救命救急24時
(シーズン2 2001年7月期)

脚本/福田靖、橋部敦子、飯野陽子、秦建日子、田辺満、林宏司
プロデュース/和田行、中島久美子、樋口徹
演出/田島大輔、水田成英、樋口徹、山本一男


第3話 小さな命大きな命

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釣ってきた鯛を食べた時に喉に骨を詰まらせた患者がやってく
る。また顔色の悪く嘔吐したという少年・ショウタが運ばれて
くる。太田川は臭いを確認し、煙草を間違って飲んでしまった
のかも知れないとして胃洗浄を行う。

そんな中、医局では進藤の下に付いた研修医の矢部が、先生
たちの間で賭けの対象になる。厳しい進藤の下では辞めるの
ではないかという。馬場、城島は辞める方に掛け、神林は辞め
ない方に半ば強引に掛けさせられる。後からやってきた進藤も
辞める方に掛けた。

転んで怪我をしたという女性も診察にやってくるが怯えた様子
に違和感を覚えた香坂は、服装の乱れを見て襲われたものだと
実感する。相手の顔を覚えているか尋ねたとき、ちょうど処置
の為に病院を訪れていた男性を見て被害者は怯え出すことから
犯人だと分かる。犯人を担当する神林に連絡を取り、警察が来
るまで治療を引き延ばして止めて置いて欲しいと連絡が入る。

犯人は神林が事態に気がついたものと思い突如診察室から
逃げ出す。医師達は彼の逃走をなんとか食い止めようとする。
犯人が逃げ込んだのは手術中の患者の居るオペ室。
ナイフを片手に一人の看護師を人質に取る。進藤は犯人に
オペ室から出て行くよう告げる。それに加勢するように香坂は
犯人を挑発するように人間のクズだと告げる。怒って香坂に
向かおうとしたとき、進藤は犯人の顔にスプレーを噴射。
馬場は犯人からナイフを取り上げたのを機に医師達は一斉に
犯人に飛びかかり犯人を捕まえる。

そんな中、5歳の少女・鈴木美咲が他の病院から転院してくる。
前の病院からは看護師が一人来ただけで、医師は無責任にも
来ない。恐らく感染症で血液に細菌に冒され肝臓が機能傷害に
陥っているというもの。
また和泉喜代という患者が第一外科から運ばれてくる。病床数
が足りなくて強引に一時的に運ばれてきたものであるが、喜代
は末期癌患者であることを知る。
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今回は救命の中で生き延びる者と亡くなっていく者たちの現状
が描かれ、それを担当する研修医たちの心情が描かれた。

研修医としては避けられない人の死。
そんな死を目の前にした患者に対する対応の仕方をどの様にす
れば良いのか悩むところは、医師としての登竜門なのかも知れ
ない。
そんな末期癌患者を担当したのは太田川奈津だった。
患者の家族の対応がまたぞんざいなもので、どうせ治らないな
らば早く逝って欲しいと思っていること。それを受けて太田川
にもそんな一面が有ったことに自らも驚きショックを得る。

一方矢部は5歳の患者の対応に当たる。
家族のものたちに生体肝移植という手もあるとして、それを
行えば大丈夫であるような事を発言するが、適合者が折らず
進藤からは安易に家族に期待させるような発言をしてはならない
とお叱りを受ける。
患者は10日間容体に変化がなく自信を無くす矢部に、進藤は
患者の両親は命を矢部に託したのであり、本当にやれるべき事は
全てやったのかと問われる。
それ以来患者の枕を母親のものと交換したり、つきっきりで看病
の日々。時にハーモニカを吹く辺りはとても心に響くものだった。
最初は家族も担当医の変更を申し出るが、献身的に看病する彼の
姿勢に考えを改めるものも有ったのではないか。

和泉は静かに亡くなり、それとは対照的に子供は回復する。
延命措置をしないことも一つの治療だという事を知る研修医。
和泉の願いは自分の変わりに折り紙を折って欲しいとのことだった
が最初から子供のために折っていたのかな。

面白かったのは何と言っても香坂が未だに救命のがさつな環境に
慣れたくないとしてソファーに寝ることを拒んでいる事実。
今回はみんなが見守る前でソファーに眠りそうだったのだけどね。

進藤一生 …… 江口洋介 (外科医)
香坂たまき …… 松雪泰子 (専門は心臓外科医)
矢部淳平 …… 伊藤英明 (研修医)
桜井ゆき …… 須藤理彩 (看護師)
太田川奈津 …… 田畑智子 (研修医)
神林千春 …… 小日向文世 (外科医)
馬場武蔵 …… 宮迫博之 (整形外科医)
城島俊 …… 谷原章介 (外科医)

大貫佐智 …… 田根楽子 (看護婦長)
山城紗江子 …… 木村多江 (看護婦)
賀茂みどり …… 唐木恵子 (看護婦)
伊沢朋子 …… 君嶋ゆかり (看護婦)
見城一恵 …… 三宅恵美 (看護婦)
相原早苗 …… 山崎めぐみ (看護婦)
北村圭二 …… 宇崎慧 (心臓外科医)
秋山正幸 …… 小林すすむ (神宮の助手)

神宮恭一 …… 津嘉山正種 (第一外科教授)
小田切薫 …… 渡辺いっけい (医局長)

和泉喜代 …… 大森暁美 (65歳・末期癌患者)
鈴木美咲 …… 佐藤夏帆 (5歳・肝障害で意識不明の少女)
美咲の母 …… 浅野麻衣子
釣りが趣味の患者の妻 …… 青木和代

瀬戸陽一朗、渡辺寛二、井上夏葉、仲根かすみ、新穂尚子
上野平貴、伊勢田隆弘、上坂巧

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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