オヤジぃ。 (2000年10月期・TBS) 脚本：遊川和彦 演出：清弘誠、吉田秋生、片山修、佐々木雅之 プロデューサー：八木康夫 演出補：佐々木雅之、波多野貴文、山室大輔、田中大二朗 プロデューサー補：壁谷悌之 http://www.tbs.co.jp/drama_archive/oyajy/oyajy.htm

第5話 独裁者の涙
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朝、正やすずを起こしに来る母・美也子。
朝食の席には小百合の姿がなかった。父は明らかに小百合の
話題を避けていた。この前すみかが病院に来たことを告げる。
付きまとわれているだけだという正。
正はすずも妊娠を疑うが、そんな心配は必要ないというすず。
博が未だに体の関係を求めてこないことについて、正は相手に
女が居るのかホモなのではないか?と告げる。
完一も結婚を諦めて就職の事を考えろとすずに告げる。
一方電話が鳴る。母親が電話に出るが相手は小百合だった。
学校の近くにアパートを借りたという小百合。父親と話がした
いとして電話口に父親を出してくれるよう頼むが、父親は小百
合からの電話だと分かると二度と電話をするな、お前とは縁を
切るとして電話を切ってしまう。

聖ヨゼフ学園初等学校の校門前。
小百合が教師として勤めている小学校の前で、ゴローは心配
して彼女が出てくるのを待っていた。父・完一もフラフラ〜と
偶然を装いやってくる。完一はゴローが娘の妊娠の事実を知っ
ていることに、お腹の父親では無いかと疑う。ゴローを帰すと
今度は学校の中から真知子がやってくる。近所に住んでいると
誤魔化す彼女。完一は小百合が出てくるのを見てそそくさと
帰ってしまう。真知子はそこで始めて小百合の父親が完一であり
その時、完一の妻・美也子もやってきて家族の姿を目撃する。

美也子は小百合のアパートに来る。戻ってくるよう説得する。
そして小百合の子の父親の件を尋ねるが一向に口を割ろうとは
しない小百合。荷物は自分で家まで取りに来て父親にも話しを
しなさいと語る母。

一方正は模試の結果がまたしても悪かった。志望校は絶望的だ
と言われ落ち込む。そんな時、東大を目指す正の憧れの女性の
名前がケイコである事を知る。すみかもまた予備校に来ており
冬季講習の申し込みをしていた。正を見つけてすり寄ってくる
すみか。彼が医大を志望していることを知りすみかは私も看護
師になろうかな〜と告げる。しかし彼が落ち込んでいるのを
見て医者になりたくないのではないかと察する。それを問い詰
めると正から、父親が今の病院を構えるまでの苦労を語り、
汗と涙の結晶である病院を継がない訳にはいかない事を語る。
するとすみかは難しいことは考えず、自分のやりたいことを
やれば良いと語って聞かせるのだった。
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今回は正がメインの話だった。
すずという名前に付けられた意味を以前に語られたけれど、
今度は正という名前に込められた名前の意味を知る。
五人家族の全てが揃ったという意味合いがあり、数を数える
ときに記す"正の字"が由来だという。

正は冒頭から成績のことを言えずにオロオロする姿。
母親には語りたいような素振りを見せて父親の姿が有ると
途端に誤魔化してしまう。しかし最後に言い争いになった事に
乗じて感じている事を全て洗いざらい吐き出す。

珍しくすみかとの会話に於いて、真摯な話し合いになったとこ
ろも興味深い場面だ。普段はおちゃらけている彼女も相手が
真剣だと分かると途端に親身になる。一見無責任なように
自分のしたいことをすれば良いと語られるが、今の正にとって
最も掛けて欲しい言葉を受け取った感じだね。

正は事ある毎に小百合に助言を求める。
小百合がアパートを借りた事は有る意味、正らに逃げ道という
ものを用意した形でとても良い場所を設定したなと思う。
小百合から親に生き方を認められて始めて大人になるという
語りがまた的確に問題を指摘していて良かった。

すず周りの件では博がホモ疑惑を払拭するために、男っぽい服装
をしてくる彼の姿があった。こうまでして誤魔化している所を
見ると現実にホモなのかゲイなのか。

完一と真知子のやりとりも面白かった。
この二人のやりとりは有る意味ホッとするものが有る。
完一が無責任な親の行動を責めたり、シングルマザーを標的に
したりする発言を繰り返すが、完一にとって念頭に置かれている
のが小百合であるにも関わらず、同じ境遇の真知子の癇に触れて
しまう辺りの展開の妙も十分感じるものだった。

神崎完一(55) …… 田村正和 (父、開業医)
神崎すず(21) …… 広末涼子 (次女、短大生)
神崎小百合(27) …… 水野美紀 (長女、私立の教師)
神崎正(19) …… 岡田准一 (長男、予備校生)
大平ゴロー(31) …… 加藤浩次 (青空製薬の営業)
すみか(18) …… 矢沢心 (ガングロ女子高生)
温子(25) …… 今井陽子 (完一の病院の看護師)
国東博(31) …… 及川光博 (三友商事、東大出身、すずの彼)
松嶋幸介(47) …… 山口祐一郎
君塚真知子(30) …… 石田ゆり子
神崎美也子(47) …… 黒木瞳 (母)
ガンジー …… （犬）

国東裕治 …… 中丸新将 (父、通産省の高級官僚)
国東智恵子 …… 松本留美 (エッセイスト)
君塚進太郎 …… 高橋隆大 (息子)
産婦人科医 …… 広岡由里子 (川勝産婦人科)
教頭 …… 須永慶 (小百合の勤める私立小学)

原ひさこ、櫻庭博道、小林由佳、相田美和、小宮理英
蔵近泰子、水稀美那、高橋賢人

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)