相棒・警視庁ふたりだけの特命係
Pre Season (2001年1月27日放送)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一、須藤泰司
脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
音楽:義野裕明
制作:山田光男

第2話 恐怖の切り裂き魔連続殺人!
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9月30日、頸動脈を切られた女性の遺体が発見される。しかも
現場捜査をしている時に更に別の建築現場で遺体が発見された
と報告がある。

そんな現場とは余所に右京と薫は、特命係で暇を持て余す。
捜査一課は今頃オレを出したことを後悔しているだろうと呟く
薫。そんな中、薫達の元に角田が仕事を手伝って欲しいと
頼みにくる。
世田谷区千歳船橋駅近い住宅地のパークマンションに箕浦喜久
子という女性が住んでいた。彼女は逃亡中のシャブの売人・
菅原謙次の愛人であり、逃亡中の彼が立ち寄る可能性が有ると
いうのである。
彼女の部屋が展望できる向いのアパートの一室を拠点として
借り犯人を監視する右京と薫。そのアパートの部屋は今宮典子
という高校生が住んでいる所で、警察が協力を求めたので有る。
そんな中、逃亡中の菅原がやってきた事で、薫は逃走を阻止す
るためにアパートの前で待機。右京は角田達に連絡を取り、
到着するのを待つ。
しかしそこに典子の友人たちが多数バイクで訪れ、その騒音に
菅原が気がついてしまう。犯人は逃走し、公園まで追い掛けて
いくと、公園にはまたしても女性の遺体が見つかる。

現場には東京地検の市村麻衣子や浅倉禄郎、そして鑑識課や
殺人課一課の刑事達、更にはマスコミも多数訪れる。マスコミ
の中には帝都新聞記者・奥寺美和子の姿もあった。
現場検証を行うと、これまで4件有った殺人事件と同じ手口で
あり5人目の被害者である可能性が高まる。右京は5人目の被害者
が出るのならば今日だと言う。

薫は何故右京が犯行日を特定できたのか分からなかった。
右京に尋ねると、1888年ビクトリア朝時代にロンドンで起こった
切り裂きジャック事件を告げる。あの事件は8月31日から11月8日
までに起こった事件で、合計5人の被害者を出したのだという。
そして5人目の殺人事件は今日起きたのだという。
1人目8/31、2人目9/8、3、4人目9/30、5人目11/8。全てロンドン
と一致しているとの事。9月30日に起きた事件は2人の被害者を
出したために気になって調べたら、切り裂きジャック事件と
同じだった事を知ったという。
米沢は右京や薫の下足痕を取りに来る。

現場に居た東京地検の浅倉と、美和子、そして薫は大学時代の
友人だった。薫と浅倉は同じ法学部で有ると知ると右京は
驚く。
5人の犯行に共通するのは、全て女性であること。そして性的暴行
を受けていないことだった。
右京は5人目の犯行現場を見て一つ疑問を感じる。
被害者のスカートのファスナーが半開きになっていたのである。
一見すれば誰が見ても暴行を受けた跡だと思われたが、違って
いたのである。

薫と美和子と浅倉は屋外で星を眺めながら一緒に酒を飲む。
薫と美和子は同棲しているにもかかわらず結婚しない事を話題
にする。また浅倉は約束した相手の女性・本間絵美(26歳)が
結婚する直前に交通事故で亡くなった事を語る。

右京はたまきの働く小料理屋へいくと、彼女に女性ならではの
意見を求める。普通サイズの違うスカートなど履いたりする
だろうかと。しかしヒントは得られなかった。

右京と薫は浅倉の元に行く。そこでも話題はスカートの事に
なる。元々履いていたスカートに重大な痕跡が残っていたの
ではないか?という。しかしそれならば履き替えさせる必要は
無いのではないかというもっともな意見が出てくる。
浅倉は右京が噂通り余計なことに首を突っ込む人だというが、
そのお陰でスカートの件に気がついた事を告げる。

右京と薫は被害者の共通項を探る。それぞれ被害者は、OL、
主婦、薬剤師、主婦、デパートガールをしている。共通するのは
女性で少し綺麗な感じの人たちだという。しかしそれ以上の事
は分からなかった。

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5人の被害者女性を出した切り裂きジャック事件

5人の女性に共通する物とは一体何なのか。
ドラマとしては援助交際していた中野区立栄小学校教師の
佐伯隆弘が証言したことで、捜査が進展していく。
しかし今宮典子が援助交際していたというのは驚き。
こんな美人が・・・

事件の着眼点はスカートのサイズの違い

この不可解な事へのヒントは、"花の里"でアルバイトしていた
典子によって与えられる。幾ら死体であっても女性として下着
を露わにする事への躊躇いが有ったのではないかということ。
女性が女性を気遣う行為だと考える。
そして暴行されていない理由も容疑者が女性なのではないかと
疑う。
購入したスカートが公園近くのコジマというショップで、店主は
購入したのが赤い車でスニーカーを履いた女性である事を証言
する。

検事の市村の失踪。

突然容疑者が女性ではないかと知れたと同時に彼女の姿は、
消える。しかし後日海から遺体が発見される。
その時に着眼されるのは、スニーカー以外の靴が無いという点。

検事の浅倉と市村の関係

徐々に疑いは浅倉へと向けられる。
二人の関係を表す物として、市村家を捜索した際に照明のスイ
ッチに着眼する辺りはありがちだが、右京は良く周りを観察して
いるね。公私は区別しているという浅倉の証言はすぐに切り崩
された。

薫は右京の土足で踏み込む態度に激怒する

親友の浅倉が疑われたと有れば、確かに怒るのも無理はないか。
まだプレシーズンの頃は結構薫は右京の捜査法に対して疑問符
を投げかけるシーンがある。

典子の目撃証言によって一気にドラマはクライマックスへ。

殺される直前に市村から右京宛てに小包を送っていた。
それが上手く物証として犯人を追い込む決定打となる。
典子が縛られつつも薫に電話した所が良かったが、携帯がまた
時代性を感じさせるものだったね。

浅倉の過去

売春婦を憎む原因としては、母子家庭で育った事情が有る。
母親が売春していた事で、そんな行為をしている女性を許せなく
なったようだ。母親さえも車のブレーキを細工して殺害。
北海道に居た頃には婚約者も殺していた。
検事として赴任した先々で未解決事件が起こっているなど、
相当病的な犯人像だった。

浅倉に関しては今後も結構なエピソードで登場することになる。
相棒の中でもなかなか味のあるキャラクターだったな。



杉下右京 …… 水谷豊 (特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)

大木長十郎 …… 志水正義 (生活安全課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (生活安全課)

浅倉禄郎 …… 生瀬勝久 (東京地検の検事)
市村麻衣子 …… 渡辺典子 (東京地検の浅倉検事)
今宮典子 …… 仲根かすみ (高校生)

山口剛、河野洋一郎、吉満涼太、戸川暁子、康喜弼、三浦剛
奏谷ひろみ、貴佐絵、濱近高徳

1課の捜査官
作原利雄、藤田浩史、中島栄治郎、平山耕哉

秋山恭子、田村三郎、持田篤、梁井律子、矢澤裕紀、田村学
坪田三蔵、吉原夕子、大橋莉紗、若林亜希、関口龍之輔
下城正義


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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