救命救急24時 (シーズン2 2001年7月期) 脚本／福田靖、橋部敦子、飯野陽子、秦建日子、田辺満、林宏司 プロデュース／和田行、中島久美子、樋口徹 演出／田島大輔、水田成英、樋口徹、山本一男

第4話 おまえはひとりじゃない!
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先日病院で亡くなった横山五郎という患者はテレビ局スタッフ
としてアフリカロケに行った際同行したものがクリミア・コン
ゴ出血熱で亡くなっている事が通達される。この病気の感染力
は強く血液どころか唾液でも感染すること。そして感染すると
死亡率が高いことを聞き、香坂は輸血中に患者に刺した注射の
針を自分に刺してしまった事に恐れおののく。
異変に気がついた進藤は香坂に声を掛けるが、香坂は何でも
無いと告げる。

そんな中病院には土砂崩れによって救出した救助者と土砂に
巻き込まれたレスキュー隊の一人佐野が運ばれてくる。
救助者を処置しようとしていた際に看護師の桜井は、かつて
この患者・森田は薬剤アレルギーが有った事を思い出す。
その為のカルテを確認するために処置が遅れ、それを見ていた
レスキュー隊員たちは、医師達の手際の悪さに違和感を覚える。
レスキュー隊の佐野はなんとか助かるが、森田は亡くなって
しまう。それを見ていた喜多見は手際の悪さを指摘し、全ての
責任を救命救急の医師にぶつけてくる。

一方その頃香坂は自ら血液を採取し、ボストン医科大に血液
検査を依頼する。
そのせいで香坂は救命の現場に現れず、何故急患が来た事を
知っても香坂が処置に訪れなかったのかが問題になる。
仕事をする気にならなかったという香坂に呆れる医師達。
しかし病院の方にボストン医科大から検査の依頼が有った事
を知らせる通知が来たために進藤は香坂の身に起こっている
現状を知る。
ウィルスの潜伏期間は2日から9日。新宮教授らはその間家には
帰さず、マスコミ対策のために病院内部の人間にも情報を漏ら
すなと命令。香坂は感染科の個室で検査結果が出るまで缶詰
にさせられる事になる。
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今回はレスキュー隊と救命救急士の考え方、立場の違いが現れ
た話だった。

処置のスピードに敏感なのは、やはりそれだけ刻一刻と現場の
状況が変わっていくレスキュー隊の仕事柄なのか。
森田という患者への処置がレスキュー隊には遅く感じたこと。
医師にしてみれば当たり前の行動にしか見えないし、レスキュ
ー隊の意見の方が横暴にも思えてしまう所がある。

しかも進藤が佐野の処置をして容体が峠を越えた時に発した言葉
を巡って再びレスキュー隊と対立する。
"よかった"とする言葉は、救助者を助けられたときにするものだ
とするレスキュー隊。しかし医師にしてみれば目の前の患者の
容体こそ全てだし、間違った言葉ではないように思える。

ドラマとして面白いのは、今回香坂を使って医師としての心情を
吐露した面だ。進藤が香坂の元を訪れたときに、香坂は救命に
など来なければ良かったという。医者がこんな危険な仕事だとは
思わなかったと。レスキュー隊にしてみれば、自分たちは命の
危険を晒して救助者を助けている自負心から、医師にはリスク
などは無いと感じているのかも知れない。しかし医師にもそんな
リスクが有ることを臭わす展開だったこと。

レスキュー隊の最も自負を感じるのは助け合う仲間の存在。
命の淵にいた佐野は隊長の声で助けられたとするが、その声の
持ち主が仲間達から発せられるのではなく、医師達の口から
発せられていたことで、隊長の意識も変わることになった。
しかし開腹手術で麻酔が掛かっているのに、うっすら意識が
有るような演出には少々違和感が有ったかな。

結局香坂は感染していなかった。
救命たちが声を掛けてくれる事に、仲間意識を感じるもので
レスキューにも決して負けていない関係性が描かれていたかも
知れない。

しかし進藤先生はなんでバリで蛙の置物など買っていたのだろ
うか。それが一番気になるところかも。

進藤一生 …… 江口洋介 (外科医)
香坂たまき …… 松雪泰子 (専門は心臓外科医)
矢部淳平 …… 伊藤英明 (研修医)
桜井ゆき …… 須藤理彩 (看護師)
太田川奈津 …… 田畑智子 (研修医)
神林千春 …… 小日向文世 (外科医)
馬場武蔵 …… 宮迫博之 (整形外科医)
城島俊 …… 谷原章介 (外科医)

大貫佐智 …… 田根楽子 (看護婦長)
山城紗江子 …… 木村多江 (看護婦)
賀茂みどり …… 唐木恵子 (看護婦)
伊沢朋子 …… 君嶋ゆかり (看護婦)
見城一恵 …… 三宅恵美 (看護婦)
相原早苗 …… 山崎めぐみ (看護婦)
北村圭二 …… 宇崎慧 (心臓外科医)
秋山正幸 …… 小林すすむ (神宮の助手)

神宮恭一 …… 津嘉山正種 (第一外科教授)
小田切薫 …… 渡辺いっけい (医局長)

難波 …… 小木茂光 (レスキュー・隊長)
佐野巧一 …… 根岸大介 (レスキュー隊員、重体で運ばれてくる)
合田 …… 木下政治 (レスキュー隊員)
喜多見 …… 池田稔 (レスキュー隊員、処置が遅れたと激怒)
倉沢 …… 倉持一裕 (弁護士)

大森ヒロシ、大村美樹、安室朝泰、根岸勇人

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)