眠れる森
(フジ・1998年度10月期・木曜22時枠)

原作・著者 - 野沢尚
プロデューサー - 喜多麗子
企画 - 亀山千広
演出 - 中江功、澤田鎌作


第6話 真犯人

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直季は吉春の事を聞きに和彦の元に行っている事を敬太は輝一
郎に報告する。敬太は輝一郎に何故二人の情報を追うのか尋ね、
実那子を守るためだという彼に本当にそれだけなのか?と問い
詰める。彼は余計な詮索はするなと一蹴する。

和彦の元を訪れた直季は、吉春が何処にいるのか尋ねる。
被害者家族に線香をあげたくて住所を聞いた際、都内の植物園
に勤めている事を聞いたのでその事を話したという。

実那子は裁判の公判を読むが不可解なことが有った。
何故三人も殺害している吉春は私に対しては何もせずに逃げた
のかという点。犯人の顔を見ているにもかかわらず何もしない
のは不自然ではないかという事。

直季は玉置和良の元を訪れる。吉春とは同じ房にいた事。
あいつには奥さんがいる事。その相手は妹・春絵であるという。
春絵は吉春から探しに来る人が来ても会わなかったことにして
くれと言われるが、彼が何をするのか恐いこともあり話して
しまう。いつか所帯を持とうと言っていたこと。別の人間に
なると言っていたこと。さらにあいつに相応しい地獄を考えて
いると言っていたこと。戸籍を買って別人になろうとしている
のか?

直季の元に由理がやってくる。私は直季に抱かれに来たという
彼女。手の届かないものに固執するのではなく、手に届く者
を抱きしめれば良いという由理。直季が気にしている相手が
向かいに住む実那子で、ちょうとその時彼女が帰宅したのを
知ってベランダから挨拶する由理。直季は憤り、彼女を強引に
抱くのだった。
人を好きになるというのは凄く痛い事なのねと由理。その痛み
に耐えられるだろうかと。直季は耐えられそうなのかと尋ねる。

輝一郎はオフィスで一人残業していると母親の影を見掛けて
追い掛ける。屋上にまで追い掛ける。バニラエッセンスの臭い。
貴方のことをずっと見ていたという母。実那子は綺麗になった
わねというと、輝一郎にあの時貴方に言ったわよねと語り
かける。母親の絵を描く際に、絵を描く為には必要なものを
教えられ、心に何も届かないという事は、別に心を惑わす人間が
居ることだとして、そういう人間が居ることを母は許さないと
子供の頃に輝一郎に語ったことを思い出す。15年前の事件の日、
母親は何処にいたのか・・・
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一家を殺害した犯人には三つのケースが考えられる。

国府吉春が犯人説。
これは実にオーソドックスなパターン。動機は両親に結婚を
許されなかったこと。クリスマスイブの日に駆け落ちする事を
画策していたことを知る。

輝一郎の母・麻紀子が犯人説。
息子・輝一郎を溺愛する余り、彼が愛する女性を殺害すると
いう母親の異常な性愛によるもの。

実那子が犯人説。
今回フラッシュバックで見た映像は、これを裏付けるものだった。
鏡に映る自分の姿。包丁を持ち血しぶきを浴びた跡が有ること。
第一発見者の吉春は彼女を守るために身代わりになったのか。

久しぶりの由理登場。

直季が相変わらず実那子に固執しているために、捨て身の攻撃。
更には植物園で働く実那子の元にも会いに行った。
ただこれで直季と実那子の関係が分かったのではないか。
愛するというものを越えた二人の結び付きを。

輝一郎と直季。

二人共に実那子の事を昔から見守ってきた役柄だと判明。
輝一郎犯人説はこれで消えた形だが、二人が別の角度からそれぞれ
実那子を見守って生きてきたというのが面白いシチュエーション
だね。
不幸な境遇の実那子だが、見守ってくれる人が居ること。しかも
それが二人のイケメンって事で満更でもない展開が用意されている。

実那子の記憶は決して洗脳されただけではなかった。

実際の実那子も男性らしいが存在していたり、野球をしたりする
人物で有ったこと。人の世話好きで自分は損をするタイプで
有ったという。

大庭実那子 …… 中山美穂 (27・植物園「オーキッド・スクエア」)
(幼少時代 …… 井端珠里)
伊藤直季 …… 木村拓哉 (25・ライティング演出)
(幼少時代 …… 長谷川純)
濱崎輝一郎 …… 仲村トオル (35・九条物産)
中嶋敬太 …… ユースケ・サンタマリア (25・直季の幼馴染み)
(幼少時代 …… 風間俊介)
佐久間由理 …… 本上まなみ (23・直季の恋人(期限付き))
玉置春絵 …… 横山めぐみ (33・中華街)
伊藤直巳 …… 夏八木勲 (55・直季の父)
濱崎正輝 …… 岡田眞澄 (66・画家)
濱崎麻紀子 …… 原田美枝子 (失踪当時33)
国府吉春 …… 陣内孝則 (35・仮出所中)
玉置和良 …… 山路和弘 (春絵の兄。現在は中華料理屋)
中村 …… 田山涼成 (植物園の園長)
森田明仁 …… 牧村泉三郎 (実那子の親)
祥子 …… 長嶺尚子 (植物園・実那子の同僚)
芹沢 …… 本間憲一 (直季の上司)
武藤 …… 佐々木勝彦 (輝一郎の上司)
大庭善三 …… 信実一徳 (実那子の育ての父親)
森田加寿子 …… 井上夏葉 (実那子の実母)
森田貴美子 …… 南美穂 (実那子の姉)
康子 …… 泉晶子 (群馬県・中之森の教師・車椅子)
国府和彦 …… 坂西良太 (吉春の親戚)

吉川一貴

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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