相棒・警視庁ふたりだけの特命係
Pre Season (2000年6月3日)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一、須藤泰司
脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
音楽:義野裕明
制作:山田光男

相棒全エピソード

第1話 刑事が警官を殺した?赤いドレスの女に誘惑され・・・死体
に残る4-3の謎とは?

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新大橋のめしや食堂で籠城事件が発生する。
人質は一名で犯人は銃を所持している。
帝都新聞社会部記者の
奥寺美和子は帰社すると、社内が騒然
としている事に気がつく。人質事件で刑事が人質になっている
のだという。
警視庁では、
内村にも事件の報告が入る。人質が警察官だと
知ると、手荒に処理しても構わないと告げる。

マスコミも現場で事件の詳細を取り上げる中で、人質となる
亀山薫と犯人の阿部貴三郎(38歳)が出てくる。薫に銃を突きつ
けつつ、警察官達に向かって逃走用の車両を用意するよう要求
する。

薫は食事のためにこの食堂に入った際に、偶然指名手配中の
阿倍の姿を目撃。捜査一課の
金子警部にそれを報告し、伊丹
刑事が現場に駆けつけようとしていた。しかし薫は食事を
終えて外に行こうとしていた阿部を逃げられる前に逮捕しよう
とするが、犯人は銃を所持しており、あっさりと逆転されて
しまったのである。

犯人は警察に早く車両を用意しろと苛立ち発砲する中で、
薫の携帯に電話が鳴る。阿部もこのままにしていると電話の
音がうるさいとして、電話に出るのを許可する。するとかけて
来たのは、テレビで籠城騒ぎを見ていた生活安全課・特命係の
右京からだった。右京は薫に対して、自分が電話で犯人と話し
をしている隙に制圧するよう告げる。右京は犯人が電話口に
出ると、大音量のクラシックを流し、驚いた隙を見て薫は
犯人を制圧するのだった。

しかし薫は刑事でありながらも人質になるマヌケの刑事との
レッテルを張られ、特命係にシマ流しになる。

早速薫は特命係にいくと、右京がAVを見ているのを目撃。
保安課が押収したビデオのチェックをしており、特命係は
命じられれば何でもするのだという。
薫は右京に助けてくれたお礼に、実家が造り酒屋なので酒を
持ってきたという。しかしお礼を言われる筋合いはないとし、
テレビに写る薫の姿は、とても刑事の姿と思えなかったとの事
だった。それに刑事の
室谷はタカ派としても有名で、失墜して
いる警察の復権の為に、凶悪犯には断固たる措置として、あの
ままだと狙撃される可能性があったという。右京は犯罪者は
法によって裁かなければいけないと語る。

薫は同棲している美和子に右京のことで愚痴を告げる。
しかし美和子が調べたところによると右京は昔捜査二課の
敏腕刑事で、切れ者過ぎるために疎まれて左遷されたのだとい
う。過去に右京の下に付いたものは、6名が辞めているのだと
の事だった。

薫は仕事を終えると、
バー"リフレイン"に酔った状態で来店
する。マスターの
早川純弥(35歳)に愚痴を告げる薫。
薫はいつの間にか寝てしまうと、隣には
赤いマニキュアを
した髪の毛の長い大柄の女性
が座っているのを、意識朦朧と
した状態で確認するが・・・

翌朝薫は目覚ましの音で目覚める。
しかしそこは自宅ではなく何者かのアパートのベッドの上
だった。部屋を調べるとなんとそこには男性・
松原俊輔(30歳)
果物包丁で刺されて亡くなっているのを見る。

すぐに鑑識が入る。右京や捜査一課の伊丹、そして鑑識課の
米沢らがすぐに部屋を調べる。遺体は4カ所刺されており、
そのウチの心臓に刺されたものが致命傷だと分かる。
右京はタンスから服を見つけると、なんと
被害者は所轄の
警察官
・松原だと分かる。部屋には多額の金が散乱していた。
しかし無断欠勤しているハズなのに、何故誰からも電話が鳴ら
ないのか?

