで足を運ぶ。突飛な行動をする彼女だけど、こういう
キャラクターでも居ない限り涼子が行動に実際に移すのは時間
の掛かりそうな事だからね。

瀬名秀俊 …… 木村拓哉 (芸大出身、現在ヤマハピアノ教室勤務)
葉山南 …… 山口智子 (モデル事務所。31歳)
葉山真二 …… 竹野内豊 (元ピアニスト)
奥沢涼子 …… 松たか子 (芸大生)
小石川桃子 …… 稲森いずみ (モデル事務所)
氷室ルミ子 …… りょう (真二の彼女?)
斉藤貴子 …… 広末涼子 (ピアニスト志望の中学生・2話&3話)

杉崎哲也 …… 豊原功補 (カメラマン、南に好意を持つ・4話から)
斉藤哲也 …… 小林すすむ (モデル事務所"G.N.D プロモーション")
佐々木教授 …… 森本レオ (大学教授)
椎名いづみ …… 建みさと (モデル事務所・新人)
小田島和久 …… 津嘉山正種
倉田 …… 井上豪 (秀俊の先輩)
朝倉コウヘイ …… 伊藤芳則 (南と結婚式当日にドタキャン)
杉田 …… 角田よしこ (ピアノ教室の従業員)

真実一路、井上淳、田口タグ、山下喜美恵、Section-S

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)