救命救急24時
(シーズン2 2001年7月期)

脚本/福田靖、橋部敦子、飯野陽子、秦建日子、田辺満、林宏司
プロデュース/和田行、中島久美子、樋口徹
演出/田島大輔、水田成英、樋口徹、山本一男


第5話 最後の授業

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明日の土曜日は小田切部長の誕生日。子供達が父親の誕生日を
祝うとして張り切っているが、いつも救命の仕事が忙しくて
約束を守れずにいた。今度ばかりは一緒に誕生日を祝おうと
考えていた。

馬場はこの日インターハイ直前に怪我をしたという患者マヤの
処置を行う。急患だったために麻酔科から気管支鏡を無断で
拝借してなんとか命を取り留めた。馬場はもう三日以上帰宅
しておらず当然風呂にも入っていない。太田川からは臭いを
指摘され、ただでさえ救命の医師はモテないのにと告げられる。

小田切に近づく男が居た。
高級老人ホーム設立に際して医療部長として来て欲しいという
引き抜き。週休二日、給料は今の倍支払うと言われ気持ちが
揺れるが即答はせず。

香坂は救命にいても心臓外科医として専門的な勉強を欠かさずに
いた。しかしその分患者への対応が疎かになり、苦情が来る
事も・・進藤からもっと患者との会話も勉強しろと言われるが
香坂は私の笑顔は高いのよと突き返す。

そんな中、胸痛を訴える患者・柴田茂文が運ばれてくる。
柴田は痛みをこらえながらも救命医に何かを語りかける。
自分は末期癌であり無駄な事は止せという。進藤は治療の為
の検査を行うと言うが、柴田は病院の利益のため、保身のため
の検査だとして避難する。
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今回もまた救命救急医の苦労が描かれた。

家庭を犠牲にしてまで職場で働き続ける医師たちの医療現場。
そんな事情を知る患者の柴田は、最期の時を目の前にして
無駄な人生だった事を口にする。

確かに患者からなかなか感謝される場所でもないし、右から
左へ受け流す(by勝山慎司)かのように、次々と患者がやって
来ては去っていくという現場。
研修医の矢部がそんな柴田の目の前で"やり甲斐がある現場"と
言ったが最後。そのやり甲斐とは何なのかと問われて答えを見つ
けることが出来ないでいる医師の姿は、ただ無機質なものでしか
無いのか。

ドラマとしてはそんな医師達に患者が目覚めたときの感動を
味わせたり、また医師としての功績を残したという事を表す
後輩医師からの言葉を頼りに、人生の達成感を得ていく。

麻酔医が規則を盾に、救命医師を非難すること。
そして外科部長からは深夜を理由に電話した事を非難される事。
医師同士の間でも救命の苦労を分かっていない現実に辟易する
思いだが、使命感や僅かながらの達成感に支えられながらも
自分のやるべき事をやっていく医師達に頭の下がる思いだった。

小田切薫が神宮教授に"ウチの医師は丸三日寝ていない!"と発奮
する姿はとても気分の晴れるものだし、口うるさく抗議してきた
遠野伸之に対しても、救命全体の総意であるかのように患者の
前で規則という言葉を口にするなと言ったところは、とても良い
シーンだった。

シーズン4と違ってキャラクターたちが切迫感だけでなく、
ユーモア性も持っている所はシーズン2の良さだな。
その辺のバランス感はシーズン2の方が良い感じだ。

進藤一生 …… 江口洋介 (外科医)
香坂たまき …… 松雪泰子 (専門は心臓外科医)
矢部淳平 …… 伊藤英明 (研修医)
桜井ゆき …… 須藤理彩 (看護師)
太田川奈津 …… 田畑智子 (研修医)
神林千春 …… 小日向文世 (外科医)
馬場武蔵 …… 宮迫博之 (整形外科医)
城島俊 …… 谷原章介 (外科医)

大貫佐智 …… 田根楽子 (看護婦長)
山城紗江子 …… 木村多江 (看護婦)
賀茂みどり …… 唐木恵子 (看護婦)
伊沢朋子 …… 君嶋ゆかり (看護婦)
見城一恵 …… 三宅恵美 (看護婦)
相原早苗 …… 山崎めぐみ (看護婦)
北村圭二 …… 宇崎慧 (心臓外科医)
秋山正幸 …… 小林すすむ (神宮の助手)

神宮恭一 …… 津嘉山正種 (第一外科教授)
小田切薫 …… 渡辺いっけい (医局長)

柴田茂文 …… 谷啓 (進藤の恩師、心筋梗塞、結腸癌)
遠野伸之 …… 津村鷹志 (麻酔科部長)
鈴木さとこ …… 木村翠 (子猫を抱いた老女)
谷沢百合子 …… 唐木ちえみ (マヤの母)

皆川猿時、江連健司、乗峯勝志、岩崎直美、矢端名結、二木静美

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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