相棒・警視庁ふたりだけの特命係 3
Pre Season (2001年11月10日)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一、須藤泰司
脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
音楽:義野裕明
制作:山田光男

第3話 大学病院助教授墜落殺人事件!
日付の違う乗車券の謎と、死体が語る美人外科医の秘密

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17時40分、府中で化学薬品工場が大爆発を起こす。
帝国医科大病院に患者が運ばれてくる。
次々と病院は手の空いている医者に対応を求め、ポケベルを
使って医師たちにも集まるよう招集する。
200人以上の作業員が居たために被害者の数も尋常では無かった。

薫はそんなニュースをテレビで見ていると、その中の被害者の
一人として右京が病院に運ばれていく姿を目撃してしまう。
薫はすぐにたまきに連絡を入れると、帰宅した美和子と一緒に
病院へと向かう。

しかし右京は事故現場にいたのではなく、盲腸で運ばれただけ
だった。薫は大爆笑する中、たまきも心配で病室に駆けつける。
個室なんて豪勢だと言う中、窓の外を見ていると、突然男性が
落下していく姿を目撃してしまう。

被害者はこの病院の医師・今井貞一だった。
薫は所轄の刑事と共に転落したであろう病院の屋上に様子を
見に行く。特に争った形跡も無く、この状況だと自殺だという。

そんな中、右京のことを手術した医師・鴻野麻奈美がやって
くる。被害者のことを尋ねると、ウチの医局の助教授だという。
薫も右京の元にやってきて、屋上から飛び降りたみたいだと
報告する。捜査にあたっていた府中南署の刑事・井上は、薫に
遺書も引き出しから見つかったと報告がある。
薫はその遺書を見に行くとワープロ書きの文章で"医師として
の限界を感じた"と自殺の理由がただ一言書かれていた。

特命係に戻る薫の元に角田がやってくる。
飛び降りたとされる助教授は離婚が原因ではないかと言われて
いるらしい事を語る。そこに捜査一課の伊丹もやってくる。
捜査一課宛に監察医から検死報告書が届いたのだという。
伊丹は自殺に関して不審な点でも有るのかと尋ねるが、話そうと
しない薫。伊丹は薫に対してどうせお前は使いっ走りであり
右京の変わりに事件を解決するなど出来無いと言われる。

右京は美和子から現場の写真を見せて貰う。
写真を見る間、右京は美和子に結婚はしないのかと尋ねる。
たまきが気にしていた事を告げると、長くつきあうのも考え物
だと告げる。
右京は写真からベルトの通しが切れている事を気がつく。

伊丹は右京がこの件を疑っているのを知って、上司の山田英雄
係長に捜査をしたい旨が語る。

薫は右京の元に検死報告書を持って行く。
被害者から微量の睡眠薬が検出されたという。話しを聞くと
睡眠薬を常用しており、神経質な人だった事を知る。
右京は神経質なのに何故ズボンのベルトの通しが破れていた
のかと益々疑問を膨らませていく。
今井は学会に行くことになっていた事を知る。それなのに
あのズボンはおかしいと呟く。

右京はナースたちから今井の事を聞いて周り、落下したとされる
屋上を見に行く。
薫は府中南署に被害者の遺留品を借りに行くが、そこにも伊丹
がやってきて鉢合わせする。自分の立場をわきまえろと言われ
遺留品を取り上げられてしまう。

薫は麻奈美に逢うと、今井の自殺は怪しいことを告げ、彼に怨み
を抱く者は居ないかと問う。すると私も大嫌いだったという
彼はとても評判の悪い人物だと分かる。
右京は看護婦長の大谷の元に行き、今井と同期で助教授の
太宰先生について話しを聞きに行く。二人は教授の椅子を争って
居たことを知る。

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被害者は大学病院の医師・今井貞一

あまり好かれている人物ではないこと。
神経質で睡眠薬を常用していたこと。
妻とは別れたこと。
高所恐怖症であること。

自殺か他殺かの判別

この見極めはちょっと弱いものがあったかな。
ただ睡眠薬が検出された事で、他殺を疑うのは当然の行動では
有ると思う。

着眼点はズボンのベルト通しの切れ方

高所恐怖症とベルトの通しの切れ方で、犯行の方法を見つけて
しまうというのもちょっと飛躍していた感じはする。
いつも通りたまきの店で判明していくことになるが、この頃の
たまきの店って"新ふくとみ"っていうのね。
バイトの人を雇っていたり、右京達以外にも客が来ていたりと
ちょっと珍しい設定だった。

伊丹と薫の争い

この頃から激しい争いを行っていたのね。
ただ捜査一課のメンバーは、連ドラ版と違って、上司も含めて
全然違う人物が演じているところが逆に斬新だった。

右京は美和子と薫の関係に突っ込む

連ドラ版ではあんまり恋愛関係に深く突っ込むところは無い
けど、この頃は結構プライベートも突っ込むなぁ。
薫が女医に送ってもらって美和子が嫉妬するとか、刑事ドラマ
以外も楽しめる。今の相棒ってガチガチの刑事ドラマになって
いるからなぁ。

ちえという喘息の患者

永井杏ちゃんが演じている。
突拍子もなく現れるキャラクターで有り、彼女のお陰で事件
の捜査が進むわけだけど、やや死体を見たとする辺りは、
不自然な描写ではある。右京が同様に眠らされたときには、
彼女に助けられるのだろうなと思ってみていたらその通りだった。

今川殺害の動機は?

色んな人が彼を嫌いだけど、殺害するまで怨みを持つとなると
容易ではない。
一番の動機に成り得るのは教授争いをしていたという事。
死亡する日に、彼の部屋から男性が出てきたとする目撃証言と
彼の部屋のPCのハードディスクの復元によって、徐々に解決
していく。

時限式の殺害方法

その割りにアリバイ工作が上手く為されていない所がご愛敬
なのだろうか。
この流れで殺害方法を見破るというのはちょっと難しいな。
せめて手首にロープの跡があったり、現場にロープが残ってい
たりすると良かったんだけどね。



杉下右京 …… 水谷豊 (特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)

鴻野麻奈美 …… 伊藤裕子 (帝国医科大病院・医師)
佐野昌平 …… 東根作寿英 (帝国医科大病院・医師)
大谷房子 …… 銀粉蝶 (帝国医科大病院・看護婦長)
太宰謙介 …… 中原丈雄 (帝国医科大病院・助教授)
今井貞一 …… 中丸新将 (帝国医科大病院・助教授)
山田英雄 …… 片岡弘貴 (捜査一課・強行犯7係・係長)
ちえ …… 永井杏 (患者)

丸岡奨詞、田中龍、棟里佳、村野友美、東美江、新納敏正
江端英久、嶋田豪、尾道凛、阿部六郎、鶴田東、井元工治
金子之男、北村隆幸、四宮由佳、佐野珠美、武藤令子
横沢美智香、松本加寿子、佐藤智美、久保亜紀子、斉藤芳
児島功一、岡本勲、菊池隆志、中西台次、水口圭、益田嵐樹


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