薫は伊丹達から事情を聞かれる。
自分はあの女にハメられたのだと主張。女性の特徴を話す。
果物ナイフからはなんと薫の指紋が見つかったと報告が入る。
松原の付き合っていたであろう女性・
小泉綾子が行方不明で
ある事も分かる。

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■最初の相棒

プレシーズン版という事で、今見ると少し違いが有る。
しかしこの時代から殆ど設定としては一貫したものがあり、
違和感が殆どなく見られる辺りは本当に凄い。
相棒が始まる前に、相当設定の面でスタッフたちの間で煮詰め
たのだろうか。その世界観の一貫したところが相棒の良さなの
かもしれない。

■米沢にまだ名前がない?

この頃の米沢さん、髭を生やしています。
しかも右京とはまだ面識が無く、互いにやりとりが冷めた
感じがしている。

■伊丹の相棒

相棒は斉藤刑事だった。上司は金子警部。
今では内村や中園が命令を下している姿があるけど、この
時代には金子がワンクッション置いていて、内村達はあくまで
上層部の役割。
またPREシーズン2以降、三浦刑事が伊丹の相棒となるが、
三浦役の大谷さんは、この時点では室谷刑事役で密かにクレジ
ットされている。

■美和子と薫

学生時代から付き合い10年。少し互いに倦怠感がある。
混乱を生じてそのどさくさ紛れにプロポーズするが、当然
ながら上手く行かない。
でも薫の為に美和子が右京に、薫をいじめないでと言いに
行ったり、エレベーターで右京と乗り合わせた美和子が、
右京の足を思いきっり踏んでいく所は、今では考えられない。

■右京とたまき

二人の関係について言及する事があった。
結婚生活は1年。とても頑固で不器用であまのじゃくで、夫婦
関係としては最低だったと語る。
右京が店で眠っていたり、やたらとタバコを吸っている辺り
レギュラーシーズンでは考えられない演出かも。
たまきの店が"新ふくとみ"であるのも違うね。店には従業員が
居るし、お座敷が有って結構広い。


■第一の殺人、第二の殺人

アパートで殺害されていた松原。ショットバーで殺害されて
いた早川。
松原事件は彼の女性・綾子が二人の関係をビデオに収められて
いたことに憤怒して殺害してしまったと自供するが、実際には
彼女が刺したナイフが致命傷ではないことが判明する。

早川殺害に関しては、自殺したように見せかけられるも、
自殺に使用した銃はロシア製のトカレフだったという事。
そして被害者は左利きのハズなのに、銃を右手で持っていた
事が疑惑を持たす原因になる。

■薫が見た女性とは?

すぐに早川が犯人で、男性が女装している事は明らかだった
けど、それをどのように証明していくのか。
一番簡単な証明の仕方は、早川が泥酔する薫をアパートまで
運んだ目撃証言を得る事じゃないのかという気がする。
皮肉にも早川が偽装することになった原因は、金子警部が
アパートに入る所を住民に見られていないか不安になった事で
あり、早川自身がそれを打ち消そうとして、自分がそんな
目立つ行動をしても良いのか?という突っ込み処が存在する。

■犯人の決め手

犯人しか知り得ない情報を語らせるというのが相棒の常套手段。
報告していない事実を上司の金子が知っていたことで、
事件は解決に向かう。

杉下右京 …… 水谷豊 (特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)

大木長十郎 …… 志水正義 (生活安全課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (生活安全課)


金子警部 …… 勝部演之 (捜査一課)
早川純弥 …… 甲本雅裕 (バー"リフレイン")
小泉綾子 …… 中村綾 (早川の恋人)
阿部貴三郎 …… 武野功雄 (指名手配犯)
松原俊輔 …… 近藤弐吉 (巡査、悪い奴)
室谷警部補 …… 大谷亮介 (上司)
斉藤刑事 …… 大樹 (伊丹の相棒)

さいとうさくら、中沢青六、田村泰二郎、上田茂
長沢一樹、松相敏夫、作原利夫、藤田浩史、広沢好輝
中島栄治郎、横山晃、佐竹伸雄、横山力、緒方美穂、高橋俊明
佐名木一實、高橋貢、石月孝直、曽田優、久原一真
脇田和実


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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